KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

坂本のひな祭りと稼勢山と樋口山

2023年03月09日 | 四国の山


『線で繋ぐ引田鼻灯台~讃岐三崎灯台』もいよいよ終盤に差し掛かったところで

お山はそろそろ花の季節になってきた。ネット上でもそんな花を写した写真が

アップされ始めたが、その中で目を引いたのが花の写真ではなく、REIKOさんが

アップしていた勝浦町坂本のひな祭りの写真だった。

坂本八幡神社の石段に並べられたお雛様。町家の軒先に飾れられたひな人形。

これは奥様たちにも見て欲しいと連絡したら、丁度あっちゃんがテレビで、

同じ勝浦町で催されているビックひな祭りの放映を見た直後で、是非一緒に見て

みたいと折り返しがあった。


以前はよく西三子山の福寿草を見に出かけていた頃は、帰りにビックひな祭りを

見学して帰っていたが、坂本のひな祭りは初めて。

そして開通して間もない徳島南部自動車道を走るのも初めて。以前だと一旦

高速を降りて徳島市内を走るので時間帯によっては渋滞していたが、この

自動車道のお陰でその心配がなくなった。

その自動車道の終点となる津田町で降りて勝浦川に沿って県道16号線を進んで行く。

山犬嶽高丸山に出かける時も通っていた道で、坂本と書かれた標識は目にしていたが、

その標識から北に山手の集落へと登って行く。閉校した坂本小学校を利用した

ふれあいの里さかもとに車を停めて準備をしていると、『私、ランチの予約して

くるから戻ってくるのは何時位になる?』とあっちゃん。

『13時までには戻って来られるかな』と答えると、さっそく校舎の中へ入って行き

『ランチ、予約してきたわよ!』と言って戻って来た。











支度を整え坂本の旧街道を歩いて行くと、それぞれの家の軒先にお雛様が飾られている。

その一つひとつを見ながらルリちゃんもあっちゃんも感心している。







途中に『かせ山』と書かれた道標からコンクリートの坂を登って行く。




民家の脇を通り竹林を抜けるとまたアスファルトの道に出た。その道に沿って

歩いて行くと、今度は分岐分岐で『かせ山トレッキングコース』と書かれた矢印の

案内板があった。雲一つない青空に気温も体温も上がり、今日も長袖の下着を

着てきたので、歩き始めて直ぐに暑くなってきた。額からは汗がボタボタと落ちる。











案内板に沿って作業道を進んで行く。作業道は分岐が多く、この案内板がなければ

まず道が分からず迷ってしまうだろう。








途中では坂本の集落が山裾からかなり上の方まで続いているのが見えた。山の斜面は

杉が植えられているのだろう、茶色く変色した山肌になっている。コンクリート道から

地道になると途端に道が荒れて来た。倒木を跨ぎロープを掴んでの乗越すとまた

舗装路に出た。ここまでの道は地形図には全く載っていなくてまるで迷路の様だ。










舗装路からは地形図でまっすぐ破線が続いているが、実際は何度か右に左にと

折れながら登って行く。

けっこう登って来たところで突然墓地が現れた。集落近くでなくて何でこんな上に?

