日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

何も変わらない

2005-11-11 16:59:17 | フランス
昨日のテレビニュースでは内相であり、次期大統領候補
とも目されるニコラ・サルコジが
「暴動に参加した外国人は、不法滞在者であれ、合法的な
滞在者であれ国外追放すべき」と発言したことで大騒ぎ。
もともと今回の騒動も一番最初に機動隊と郊外の暴徒との
小競り合いがあったときにサルコジがこの暴徒らを
「社会のクズ」扱いしたことが彼らの怒りに火を注いだのだ。

ある暴徒が言っていた、
「サルコジの言葉に復讐するために放火してるんだ」と。

この状態を見てある小学校の教員がコメント。
「すべて絶望のエネルギーが噴出しているだけ。彼の
表現方法は一つしかない、破壊することだけ」

テレビ番組では今度は今回の暴動の原因をHLMを
高度経済成長期に無計画につくり、移民のゲットーを作ってしまった、
という都市計画の失敗、としていた。
ある友人(郊外とはおよそ関係ないような)は
国内外の扇情的な報道のあり方に憤っていた。
などと各人が勝手なことをそれぞれ言っているんだけど、
一つ変わらない部分がある。

サルコジが好き勝手ことを言おうが、今回の暴徒対策で
明らかに首相のドビルパンのほうが存在感を強くしようが、
60%近くのフランス人は相変らずサルコジを支持しているのだ。
いくら言論抑圧だの、治安強化のための行き過ぎた取締りだの
と言ってサルコジを知識層や左派が批判しても
やっぱり国民の半分以上はサルコジを支持しているのだ。
何も変わらないんだなあ。


エリート達の顔

2005-11-11 08:04:46 | パリ左岸
「言えなかった言葉は 暗闇でしおれてく」
と種さんが新アルバム『カナリヤ』の中で歌っている。
言い淀んだり、言葉を飲み込んだりするのは
スマートじゃないのかもしれない。そのうち言葉は
暗闇でしおれていくのなら。思ったことをそのまま
明晰な表現で相手に伝えていくのが一番いいのかも。

昼飯をフランス人の友人と取る。そのあと一人で
地下鉄の駅まで歩いていく。途中でユネスコの脇を通る。
イサム・ノグチの庭なんかがあるユネスコの本部だ。
その威圧的な面白みのないコンクリートの建築物の前を
通り過ぎる。外観だけで見れば、ユネスコと言うのは
なんの面白みもない建物なのかも。

ふと門の近くでユネスコで働いているのであろう、
サラリーマンらしき人々にすれ違う。白人、黒人、アジア人。
浮世の騒動など関係ないのか、それぞれがエリート然として
溌剌とした表情。日本人じゃないかと思われる、
自分と同じぐらいのアジア系の男とすれ違う。
明らかに醸し出すオーラが違う。なんかエリート然としているのだ。
高そうなコートを羽織って、余裕のある表情。

そんなのと比べると自分なんて本当に必死で、
いっぱいいっぱいの毎日を暮らしているんだなあ、なんて思う。
コンプレックスなんて思春期が終われば解放されるのか、と
思っていたけど、100%解放されることなんてないんだなあ。
じゃあ、コンプレックスと共生する方法を考えたほうがいいのかも。