今日は環境樹木学の日です。
今回は、①樹幹観察と②自然観察入門の2つの半に分かれての行動です。前者の班になったので、樹幹観察で行ったことについて述べます。
今日はひどく雨が降っていたので、ずっと室内で、樹幹標本のスケッチを行っていました。標本は、合宿所の入り口に飾られているもので、木口面と、板目面と柾目面が観察できるようになっています。(→写真)
スケッチで注目したところは、樹皮と形成層、年輪界、放射組織、髄です。見比べてみれば分かりますが、本当に多種多様、どの木も独特な特殊を持っているものです。
例えばアベマキ(ブナ科)ですが、とにかく樹皮・コルク層が厚い。なんと言っても、国産材一コルク層が厚い木ですからね。そして、放射組織がとても太く、肉眼で十分観察できるということです。他の広葉樹にも当然放射組織はありますが、あまりにも繊細すぎて、ルーペを使っても確認できないほどです。アベマキはコルク層が剥ぎ取られた後、薪炭材として利用されたそうですが、萌芽更新するので伐採しても植林する必要もないため、とても有用だったようです。
ナツツバキ(ツバキ科)は逆に、樹皮が非常に薄いです。そして,とてもつるつるしていて気持ちいいです。その質感と材の丈夫さからか、茶室などの床柱として重宝されているようです。ちなみにアベマキも、「外のゴツゴツ感がいい」ためか、まれに茶室の柱としても使われたようです。
カツラ(カツラ科)は、非常に軽いですが細胞(道管)が非常に緻密なので、非常に丈夫です。ですから材に適していますし、将棋の駒としても使われています。年輪界は不明瞭のため、スケッチもあまり年輪を描かなくてすみます。めっちゃ楽でしたね。
ウルシ科の材は、心材が黄色いという分かりやすい特徴を持っています。でも、かぶれるから、材としての価値はないようですね。切った直後のウルシは、もっと鮮明な黄色をしているそうです。