応用地質学─森林科学コース 2005年08月11日 | 【大学時代】森林科学 応用地質学実習 1・砂丘の地層を見る 鳥取砂丘 まず一行が向かったのは鳥取砂丘。といっても「今ある」砂丘見学ではなく、露頭(地層が露出した断崖、左写真)を見て、「かつての」砂丘つまり「古砂丘」を見ました。 ※写真はクリックすると大きなサイズのものをご覧いただけます。 写真を見ると、上部の表土の下に、中部の黄土色の層と下部の灰赤色をした層が見受けられます。黄土色の層は、5万年前の大山噴火によって火山灰や軽石が降り積もり、それが風化されて出来たものです。保水性が良く、水にぬらすと味噌みたいなので「味噌土」とも呼ばれています。 下部の灰赤色をした層こそ、古砂丘です。新砂丘(写真には写っていませんが、本来味噌土の層の上にあります)と古砂丘がはっきりと、同時に見ることが出来る貴重な場所が、鳥取砂丘の売店裏駐車場で見ることが出来るのでした。 砂丘の一部には、左写真のように味噌土の層がむき出しになっている箇所があります。新砂丘の層が薄かったりするためです。 ところで、この味噌土の層の下には、「姶良(あいら)」と呼ばれる薄い層が存在します。これは姶良カルデラ(鹿児島県)から噴出されたものの堆積層で、ごく小さな礫の集まったもので、保水性に非常に優れています。砂丘地は一見不毛の地に見えるのにハマヒルガオなどの植物がしぶとく生きていけるのには、新砂丘の下に味噌土やこの姶良が存在するからなのです。 左写真、こちらが姶良です。この断片の、上部に見えるものがそうです。 ところで、新砂丘の砂は、海岸の砂とはちょっと成分が違うそうですね。少し、SiO2の割合が多くなるのだそうです。 白兎海岸 ところかわって今度は白兎海岸です。「因幡の白兎」伝説の地。たいていは薄暗い色の海面の日本海も、ここ(ピンポイントで)はまるで東シナ海のような美しさ。 岩肌からむき出しになっている大きな岩。よくよく見ると、玉葱の皮を剥いた様になっています。これを「玉葱状風化」と呼びます。 しかもこれらをピックで削ってみれば、あっけなく崩すことが出来ます。見た目は普通の、硬そうな岩石なんですけれどね。 岩の周りの茶色い土(基質部・マトリックス)は「クサレ礫」という岩や礫が風化したもので出来ています。 その近くに、左写真のように幾筋もの割れ目が入った露頭が見受けられます。これは「節理」と呼ばれています。 まさに岩石が風化していく過程を垣間見ているのです。 この層も、大山噴火時に降り積もった堆積物です。 その下に、黒っぽい岩の層が見受けられます。 その一部をとってみると、写真のような岩が取れました。これは安山岩です。 安山岩は、マグマが地表もしくは海水などで急激に冷やされて出来たものです。かつてこのあたりでも、活発な火山があったのでしょうね。 独特な地形の山陰海岸です。いやはや。