BLOGkayaki2

蚊焼です。日記です。
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森林科学実習4日目

2005年05月12日 | 【大学時代】森林科学

 今日は環境樹木学の日です。
 今回は、①樹幹観察と②自然観察入門の2つの半に分かれての行動です。前者の班になったので、樹幹観察で行ったことについて述べます。

 今日はひどく雨が降っていたので、ずっと室内で、樹幹標本のスケッチを行っていました。標本は、合宿所の入り口に飾られているもので、木口面と、板目面と柾目面が観察できるようになっています。(→写真)
 スケッチで注目したところは、樹皮と形成層、年輪界、放射組織、髄です。見比べてみれば分かりますが、本当に多種多様、どの木も独特な特殊を持っているものです。

 例えばアベマキ(ブナ科)ですが、とにかく樹皮・コルク層が厚い。なんと言っても、国産材一コルク層が厚い木ですからね。そして、放射組織がとても太く、肉眼で十分観察できるということです。他の広葉樹にも当然放射組織はありますが、あまりにも繊細すぎて、ルーペを使っても確認できないほどです。アベマキはコルク層が剥ぎ取られた後、薪炭材として利用されたそうですが、萌芽更新するので伐採しても植林する必要もないため、とても有用だったようです。
 ナツツバキ(ツバキ科)は逆に、樹皮が非常に薄いです。そして,とてもつるつるしていて気持ちいいです。その質感と材の丈夫さからか、茶室などの床柱として重宝されているようです。ちなみにアベマキも、「外のゴツゴツ感がいい」ためか、まれに茶室の柱としても使われたようです。
 カツラ(カツラ科)は、非常に軽いですが細胞(道管)が非常に緻密なので、非常に丈夫です。ですから材に適していますし、将棋の駒としても使われています。年輪界は不明瞭のため、スケッチもあまり年輪を描かなくてすみます。めっちゃ楽でしたね。
 ウルシ科の材は、心材が黄色いという分かりやすい特徴を持っています。でも、かぶれるから、材としての価値はないようですね。切った直後のウルシは、もっと鮮明な黄色をしているそうです。

森林科学実習3日目(3)

2005年05月12日 | 【大学時代】森林科学

 午後からは、1年前に植菌されたという榾木の中の、シイタケ菌の蔓延状態を観察することをしました。
 合宿所からやや距離のあるところに、シイタケ榾場がありまして、そこで班ごとに任意の榾木を割って、観察を行いました。観察は色鉛筆を使って描かないといけませんので、なかなか難しいものです。
 割ってみると、殆どの榾木の中のシイタケ菌が順調に育っており、育っている部分の木は白くなっていました。シイタケ菌は木材中のリグニンを栄養源にしていますので、セルロースとヘミセルロースが残って白く見えるわけです。
 更に、樹皮をはがすと、より菌が育っていることが伺えます。皮をはぐと凄く白い層があり、触るとまさに、午前中に触った種菌の感触がします。

 観察が終わったら山菜取りをしたり、大王の松や川上源流(岡山・旭川の源流)を見に行ったりしました。

(写真は、切った榾木とその絵。)