kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

個別株のボラは高まる

2021-10-24 07:29:40 | 日記
今後の東京市場の注目材料は1週間後に迫った総選挙の結果と今週から本格化
する決算発表になりそうです。勿論、中国恒大集団に端を発した不動産業界の
過剰債務問題も忘れてはいけません。不動産市場が大きく冷え込めば国民の
資産の7割が不動産とも言われている中国ですから消費者心理にも影響が及び
国内消費が一段と下押しされるかもしれません。

中国の不動産市場の急落が金融危機に繋がりリーマンショックのような世界の
経済を直撃するという可能性は今のところ低いようですが、少なくとも住宅建
設に関係するような業界への影響は避けられないかもしれません。日本企業の
中でも中国ビジネスが柱になっている企業もあります。今後の収益見通しでど
失望が広がるのかそれとも安心感が広がるのか注目です。

総選挙ではここへきて自民党の苦戦が伝えられています。与党候補と野党候補
が拮抗している選挙区も多いようです。勝敗は最後の最後までどちらに転ぶか
分かりません。自民党が単独過半数を取れなければ政権交代はなくとも岸田政
権の求心力は低下します。弱い政権の下では大胆な政策が打ち出せないという
懸念から海外投資家中心に一時的には売りが増える可能性もあります。

また決算発表ではこのところの円安と原油などのエネルギーや原材料価格の上
昇がどのくらいの影響が出るのかが注目です。多くのモノを輸入に依存してい
る日本ですから今の円安は輸出企業の円安メリットよりも輸入企業のコスト負
担が大きな問題になる悪い円安になっているようです。

そもそも最も多く円安メリットを享受するはずの自動車は半導体や部品不足か
ら大幅な減産が続いています。期初に予定していたよりも生産正常化はかなり
後連れしています。いくら円安が進んでも輸出する車が生産できなければ絵に
描いた餅です。自動車の生産が正常化してこその円安メリットをいうことを忘
れてはいけません。勿論、円安メリットが業績を押し上げている企業もありそ
うですが、生産の海外移転が進みかつてのような円安による恩恵は限定的なよ
うです。

またコロナ感染者の終息で行動制限は解除される予定です。国内産業にとって
は朗報ですが、どこまで需要が戻るかは不明です。期待先行だけの株高は短命
に終わる可能性があります。国内消費がどこまで回復できるか、政策の後押し
はやはり必要です。今週からは基本決算発表による個別銘柄プレイで日経平均
の上値は限定的かもしれません。月末接近でどちらかというと指数は下方向に
行きやすいということも考えておくべきです。

次回の更新は26日を予定しています。
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EVにも迫る新たな課題

2021-10-22 07:29:05 | 日記
近年の異常気象を考えれば地球温暖化対策は待ったなしです。CO2排出しな
い風力や太陽光発電などの再生可能エネルギーの重要性は今後も変わらない
でしょう。昨年は脱炭素銘柄が注目を浴び株価上昇も目立ちました。一方原
油や石炭産業はダイベストメントの高まりから株式市場では敬遠され株価が
低迷しました。

しかし今年は昨年と全く違った動きを見せています。再生可能エネルギー銘
柄は昨年のような熱狂は冷めたようです。代わって天然ガスや原油、石炭価
格の高騰もあり化石燃料銘柄の人気は復活しました。中長期的には脱炭素社
会への移行は避けられないでしょうが、当面は化石燃料に依存する経済構造
は続きそうです。

ダイベストメントの流れが強まり過ぎると資源開発が停滞します。再生可能
エネルギーと化石燃料とのバランスを取ることが重要になります。脱原発、脱
化石燃料への移行を急ぎ過ぎると経済活動に大きな悪影響を与える場面も出
てきます。

同じことはEVにも当てはまるでしょう。中国のように石炭火力発電の割合が
7割を超えるような新興国で余りにも性急にEVを推進するとEVはCO²を出さ
ないけれど動力源である電気は石炭火力で発電した電力を使用することにな
り脱炭素社会に逆行することにもなります。中国の政策は何かと一方方向に
大きくぶれる傾向があります。

データを握るIT企業への締め付けを強めたり、教育産業への突然の規制また
今回の中国恒大集団の債務問題も元は中国政府が不動産業界への融資を厳しく
したことです。ある日突然、大きな方針転換が起きるのが中国社会です。
一党独裁政治だからできる荒業なのでしょう。

