kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

マネージャーの一言

2008-03-02 | 陸上競技
今回の卒部生で、マネージャーは全く話ができませんでした。何かを話そうとして感極まって言葉になりませんでした。色々な想いがあったのではないかと思います。

この子は最初選手としてやっていたのですが、色々と事情があって部活を休部していました。その後同級生が2人辞めてしまって「なんとか力になりたい」という事で、選手としては続けることはできませんでしたが、マネージャーとして選手をサポートしてくれるという事になりました。
マネージャーの仕事はかなり大変で様々な事をやらなければいけません。細かい指示を結構厳しく伝えてくれていたのでかなりやりやすかったですね。中国大会の前にはメンバー全員にプロミスリングを作ってくれて「心」を一つにするための気遣いもしてくれました。

様々なトラブルが発生する中で人間的に大きく成長していったと思います。ある時、「前は先生の言っている意味がよく分からなかったけど、マネージャーになって外から見たときに初めて分かった」と言っていました。かなり嬉しかったですね。正にその通りなんですよ。選手は「自分達は一生懸命やっているのに、なんで先生は認めてくれないのか」と思う部分が大きいと思います。しかし、立場が変わればどの部分が足りないのかは見えるのです。それに気付いてくれたのは意味がありますね。私は指導者以外にチーム内に「なあなあ」の雰囲気を打破できる存在が必要だと思っています。それがマネージャーであり上級生だと。周りから信頼を得るために様々な事を全力でやって「この人なら」と思ってついていける存在がいて、厳しく指示が出せる。これが理想の展開です。仲良しチームはたかが知れていると思います。

その後、私が短距離を見ていたので、なかなか気持ちが乗り切らない(覚悟が持てない?)中距離選手をマンツーマンで見てもらいました。今は割り切れて長距離で真面目に練習が出来ていますが、秋位までは持っている力を発揮できないで苦しんでいたので、マネージャーに任せてタイムを計ったり、話を聞いたりする部分を任せました。この辺りはかなりの信頼を置いていたので練習を真面目にやらせるように苦労していたのではないかと思います。

この時、あまりにも任せていたので短距離とマネージャーの距離が出来てしまったと本人は感じていたのだと思います。短距離系の補助が出来ないのも本人は苦しんでいる様子でした。短距離選手に申し訳ないという気持ちがあったのでしょう。私が任せてやらせているのだから、短距離選手がマネージャーに対してどうこう言う部分は無いと思います。文句があるなら選手は私に言ってくれば良い。私が預かっている選手だからきちんと練習をさせなければいけないので、マネージャーにメニューを指示して付きっきりで見させたのです。ロードを走ったりするのに私が付いていくわけにもいきませんし…。

結局、秋の大会が終わり中距離選手を説得して長距離でやることを勧めました。それと同時にマネージャーが部活に来れなくなりました。私は気にする必要はないと思っていたのですが、本人が「みんなを手伝ってあげたい。でも、行けそうにない」と言いました。何度か話をしましたが、やはり難しいと…。申し訳なかったですね…。私が任せすぎた部分が大きすぎたのかもしれません。自分の「出来る範囲」をしっかりと理解しておかなければいけませんでした。それ以後も何かと気にかけてくれていましたが、選手には直接伝えることはありませんでした。

そして、卒部式。順番が回って来て何も話せませんでした。一言、「呼んでもらえると思わなかった…」とだけ言ってそれ以上は言葉になりませんでした。様々な想いがあったのでしょう。

最後の卒部生への私の言葉に「マネージャーが影で支えて、気を配ってくれたおかげで同級生も下級生も練習ができた事を忘れてはいけない。感謝しなさい。自分達も周りに気を配れる人間にならなければいけない。」という部分がありました。感じて欲しいですね。支えられて自分が成長してきた事を理解しなければいけません。それがなければ更なる成長はないでしょう。卒部生の存在に感謝をして、チームレベルを上げていく努力をしなければいけませんね。
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卒部式

2008-03-02 | 陸上競技
様々な意味で部活の選手に対しての卒業式っいうのは大きな意味を持つと思います。3年間の在校のうち2年以上は関わっているこの子の達への想いはやはり他の部分とは違う。比較できないですね。何故なら担任でないので各生徒と深く関わることはありませんが、部活の生徒とは衝突もありましたし、様々な感情の共有がありました。色々な意味でこの子達との共有は大きかったと思います。

卒業式が終わり、各クラスでの集まりが終わった後に在校生が主体で卒業生を集めて色紙や花束を渡す「卒部式」みたいなものを行いました。細かい部分は選手に任せていましたので私はほとんどタッチしていません。
キャプテンが卒部生に対しての感謝の言葉伝え、その後卒部生一人一人が自分達の想いを伝えてくれました。なかなか感動的な場面でした。自分の思っている事を他の人間に伝える難しさがあるみたいですね。感情が先に出てしまい涙でまともに話せなかった者が大半でした。

私からは少しだけ(?)話をしました。
基本的にかなりキレるタイプだった私が我慢を覚えたのはこの子達を見ていた部活動だったと思います。色々な意味で(笑) 。卒部生には子の子達との関わりの中で「裏切られた」話をしました。マイナス面で言うと、いきなり「辞めます」と言ってみんなを置き去りにしていなくなったこと。走れるようになってきたと思う度に故障をして全く走れなくなったこと。期待していた時には全く走れなかったり、練習負荷が足りなかったのでひたすら走れと話したのに「えー」と一言言ったので「全く分かってない」という事でひたすらジョグをさせたこと。本当は何倍もこちらが求めているレベルに到達しなくて「うーん」と感じていたことを素直に伝えました。

逆に良い意味で裏切られたと感じる事も多かった。1年間の指導で100mが1秒以上速くなった選手もいました。地区大会で好きに走るだろうと思っていたらいきなり100&200で優勝したとかいうのは誰も予想はできないと思います。今まで走れなかったが、思い切ってリレーで走らせるとチームベストが出たというのも良い意味で裏切られたと言えるかもしれません。
昨年の県総体、マイルの準決勝でバトンを渡した後こけてしまい、歩く事もできなくなった(詳しくは2006年の総体の日記)。決勝を走る時にジョグでも良いと思って送り出したら激走して中国行きを初めて決めました。全員諦めかけた「夢」をつかめたというのも大きな「裏切り」ですね。

卒部生の言葉に「優しく、厳しく指導をしてくれた」とありました。が、「優しく」の部分は余り無かったと思います。しかし、どちらが自分のためになったかを考えてほしい。これから先社会に出て「優しく」受け入れてくれるだけの人もいるだろう。逆に仕事上の課題や問題点を「厳しく」指摘する人もいるはず。人間は自分を受け入れてくれる人に対して「良い人」と考える傾向があります。しかし、本当にそうでしょうか??時には相手の成長を期待して「厳しい」事を言う必要があるのです。そこで感情的にならず、きちんと「自分のために言っているんだ」と素直に受け止める事ができるかで「人間の価値」が決まってくる。素直に話を聞ける人は職場で可愛がられるようになります。指摘された後の態度が悪ければ、「言っても無駄」だと思われ見限られるでしょう。どちらが自分の人生にプラスになるかは考えておかなければいけません。

この先、「厳しい事を言ってくれる人に感謝してこれから先生きていきなさい」という部分を最後に送りました。高校の陸上生活から学んだことが人生の中に生かされる事があるはずです。これから先、しっかり頑張っていって欲しいですね。
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