放射線医学総合研究所の白川芳幸研究基盤技術部長、応用光研工業の鎌田貴志計測機器部課長代理らの研究チームは、従来の10分の1の速さで放射線量を測定できる、高速ホットスポットモニター“R-eye (アールアイ)” の開発に成功した。
従来のサーベイメータは正確な値を求めるために10秒から30秒静止させていならない。狭いスポット(点)の測定には向いているが、広い面積を探査するには、膨大な時間と作業量が必要となる。
このため、環境省が公表している除染関係ガイドライン(平成25年5月 第2版)では、除染場所の設定や除染効果の確認は、対象の中から数点を選択し、その地点の空間線量率(ガンマ線を測定、マイクロシーベルト毎時)や表面汚染の計数率(ベータ線を測定、カウント毎分)を測定することと示されている。
今回、白川・鎌田らの研究チームは、サーベイメータを移動させながらでも静止させた時と同様に値を求めることができる予測応答原理を開発し、サーベイメータの応答を10倍以上高速化した。
この技術を福島のホットスポット探査に応用し、従来のサーベイメータと比較して測定時間を約10分の1に短縮することにより、面で測定することを可能とする高速ホットスポットモニター R-eye の実用化に成功した。
R-eye の開発により、除染作業のための測定を広い面積で行うことができ、さらに、歩きながら測定ができる簡便さから、除染のための測定の負担を減らすことができる。