EVが余りにも急激に増加すればそれなりに弊害も出てきます。EV先進国の
北欧のように再生可能エネルギーの割合が高く人口も少ない地域ではEV大国
が現実解でしょうが、人口も多く電力を化石燃料に依存しているアジアの新
興国で同じ答えでいいのでしょうか。

EVはテスラの急成長で一躍自動車業界の新潮流になりました。新興EVメーカ
ーが次々に生まれ市場も高い評価を与えました。新興メーカーのビジネスモデ
ルは水平分業が主流です。スマホのように設計、開発と製造で分業制が定着す
るのでしょうか。

今回の決算を見る限りテスラの躍進は続いています。しかしEV新興企業から
第2、第3のテスラが続々と誕生するかは分かりません。異業種や既存のメー
カーも巻き込んだ熾烈な競争が今後EV市場で繰り広げられるでしょう。既に
市場はブルーオーシャンからレッドオーシャンへの道を踏み出しています。

既存のメーカーも今後数年で多くの車種をEV市場に投入しようとしています。
その段階で消費者にとって魅力のない車は販売不振に陥るでしょう。売れ筋の
EVを投入でき巨額の開発費が回収できるメーカーが最後は勝ち組として残り
そうです。
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GAFA抜きでも

2021-10-21 06:37:58 | 日記
米国株やはり強しというところでしょうか。NYダウは8月に記録した3万
5625ドル更新はもはや既定路線でしょうか。30銘柄の中にはインテルや
キャタピラーのように低迷している銘柄もあるのですが、それでも高値
目前まで上昇してきたことは米株の底力なのでしょうか。

コロナ下の昨年はGAFAの上昇がやたら目立ちました。またSOX指数が今
年前半まで大きく上昇したように半導体銘柄の活躍も際立っていました。
しかし10月以降の上昇ではGAFAが相場のリード役にはなっていません。
半導体銘柄も高値圏にはありますが、相場のリード役にはなっていない
ようです。

GAFAや半導体セクターに頼らなくても堅調さを保っている米株はやはり
投資の中心にいるのでしょう。年初の時点ではNYダウは3万ドル、日経
平均は2万7000円でした。昨年は11月以降日経平均が急上昇してダウとの
差は縮まりましたが今年はここまで両市場の指数は再び拡大しました。

指数に占める製造業が多く、中国で稼ぐ企業も多い日本株はコロナからの
回復の早かった中国経済の恩恵を昨年は受けましたが、今年の特に後半は
中国経済が中国恒大集団の債務問題に端を発した不動産市場の変調や電力
不足による影響で景気減速が強まり昨年とは真逆の状況になったことが日
経平均の上値が重くなった原因でしょうか。

製造業中心の東京市場だけにどうしても中国依存が高くなってしまうのは
仕方ないのかもしれません。それでも一国依存の高いままではもしもの時
に脆さも表面化してしまいます。米国の製造業のように世界中で稼げる姿
を目指すべきでしょう。
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新たな不都合な真実

2021-10-20 06:33:36 | 日記
NYダウの下げの影響は限定的だったようです。決算発表前の19日の東京市
場は堅調な値動きでした。ナスダック市場が上昇したこともあり225指数に
影響する東京エレクなどの半導体関連銘柄やキーエンスファーストリテイリ
ング、任天堂などの値嵩銘柄の上昇が大きかったようです。

今週後半からスタートする決算発表ではやはり蓋を開けてみないと本当の姿
は分かりません。米国のように好調な決算が株価の上昇を後押しする展開に
なれればよいのですが。

米国企業と日本企業とでは為替の影響度、中国景気の動向それに国内景気の
先行きなど異なった結果が出ることも予想されます。日本株特有の材料には
目を向ける必要があります。

114円台まで進んだ円安は今期の企業の想定レートを大きく超えています。
その分大幅に進んだ円安での泣き笑いがハッキリしそうです。またWTI原油
が80ドル台に乗せたことで期初の予想とは違い大幅な原油高です。こちらも
企業業績に大きく影響するようです。

原油の先行きに関しては北半球で暖房需要が高まる冬にかけてはさらに上昇
するとの見方で今年年末までには88ドル程度、年明けには100ドル近くまで
上昇するという予想もあります。

