万事休す
ロシア、中共、ビッグモーター。悪いことをしていて、いつまでもわが世の春は続かない。戦後のわが国の経済成長を牽引した企業群は、何より従業員と顧客を大切にし、世間に対しても信用の大切さを忘れなかった。何事にも誠実だったたからこそ成功し、国家としても発展した。
国家指導者でありながら学識も教養も怪しい連中が、政治改革と銘打って小選挙区制だ、二大政党制だと要らないエネルギーを費やした挙句、「何とかミクス」に行きついて、この国の経済が中共ごときに従属することになって久しい。すなわちわが国の経済成長が、不動産投資のバブルに潰されて、不良債権を抱え込んだ金融機関を救うための方策から、新自由主義が幅を利かすようになり、怪しげな経済学者が政権中枢で発言力を持ち続け、この国を凋落させた。貧富の差が拡大し、貧しい若者がネットを活用した犯罪に関わるようにさえなってしまった。
右翼を自称しながら、本人は恐らく、本当の右翼も経済のことも良く分かっていなかったのだと思う。関心があるのは「どうすれば選挙に勝てるか」これしかなくなってしまった。そして集票組織であれば悪魔とも手を組み、政治権力を官僚組織の人事にまで介入できるようにした。この頃の週刊誌ネタは、嘘か真か紛らわしい政治家の司法・警察迄の越権(三権分立に反する)がまかり通るようになっているように報じる。すなわち民主に名を借りた独裁体制の構想があったようにさえ映るものだ。
プーチンと習近平に加えて、実は日本の「自民党」も万事休すの一角に加えねばならないのだけれど、国政選挙でさえ投票率が50%程度のこの国では、国民の2~3割程度の支持があれば、生き残っていけるのだ。
戦後の教育制度の失敗もある。旧帝国大学のように、徹底してかどうかは兎も角、国がエリートを養成するシステムを持っていたが、戦後は空虚な大学卒という肩書だけの軽い人材を大量に輩出し、その一部が政治家にも流れ、馬鹿でも世襲で力を持つから、本来自民党だけでなく「日本政界」全体が「万事休す」なのだ。
この国は、260年間の江戸時代の恩恵の残照で、世界からの観光客などに絶賛される、庶民の文化を持っている。元々やさしい従順な人種である。ギブミーチョコレートで米国に染まった。元々お上に刃向かうのは良いことではないという価値観があるようだ。いい人が多いのである。テレビなどで反体制を唱える学者さんや評論家は総じて人相が良くない。万事休すなのだ。