かるさんのgooブログ <北国たより>

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「敗軍の兵、将を語らず?」

2007-08-07 21:38:00 | インポート
 
主題の故事、間違った使い方をしているわけでありませんが・・・
ご承知の通り「敗軍の将、兵を語らず」が正しいのです。

前200年頃の中国で優秀な軍略家将軍が、国主に己の策を取り入れてもらえず戦に敗れて捕われの身となりました。

敵将はこの虜囚の将軍の武略を高く評価しており「わが国がこれから勝ち進むにはどうしたら成功するだろうか?」と辞を低くして問いましたが・・・この虜囚の将軍いわく

「(敗軍の将は以って勇を言うべからず、亡国の太夫は存=国を保つ道=を図るべからず)と聞いています。戦いに敗れた私が、どうして大事を図る資格がありましょうか・・・」と。

「史記」の「淮陰侯列伝」にあるそんな話しから「敗軍の将、兵を語らず」という故事が生まれたようです。

中国の歴史書から生まれた「故事」や「四字熟語」が、この国の文化に与えた影響は量り知れず、こんにちもまだそれは脈々と生きて居ります。

ですが、昨今どうもこの国の「ある種の職業の人々」には、それらの事柄が身に具わっていないように見受けられます。

「俺か、お前か!!」と絶叫調で戦いながら、その戦いに敗れてもなお将として君臨してる人物がいます。しかもその人物の主題が「美しい国つくり」ということだそうです。

庶民の感覚で言えば、敗軍の将は黙して退くべき・・・と思うのですが、そうは成っていません。ノーを突きつけた国民へ何の説明も無く「黙して居座って」います。

さらに不可思議なことは、この将の誤った戦略により散って行った「兵」やその「軍友」からもあからさまな批判がありません。

まさに「敗軍の兵、将を語らず」の逆故事は、こんな情況からしか生まれないのだろうと思ったりします。

「政治家と官僚群」が醸し出す不可思議な、底なしの堕落振りに憤りながら、唐時代の詩人「杜甫」の一編の詩を思い起こさずにはおれません。

「春 望」-杜甫

国破山河在  国破れて山河あり
城春草木深  城春にして草木深し
感時花濺涙  時に感じて花にも涙を流し
恨別鳥驚心  別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
・・・・・     ・・・・・・・・

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