一方OPECプラスは11月には増産(減産規模の縮小)ペースを速める決定を
下す可能性が高く米国ではシェールオイルの増産が本格化する可能性があり
現在の高値は長く続かず年末までには75ドルくらいまで下落すると専門家の
間でも見方が分かれています。

原油高は企業のコストアップ要因だけでなく、ガソリン高は車社会の米国で
は消費の下押しになります。インフレ懸念が一段と警戒され金融政策にも影
響します。FRBがインフレ懸念の高まりを警戒して利上げを急げば市場がシ
ョック安に見舞われるかもしれません。

天然ガスや原油それに石炭の現在の高騰は欧州中心に広がったカーボンゼロ
という動きを拙速に進めた結果という見方もあります。再生可能エネルギー
への移行にはかなりの時間がかかり、莫大なコストもかかる。化石燃料を安
定的かつ安価に提供し、余裕を持って再生可能エネルギーへの移行を進める
べきだった。

天候に左右されやすい再生可能エネルギーへの傾斜が有事の時には今回のよ
うに化石燃料価格の高騰を招くという不都合な真実がありようです。脱化石
燃料という流れで政策的に開発を制限すれば化石燃焼の供給余力が低下します。

地球温暖化防止のためには必要な政策であっても今回のように欧州で風が例
年のように吹かなければ、脱原発を進めている欧州では化石燃焼に頼るしか
ありません。同じ化石燃焼でもCO2排出量の少ない天然ガスに需要が集まれ
ば価格は高騰します。

天然ガスの価格高騰で需要は原油そして石炭にシフトすれば一時的にはCO²
可能エネルギー比率を引き上げるには絶妙なバランスが欠かせません。
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注目の自動車セクター

2021-10-19 06:24:36 | 日記
海外投資家が現物株の買い越しに転じたことから東京市場は反転しました。
18日には9月14日の高値3万670円から10月6日の2万7528円の安値までの
下げ幅の半値戻しを一時達成しました。半値戻しは前値戻しに繋がるので
しょうか。当面は底堅い展開も予想されます。

米国では先週の金融大手の決算発表がありおおむね好調な業績が確認できま
した。決算発表の本格化とともに企業業績への期待は高まってきたようです。
業績をもとにした個別物色やセクター物色が1ヶ月程度続きそうです。

東京市場の関心はこのところの円安加速もあり自動車セクターに集まるかも
しれません。懸念材料は半導体不足や部品不足による減産の影響です。自動
車生産は固定費が重いことから操業率の低下はコスト面での重しになります。

またこのところ銅や原油などの価格上昇で原材料費の上昇は避けられません。
円安の効果を減産や原材料価格の上昇が帳消しにしてしまうのか決算の数字
以上に注目されます。

自動車は裾野の広い産業です。化学セクターでも今春自動車生産の回復が好
業績に繋がったことを考えると減産での影響がどの程度業績に影響するのか
決算で明白になるでしょう。

東南アジアでのコロナは沈静化しつつあります。行動制限が緩和して自動車
のサプライチェーンの正常化するとの予想もあります。一方半導体不足は長
期化しそうだという悲観的な見方もあります。

そもそも半導体ファンドリーにとって利益率の低い自動車関連よりもPCや
スマホそれにデータセンター向け半導体は高い利益率が期待できます。限ら
れた生産設備なら自動車分野は後回しになります。

半導体生産が分業化したことで車載半導体メーカーは自社生産だけでなく
ファンドリーに生産を委託して投資負担を軽減してリスク分散をするよう
になりました。その結果今回のように自動車生産が急回復する局面では製
造設備の取り合いになります。

自動車セクターだけでなく家電や産業分野でも半導体が無ければ製造は出
来ません。半導体の活用範囲が広がったことでボトルネックが半導体の生
産分野で発生しました。しかも水平分業の進展の結果限られたファンドリ
ー企業に注文が殺到することになり混乱に拍車がかかりました。

自動車セクターでは一段とEVの波が大きくなれば今まで以上に半導体の確
保が重要になります。いずれにしても半導体不足での減産がどこまで続く
のか、生産正常化はいつになるのか、114円台まで進んだ円安メリットを受
けるには生産が正常化しなければ実現できません。
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