一関市議会議員 勝浦のぶゆき

「新一関市の未来を考え、行動します」

NEC取得問題を財政状況から考える

2021-06-22 08:18:58 | 日記

本日(6月22日)、議員全員協議会が開催されます。その内容は、

「NECプラットホームズ(株)一関事業所跡地の取得及び建物の一部改修の計画について」です。

その概要としては、6月議会で土地開発基金を増額し、8月臨時議会において財産取得を提案

すると言うものです。

不動産鑑定額によると

土地 83,611.91㎡  評価額 15億8千万円

建物 第2工場 第3工場

  (12,099.56㎡)   評価額  2億9千万円 

   (9572,11㎡)

合計            18億7千万円

と資料が示されました。

また、これに合わせて、第2、3工場の改修計画が示され、

その予算が約5億円とされています。

今議会での一般質問を聞く限り、市長の強い思いが伝わりますが、この大きな

資産購入に関わる財政の裏付けの説明がありません。

私は、令和元年9月議会の一般質問においてNECの取得問題について質問しています。

主な内容は、NECプラットフォームズの取得に関して、その財源はどうなっているのか

聞いています。それに対して、当時の副市長は「毎年度向こう10年分、実際に作業

としてはもう少し長い期間のものをシュミレーションして、向こう10年分を

毎年度、2月頃の当初予算編成の際に示している。現在市には、財政調整基金40億円、

市債管理基金およそ160億円、トータルで200億円のプールがある。そういうものを

使い、NECサイドから回答があれば、スケジューリングをし、財源資本を組み立てて

いきたい」と答弁されました。

今回、この提案に関して、財政調整基金の残高を見ると27億円であり、市債管理金は

91億円と予算に示されています。当市の基本的な財政調整基金の積立額は、標準財政規模の

10%、およそ40億円ですが、大きく下回っています。さらに、2年前の質問時には、

160億円あった市債管理基金は、残高91億円と半分に近い額に減っています。

この様な財政状況で、一般会計から24億円近い支出をしてNEC跡地の購入、改修を

計画するのであれば、その財源について十分な説明、そして責任を明確にしていかなければ

なりません。購入し、改修はしますが、その利活用に関しては「未だ白紙」であり、

これから検討していきたいと当局は説明しています。

かつて、合併前の藤沢町では、強力な指導者のもと町レベルでは考えられないほどの

投資を行い大きな財政負担により、苦しい町運営となりました。最近では、全国的に見ると

「京都市」が同じ様に財政破綻が近いとして、行財政改革案を公表しました。これを見ると

給与カットや職員数の削減、補助金の見直し、土地売却などなっています。当市でおきた事が、

「京都市」で進められようとしています。

今回の購入条件を見る限り、条件的には悪くないと思いますが、その活用方法、財源の根拠を

市民に示し、市民の十分な理解と了解を経て慎重に進める事案と考えています。


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