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■科学技術ニュース■NICTとニッパツが特許向け英日翻訳技術を共同開発し、5月にサービス開始

2013-03-28 10:24:46 |    情報工学

 情報通信研究機構(NICT)と日本発明資料(ニッパツ)は、共同で、“英語の特許文献(特許や実用新案など)”を日本語に自動的に翻訳する「自動翻訳ソフトウェア」を開発した。

 同技術では、従来技術に比べて、大幅に翻訳誤りを削減した。平成25年5月に、ニッパツが、この英日自動翻訳ソフトウェアを活用したサービスを開始する。

 特許文は、一文が非常に長く、また、英語や中国語の文法は、日本語の文法と全く異なる。そのため、翻訳の際、語順の変換が難しく、さらに、大量の専門用語の訳語を正確に選択することが求められる。このように特許文の翻訳は大変困難なため、完璧な翻訳を目指すのでなく、多少の不自然さを許容しても通じる翻訳の実現が目指されている。

 NICTとニッパツは、それぞれの技術を連携させることによって、特許文の英語から日本語への自動翻訳技術の高精度化を目指した共同開発を行ってきた。NICTの技術: 語順変換や専門用語の訳語選択を高精度に実現する英日自動翻訳技術。ニッパツの技術: 特許特有の文体を解析して、翻訳精度と読みやすさを向上するMT Plus技術。

 NICTとニッパツが共同で開発した「英日自動翻訳ソフトウェア」では、(特許要約1件あたりの)訳語誤り数を従来技術と比べて、約12分の1に削減するという高い品質を実現した。

 今回開発した「英日自動翻訳ソフトウェア」によってニッパツは、1.英語特許文献を日本語に翻訳するサービス、2.日本語に自動翻訳した英語特許文献データベース、3.MT Plus対訳公報などの販売を、平成25年5月から開始する予定。

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