一関市議会では、令和5年度岩手大学地域解決プログラム「地方議会の議員活動の見える化および議員のなり手確保について」の調査研究を岩手大学地域活動プログラムに提案し、採用され様々な連携活動を続けています。主な活動としては、
・岩手大学・人文社会学部の憲法の講義に、講師として参加すること。
・一関市議会と岩手大学をネットでつなぎ、意見交換を行うこと。
・さらには、一関の高校生(今回は、一関一高・大東高校)と岩手大学の学生、市議会議員がワークショップ方式で意見交換を行い、最終的に「模擬請願」を作成することを行いました。
あらためて、学生のみなさんと地方自治の勉強を進めていると、その意義と重要さが浮き彫りになってきます。特にも、岩手大学の学生の講義に2度ほど参加させていただきましたが、担当教授の先生が、まず学生に問いかけるのが、・・・イギリスの政治学者であるジェームズ・ブライスは「地方自治は民主主義の学校である」という言葉を残しています・・・という有名な一文です。まさにその通りですが、大きな転機となったのが、平成11年に制定された「地方分権一括法」です。そのような社会環境の中で、今回の「NEC跡地の利活用」、「農地現状変更問題」、「契約に係る不正行為問題」、「清掃センターの建設」等々がまさに、私たちの暮らす一関市にとって大きな事業となります。このような事業や条例の制定が、まさに「市議会」の場で決められています。隣の奥州市では、市立病院の建設、北上市では大学の新設問題などが、大きな市政課題として議論されています。
そのような中、私たちの政治の現状を見ると北上市では、前々回の市議選、奥州市では前回の市議選が無競争となりました。また、投票率も驚くような形で数字が落ちています。今回、岩手大学の学生の皆さんが中心になって、「一関市議会に関心を持つことの意味」というリーフレットを作成し、各高校に配布していただきました。あらためて、このリーフレットを読み返し、市議会が取り組んでいる「主権者教育」の重要性を再認識しています。
このリーフレットを作成するにあたり、高校生へのアンケート調査を行っています。その結果として、「高校生が情報を手に入れる手段としてSNSが一番多く挙げられています。高校生はインスタグラムやX(旧Twitter)を使い、市議会議員はFacebookを使っています。このことから、議員は情報発信を有効に行っていると認識しているが、高校生との情報取得とはすれ違いが生じています。・・・議会は主体的に活動する市民の声を行政に届ける役割があります。」とまとめられています。
冒頭で紹介したブライスについて、わかりやすい記事がありましたので、抜粋すると、「ブライスは、1870年に初めてアメリカを訪れて以来、その社会に魅了され、ニューイングランド地方におけるタウンミーティングについて紹介しています。タウンミーティングでは、住民が、学校の建設、道路の整備、地域の清掃、共同牧場の管理などを議論し、そのための費用を住民がどのように分担するかも含め、自分たちが決定していました。
ブライスは、こうしたタウンミーティングのあり方を、政治において、汚職や無駄遣いを防ぎ、注意深さを促すとともに、満足度を高める最良の仕組みだと考えました。」
先般の総選挙で国民の大きな意思が、選挙結果に表れました。ブライスが魅了された民主主義のお手本となるアメリカで今まさに、大統領選挙が行われています。政治に関心を持つことの重要さを毎日の報道で見ながら再認識しています。
今、多くの市政課題が山積している時、私たちが知りうる情報を提供し、市民の皆さんと意見交換を行い、議会の見える化をますます進めていく必要があります。