日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

パリ郊外じゃ大変なんだよ

2005-11-05 06:38:15 | フランス
先週末にパリの北郊、クリシー・ス・ボワで始まった
郊外の若者たちの暴動は一週間経っても、収拾のつく気配もない。
幼稚園やカーセンターが燃やされたほか、焼き討ちにあった
自動車は400台以上に上るという。
同じセーヌ・サン・ドニ県のオベルビリエ(本当にパリの北隣、
地下鉄でも行けてしまう)に住む同僚は、
「今朝、出勤途中に舗道で焼き焦げた車を何台も見た」と言った。

元はといえば、警官に追われて誤って変電所に入り込んだ少年らが、
感電死したことが事件の発端。従来から職もなく、暴力のはびこる
郊外で、社会への鬱屈がたまっている郊外の若者層は、いつ爆発しても
おかしくなかったようだ。オーベルビリエの同僚は
「焼き討ちなんて驚かないよ。郊外じゃ武器の密売は日常茶飯事なんだから」
といとも簡単に語っていた。

話は変わって、今日の夜、パリの某所で日本の能が上演されたので
ちょっと見に行ってみたのだが、あまりにも人が多くてちょっと
げんなりし。客を見ていたら8歳ぐらいの子供をつれたフランス人
の女性がいた。子供といっしょに能を見るらしい。日本語だって分からないのに。
「ああいうのは一種のスノビズムなんだよ」などとその親子を見ながら
フランス人の知り合いが言っていた。
郊外じゃ車が燃やされてるのに、こっちじゃ能鑑賞会かよ。
フランス人の階層間の溝の深さをちょっと実感。