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事件、事故、災害に訃報、有名人の不倫。陸上自衛隊の実弾訓練での殺人事件、相変わらずコンビニに車で突っ込む年配者。未曽有の豪雨に見舞われた甚大な水害被害。広島カープのエースとして鳴らした北別府氏の訃報。同じ日、プロ野球でフォークボールの神様と言われた、元中日の杉下茂投手の訃報もあった。
杉下さんは97歳で、天寿を全うしたと言っても過言ではないが、北別府さんはまだ65歳。サラリーマンであれば定年を迎え、これから余生を好きなことをして過ごそうかという年齢だ。
岸田総理と同年同月の生まれだったと、総理は哀悼の言葉で述べられていた。元宮崎県知事の東国原さんも同い年で、高校時代、学校は違ったが同じ地方で自転車通学した仲間意識で追悼されていた言葉は、悲しみが溢れていた。高校生頃に何かを共有した仲間には、格別の親近感がある。舟木一夫の「高校3年生」を聞けばそれぞれ想い出す光景があろう。
くだらない話題は、芸能人などの不倫のこと。週刊誌などはその記事で売っているのだろうが、覚せい剤の常用や恐喝、詐欺などの犯罪には当たらない。「不倫」すなわち人間としての倫理に不足があるということだが、人間の一生に倫理を全うする人がどれだけいるというのか。異性にモテるか否かが、この場合の倫理を踏み外すか否かの線引きで、はっきり言ってどうでもいいことの代表的な事象に思える。
しかし、不倫が報じられると、当人はCMから外され、そればかりか違約金迄取られかねない。ドラマや映画のオファーも当面少なくなるだろう。犯罪者でもない他人の生活権を脅かす権利が、週刊誌にはあるのだろうか。
この度の陸上自衛隊の訓練での事件は、防衛省には究極の頭の痛い問題である。徹底した今後の改善策が思いつき難い案件である。もっとも、この4月に自衛隊に入隊したばかりの新兵に、建屋の閉塞空間で実弾訓練は、早すぎたのではないかと素人ながら思う。厳しい訓練を重ねた後、心も体も、この国家を守る、国民の命を守る自衛官としての認識が出来て初めて、人殺しの道具である銃に実弾を装填して、的に向かって発砲する訓練が許されるものでなくてはならない。
この国は、原子爆弾さえ投下されて敗戦を迎え、戦前の普通の国家としての発想を、徹底的に放棄しまくった。偉そうに不戦を唱える左翼的思想者が、いかにも自分たちが正義で、祝日に日の丸を掲揚することさえ嫌い蔓延させた。しかし、それゆえ世界では、中共やロシアなどに代表されるように、他国の領土・領海も自国のものと喧伝して憚らない勢力が大きく幅を利かすようになった。
正義を勘違いしたこの国の幼稚な人間どもの錯誤が、突然己の力以上の武器を与えられ暴走する素地を生んだとさえ思えてしまうのである。