決着
終盤に来て、のたうちまわる自民党の姿をみる想いがした。人気者の小泉氏は、討論会でやはり十分な議論ができないことが周知となり、党員支持が急速に落ちてゆく。石破氏や高市氏は推薦人集めの段階で、相当苦労の後が世間にも知られるところとなり、首相になっても後が大変となりなりそうな雲行きとなった。すなわちこの間まで野党で自民党批判していた方が推薦人になっていたと思えば、所謂裏金議員やカルト議員と称される方が、大勢推薦人に名を連ねていたなど。
世論調査の上位3名の、実はその顔が、その程度だったのである。苦し紛れに小泉氏は麻生氏に頭を下げに行って、本来の親分である菅氏が激怒したとの話もある。元々、国会議員一人一人が、次の選挙で生き残るために、元々実力のない議員が右往左往して、一般国民に請けの良い候補を選ぼうとしていたことが間違いの元。安倍氏にぶら下がって首相にまで成り、老後はキングメーカーとしては、望み過ぎである。さっさと選挙区の後継に席を譲り、引退することが常道である。人生、なかなか自分の思惑通りにはゆかぬもの。叶わぬ時は、みじめな自分を世間に晒すだけ。
一方その石破氏と高市氏の決選投票となる公算が高いとみて、麻生氏は、1回目の投票から派閥として高市支持を打ち出したらしい。後ろから石破氏に射抜かれた恨みは消えていない。確かに石破氏の行為は、仮に正しかたっとしても政治家としてはどうか。
しかし、今回立憲民主党代表に選ばれた野田氏にしても、その政権末期、安倍氏の挑発に乗る形で政権を投げ出した過去がある。中道と聞けば響きはいいが、消費税増税に加担したことは褒められない。消費税を上げて、大企業減税を志向するのは、自民党政治そのものなのだ。
長くこの国では、靖国神社参拝さえ中韓などに阿って出来ない腑抜けの総理大臣が続く中、高市氏の中共に真っ向から対峙する姿勢は大いに評価できる。しかし、「清濁併せ飲む」と聞けば大物感がしないでもないが、カルトや裏金議員はいただけない。このところの中共の失政による経済凋落を対日攻撃で自国民をかわそうとする姿勢が、この度の日本人児童の殺傷事件につながり、ようやく日本人の民意も反中共に目覚めた。遅すぎではある。1972年の日中友好条約からして間違いであった。
高市氏への期待が膨らんだのには、やはり習近平の稚拙な反日がある。一方自民党と連立を組む公明党は高市氏の反中は困る。
いろんな思惑が錯綜する中、1回目の投票は、議員票も国会議員票も高市氏が石破氏を上回ったが、決戦投票の結果、石破氏が逆転して新総裁に選出された。やはり3位の小泉票が流れたのか。岸田氏の意向も高市氏よりは石破氏であったようだ。
党内基盤の弱いと言われる石破氏であるが、総理総裁となれば新たな基盤が形成されるであろう。ただ「姉さんと慕う」というどこかの知事さんの中央政界への抜擢は勘弁願いたいものだ。