“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「デジタル空間とどう向き合うか」(鳥海 不二夫、山本 龍彦著/日本経済新聞出版)

2022-10-19 09:34:19 |    情報工学



<新刊情報>



書名:デジタル空間とどう向き合うか~情報的健康の実現をめざして~

著者:鳥海 不二夫、山本 龍彦

発行:日本経済新聞出版

 インターネットは、私たちの生活になくてはならない存在となっている。一方で、フェイクニュースやデマの氾濫、プライバシー漏洩、炎上やハラスメントをはじめ、まったく新しい、かつ困難な課題を投げかけている。ネット上の膨大な情報は、人間の脳の処理能力を超え、自分の見たい情報しか見なくなる「フィルターバブル」「エコーチェンバー」といった弊害も生まれている。社会の分断を加速し、個人の尊重や自由、民主主義など、憲法が要請する原理原則を脅かす喫緊の問題でもある。技術進歩がもたらす便益を享受しつつ、健全な情報空間をどう再構築するか。情報中毒に陥らず、「情報的健康」を実現するために、メディアやプラットフォーム運営者、情報の出し手や受け手、政府や企業は何をすべきなのか。SNS上の「デマ」や「炎上」を分析してきた計算社会科学者の鳥海不二夫氏と、情報社会における人権や自由の問題を考察してきた法学者の山本龍彦氏が、デジタル情報空間がもたらすさまざまな課題を論じる。
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●科学技術ニュース●NTT東日本秋田支店、無人店舗運営の実証実験を開始

2022-10-19 09:33:53 |    情報工学
 NTT東日本秋田支店は、秋田県立大学、テルウェル東日本、みちのくキヤンテイーンと共同し、店舗向けスマート化ソリューションを用いた無人店舗運営の実証実験を、10 月 20 日から2ヶ月間、秋田県立大学本荘キャンパス内で開始した。

 小売店の撤退および運転免許証を返納した高齢者の方をはじめとする「買い物に不便と苦労を感じる市民の方々」の地域課題解決を図るとともに、働き手不足の解消、感染症対策の非接触ニーズ、住み慣れたところに誰もがいつまでも安心して暮らすことができる田園都市をめざし、無人店舗運営の実証実験を行う。

 ICTを活用したスマートストアは、販売要員およびレジ要員を置かず、入店から商品選択、セルフレジ決済、退店までを利用者自身のスマートフォンのみで完結する仕組みで、防犯カメラ等によりセキュリティを確保し、専用アプリを使用して入出店管理と買い物をコントロールする。

 なお、自治体および大学におけるコンテナ型スマートストアの実証実験は、日本国内で初めてとなる。<NTT>




(1)設置場所:秋田県立大学本荘キャンパス内クラブハウス横
(2)実証期間:2022年10月20日~2022年12月20日
(3)実証内容
   ①大学キャンパスへの無人店舗の設置
   ②学校売店運営事業者による無人店舗の運営
   ③県立大学との購買・顧客行動データを用いた店舗運営でのデータ活用

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●科学技術ニュース●早稲田大学、理研と大阪大学、世界初 雷雲のガンマ線イメージングに成功し雷雲中の電子加速や放射の解明に期待

2022-10-19 09:33:27 |    電気・電子工学
 早稲田大学理工学術院の片岡淳教授らの研究チームは、理化学研究所開拓研究本部の榎戸輝揚理研白眉研究チームリーダー、大阪大学大学院工学研究科の和田有希助教らと共同で、放射線の一種であるガンマ線を可視化することができる高感度のコンプトンカメラを開発し、世界で初めて雷雲から生ずるガンマ線のイメージングに成功した。

 雷はもっとも身近な自然現象の一つだが、雲の中で「どこで」「どのように」高いエネルギーをもつガンマ線が生成・放出されるのかは未だ理解されていない。

 今回、研究チームが初めてイメージングに成功したことで、雷雲の中で起こる電子の加速や放射の理解が大幅に進むと期待される。<理化学研究所(理研)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「波と多項式を架橋する」(数理哲人著/技術評論社)

2022-10-19 09:32:58 |    数学



<新刊情報>



書名:波と多項式を架橋する~異分野が響きあう,数学史を奏でる講義~

著者:数理哲人

発行:技術評論社(数学への招待シリーズ) 

 三角関数や微分積分の基本定理など、高校で学ぶが、他の数学の分野とどうつながっているのか。たとえば、微分と積分を結びつけるのが微分積分の基本定理だが、「心から理解している」人はあまりいない。三角関数、サイン、コサインの波が多項式とどうつながっていくのかを知ると、単に公式を覚えて終わりではもったいないと気が付いてもらえるかもしれない。単元自身の枠を超えた広い視野で眺めてみると本質が見えてくる。カルダノ、ニュートン、オイラー、チェビシェフといった大数学者たちが成し遂げたことは一体何だったのか。代数や解析をこれから本格的に学ぼうとする大学生にも楽しんでもらえる。巻頭カラーを設け、グラフと図形を分かり易く紹介する。
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