ここからの作業道には杉の枝葉や種が道を覆いつくしていて、ほとんど使われていない。

と思っていたら軽トラックが一台停まっていた。近づくとそのトラックを停めた場所から

少し下の杉林の中で、枝打ちをしているおじさんがいた。










その作業を横目に見ながら杉林の中を歩いて行くと、トレッキングコースの案内板と

錆びて判読できないもう一つの案内板。トレッキングコースの案内板は左に。錆びた

案内板は尾根へと誘導している。矢印に沿って左に進むとまた道は荒れてきた。

枯れ落ちた枝葉で歩きづらかった道は、山側から落ちて来た石で更にガタガタの道になる。











尾根の北側を回り込むようにして少しづつ高度を上げて行くと、まだ真新しく折れた

木が道を塞いでいる場所もあった。不安定な倒木の枝に乗っかり平均台の様にして

乗り越えたが、奥様たちは安全を取って倒木を避けて下に降りて歩いてきた。









その倒木を過ぎても何ヵ所も道を塞ぐ木が多く、跨いだり潜ったりとまるで障害物競走の様相。

これだけ倒木が多いのは台風とかの影響だけでなく、斜面の地盤がもともと柔らかいのだろう。

















トラバース道の途中で一ヵ所だけ北に開けた場所があった。そこからは稜線に並んだ

白い風力発電の羽がゆっくり回っているのが見えた。大川原高原の稜線だろう。

道は相変わらず石がゴロゴロしていて歩きづらい。枯れた杉の葉の上に真っ赤な

椿の落花が一輪。周りを見て見ると椿の木が何本かあった。

『ここの椿の幹は何だか細いわね』とルリちゃん。










トラバース道から最後少し急な坂を登ると、お大師の峠と言われる稼勢峠に着いた。

ここから南に稼勢の集落(集落跡?)へと道が続いている。














峠からは東に尾根を進んで行く。緑のネットに沿って急登が続く。

その急登を登りきったら稼勢山かと思ったら、山頂はまだ先だった。







露岩の尾根や奇木を見ながら二回程アップダウンをして、最後の坂を登ると山頂に着いた。

山頂には三等三角点 坂本 501.4m。あら?山名標は鹿背山になっている。

ここで行動食を口する。『ふれあいの里には何時に着くかな~!』とあっちゃんが

聞いてきた。下山の時間というよりはお昼のランチで予約した時間が間に合うのかを

気にしているようだ。そう言いながらおにぎりと魚肉ソーセージを頬張っている。












お腹を少し満たした後、元来た道を戻って行く。峠からの尾根道は意外と急な

アップダウンが続いている。












露岩の場所には往きには気づかなかったがロープも掛かっていた。








稼勢の集落のものなのか今は使われていないだろう共同アンテナがあったのも

先には気づかなかった。





稼勢峠まで戻り更に西に尾根を辿っていくと夷神社跡に着いた。平場の石積みと

その上に石積みに囲まれた祠が残る神社跡だった。夷と書いてえびすと読むらしいが

勝浦町沼江にある生夷神社と関係があるのだろうか?














地形図ではこの夷神社跡から更に西に鳥居の記号がついている。『取りあえずそこまで

行ってみましょう!』と声を掛けて進んで行くと、鞍部になった鳥居の記号の場所には

何もなく、さらに先のピークに小さな石仏と稼勢山530mと書かれた山名標があった。

先程の三角点のあったピークよりこちらの方が高いと言う事は、こちらが稼勢山なのかな?








