“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書<新刊情報>●「数学の大統一に挑む」(エドワード・フレンケル著/文藝春秋)

2015-07-30 07:33:26 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:数学の大統一に挑む

著者:エドワード・フレンケル

訳者:青木 薫

発行:文藝春秋

 私たちのなじみの深い、いわゆる方程式や幾何学とはまったく別の数学が数学の世界にはあり、それは、「ブレード群」「調和解析」「ガロア群」「リーマン面」「量子物理学」など、それぞれ別の体系を樹立している。しかし、「モジュラー」という奇妙な数学の一予想を証明することが、「フェルマーの予想」を証明することになるように、異なる数学の間の架け橋を見つけようとする一群の数学者がいた。それがフランスの数学者によって始められたラングランス・プログラムである。同書は、80年代から今日まで、このラングランス・プログラムをひっぱってきたロシア生まれの数学者が、その美しい数学の架け橋を、とびきり魅力的な語り口で自分の人生の物語と重ね合わせながら、書いたノンフィクションである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

★科学技術ニュース★慶應大学、分散型電力価格決定の基本メカニズムを考案

2015-07-30 07:32:57 |    電気・電子工学

 科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業において、慶應義塾大学の滑川 徹教授らは、電力自由化後の電力市場で、市場参加者の利益(個人合理性)を保証する分散型電力価格決定メカニズムを世界に先駆けて考案した。

 考案したメカニズムは、電力価格を変化させるプライシング(価格設定)によって、社会全体の公共利益が達成できることを示した。さらに、提案手法を電力網に適用した実験を行い、当初の目的である各需要家と供給者の利己的な振る舞いを公共利益へと誘導できることを証明した。

 この結果から、考案したメカニズムは、電力自由化に対応した安定な電力ネットワークの経済・制御モデルの構築に役立つことが期待される。今後は独立系統運用機関(ISO)が市場参加者へ支払うインセンティブのコストを考慮したアルゴリズムの検討を実施し、実用化に向けた研究を加速する。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

★水素ニュース★川崎市と昭和電工、水素社会実現に向け協定締結

2015-07-30 07:31:49 |    ★水素ニュース★

 川崎市と昭和電工は、低炭素水素社会の実現に向けた連携・協力について合意し、2015年7月28日に協定を締結した。両者で使用済プラスチック由来低炭素水素を活用した環境負荷の少ない低炭素な水素社会の実現を目指す。

 同協定に基づく取り組みの一つとして、使用済プラスチック由来の水素を川崎臨海部の需要者にパイプラインで輸送し、純水素型燃料電池を活用しエネルギー利用する技術実証を行う。

 川崎市は実証事業に参加する各事業者間等の調整、許認可取得関連の支援、実証事業への助言等の役割を担い、昭和電工は使用済プラスチック由来の水素の製造・供給を行うとともに、サプライチェーンの実現に必要な技術実証を行う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする