kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

もう一度読み直す

2008-03-06 | 陸上競技
先日、「一瞬の風になれ」にテレビドラマを見た。あまりにもチープ過ぎて悲しくなった。自分の仲のイメージがガタガタ音を立てて崩れ去るという感じで、最後まで見たが残ったのは「虚脱感」だった。多分、小説を読んでからあのドラマを見た人は同じ気持ちだったに違いない。どうせ作るならもっとしっかり作って欲しかった…。3ヶ月位の連続ドラマだったら全く違う印象になっていたかもしれない。映像を伴うと文章だけで読んだ時と随分感じが変わる。

何だか分からないが、もう一度最初から読み直してしまった。自分の中にあるあの映像を打ち消してしまいたくて…。基本的に小説はあまり読まない。「作られた話」に興味がないからだ。読んでいて冷めてしまう自分がいる。でも、この小説は違う。「心」が動く。競技場のあの感触、スタート前の様々な葛藤、いつも「勝ちたい」と思っていたライバル達への想い。今となってはもう二度と味わえない「青春」といえる高校大学の9年間の気持ちと重なる部分がある。

もう一度読み直して思ったことは、「やっぱりリレーが好きだ」ということ。大学に入って初めてマイルを本格的に走った。地区インカレの決勝を走り、応援してくださった先輩から「感動したよ」と言われて、自分の走りが人の「心」を動かす事を知った。

その年の秋から「4継も走りたい」と強く思って走らせてもらった。しかし、個人戦の決勝で私が早く出過ぎてオーバーゾーンで失格。初めてリレーで泣いた…。悔しくて。先輩達は誰も責めなかった。それがたまらなく苦しかった。強くなりたいと心の底から願った。マイルも4継も自分の中で「大切なモノ」になった。冬期を死に物狂いでやった。とにかく強くなりたかった。

次の年、シーズンインから絶好調だった。個人種目もベストが出せたし、リレーもかなり強かった。そこで迎えた地区インカレの4継予選、また私がバトンミスをしてしまった…。先輩方の最後のインカレを私のミスで台なしにしてしまった。この大会だけは…と思っていた大会での失敗は許されない。泣きながら先輩達の所に行ったが「すみません」以外の言葉は出てこなかった。

それでも先輩達は自分の感情を押し殺して「自分の種目に集中しろ」と励ましてくれた…。冷静にはなれなかったが走るしかないと思ってひたすら走った。決勝の1台目で引っ掛けてこけそうになりながらも持ち直して5位。喜びは無かった。
でも、同じ日にあったマイルの予選では激走した。個人で400で3位に入った先輩と競り合ってアンカー勝負になり最終的には少し負けた(と思う)が、チームベストを出せた。

その時に先輩から「4継をあと1本走っていたら、今の走りは出来なかった。全てはこのためにあったんだ。マイルに賭けろ!」と肩を叩かれた…。リレーに賭ける、そこから得るものは考えられない位大きい。

リレーに関する話はまだ山のようにある。また機会があれば詳しく書きます。今の書いた話もかなり省略してます。ドラマよりもっと感動できる話が現実にたくさんあるんですよ。きっと今、リレーを組んで上を目指そうとする全てのチームにも同じドラマがある。

そんな「気持ち」を思い出させてくれる小説です。文章を読む事が苦手な者が多いうちの学校ではなかなか読むスピードが上がらず話が進みませんが、かなり「心」が動くのは確かです。機会があれば是非読んで欲しいですね。今更ですが…。
コメント
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