日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

マリヴォーダージュ

2005-04-03 19:02:03 | パリ右岸
以前から、「素晴らしいので、是非見に行け」
とフランス人の知り合いに言われていた、
18世紀の劇作家、マリヴォーの演劇を晴れて、
見に行く。

演出は、ピーターブルックの娘の、
イリーナ・ブルック。
格調高いマリヴォーのフランス語の台詞回し(軽いけど)
とイリーナ・ブルックの現代的で、キッチュな
演出の融合。こりゃ、面白くないわけがない。

モンマルトルのアンヴェール駅近くの劇場、
テアトル・ド・アトリエ。夕闇の始まる9時ごろ。
シャルル・デュラン広場。観光客の群れ。
レストランの明かり。劇場前に集まった人たち。

開幕。演目、『奴隷の島』は、地中海の孤島に
遭難した二組の「主人ー奴隷」(ギリシャ時代
という設定)が、いきなり役割交代する喜劇だ。
その孤島では、逃亡奴隷が共和国を設立している。
奴隷が統治する国なのだ。

名前のない奴隷が名前を持つ。主人のばかばかしい
日々の営みを、再現して笑いものにする奴隷。
キッチュな演出、派手な服装、拍子の抜けた音楽。
腹を抱えて笑いつつ、この演劇が初演されたのは
1725年。革命前夜だったことを考えると、
強烈な社会風刺、そして革命の予言でさえ
あったのではないかと思わずにはいられない。
なんて、ちょっとインテリぽいな。

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