神社跡の手前にトラバース道へ下る分岐があったが、奥様たちに『さてさて戻って

分岐から下ります。それともこのまま尾根を行きます?』と問いかけると、『このまま

尾根を下りましょう!』と返事が返ってきた。道があるかどうかも分からないが、

地形図を見て尾根を辿れば往路に出られると奥様たちも判断したのだろう。

地形図の見方もレベルアップしたもんだと感心する。










石仏のあった場所から次のピークの場所で東と北に尾根は分かれ派生している。

地形図では北に向かって広尾根を下ると往路に出る。ピークからは道らしく

なってきたが、杉林の中になると道が不明瞭になってくる。それでも薄い踏み跡を

辿り落ち葉と松葉に足を滑らせながら下って行く。
















すると往路でトラバース道と尾根との分岐になった場所に出た。錆びた鉄板の道標が

文字は判読できないが尾根に向かっての矢印になっている。







杉林の中を歩いて行くと先ほど枝打ちをしていた男性が、軽トラックの中でお弁当を

食べていた。男性の年齢からして枝打ちをしても、この辺りの木を伐りだすことが

あるのだろうか、なんてあっちゃんと話をする。杉林を抜けるとまたコンクリートの

道になる。朝とは逆に今度は分岐を右に右にと進んで行く。











12時30分、旧街道に出た。ふれあいの里のランチを予約した13時には

どうやら間に合いそうだ。








朝のスタート時点では人気のなかった八幡神社は、けっこうな人が訪れていた。

そのせいで石段のひな人形に人が写らないように写真を撮るのが一苦労だった。

今年のテーマは『ハート』だそうだが、本殿の石段の前にはハート型の芽の輪くぐりが

造られていた。真っ赤な毛氈の上に並べられたお雛様に色とりどりの吊るし飾りが

なお一層目をひく。











あちらこちらの木には可愛らしい『さるぼぼ』がいる。







今風らしく写真スポットも用意されて、ひな祭りを盛り上げている。

お目当ての八幡神社の境内をゆっくりと回ると丁度ランチを予約した時間になった。







旧小学校の教室がランチの会場になっていたが、ほぼほぼ女性ばかり。しかもけっこう

年齢の高い人達だ。おそらくそのご主人も仕事はしていないだろう女性たちだが、

夫婦で来ている人はひと組もなく、女性達だけで賑やかに話をしながらランチを

食べている。『夫元気で留守がいい』。その間に奥様は優雅にランチ。

引退後の自分の姿を見るようで何だか寂しくなった。

席に着いてから少し時間がかかったが地、元の食材を使ったランチは美味しく頂けた。





ランチの後はここまでせっかく来たのだからと、近くにあるYAMAPのポイントに

なっている樋口山を登ることにした。車で移動し正木トンネルの手前の路肩の広く

なった場所に車を停めて歩き始める。県道の歩道をトンネル方向に少し歩き、手前で

脇を登って行く林道が取付きになっていた。コンクリートの林道には杉の枝葉が

散乱していて普段からこの道を利用している様子は全くなかった。
















途中で先ほど登った稼勢山が意外と大きな山容に見えた。

その近くで道の脇にあった杉の木をストックで叩くと、雄花から真っ白な花粉が飛んだ!

ひえ~これが花粉症の元凶か!!








林道のコンクリートが途切れた場所が終端のようだった。そこからは尾根を南東に

向かって歩いて行く。ここも稼勢山と同じように山頂と思った場所がニセピークで

山頂までまだ小刻みにアップダウンをしていく。














露岩の尾根を抜け、杉林の中を歩きスタートから40分弱で樋口山に着いた。

山頂は三等三角点 正木 372.35m 周りは木々に囲まれ眺望はほとんどなかった。











それでもYAMAPのポイントをゲットできたから、さっそく下って行く。
















車まで戻って今度は樋口山の西にある山河の里に寄り道。山河の里は個人のお宅。

ご夫婦でお庭の手入れをして、一般にも開放しているそうだ。今日はまだ

咲いている花は少なく、花壇に植えられている沢山のチューリップが咲くころには

もっといろいろな花が咲き賑わいを見せてくれるだろう。













手書きの案内板や石に書いた絵を見ると、お会いは出来なかったが、そのご夫婦の

人柄が感じられる。














山河の里のお庭を見た後は、あっちゃんご希望のビックひな祭りへ。

その途中で、REIKOさんお勧めの田舎寿司でお寿司を買い、

会場のある道の駅ひなの里へ。

入場料を払って中に入ると、目の前に巨大な雛壇。










男性にはほとんど興味のないひな人形だが、奥様たちはやはり女子?女の子?女性。

ひとつひとつの顔を見比べながら歩いている。

同じようにして見て回るが、私としてはこのお内裏様くらい顎の所がシュッとしたら

いいな~とくらいしか思い浮かばない。











そしてビックひな祭りの後はこれもREIKOさんお勧めの前松堂で和菓子のお買い物。

駐車場では満開の河津桜を見て、お雛様と花とお買い物の三拍子そろった一日が

終わり、奥様たちも大満足の一日となった。色々と教えてもらったREIKOさんに感謝です。











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