この国の一年
読売新聞朝刊21日に、読者が選ぶ日本の十大ニュースが載った。第1位は「尖閣諸島沖で中国漁船が海保巡視船と衝突、海上保安官が撮影ビデオを流出」、2位は「ノーベル化学賞に根岸氏、鈴木氏」、3位は「口蹄疫」、4位「暑い夏」、5位「鳩山退陣」、6位「はやぶさ帰還」、7位「参議院選民主大敗」、8位「相撲界の野球賭博」、9位「押収証拠改ざん大阪地検特捜検事」、10位「サッカーW杯」。(3位以下省略表記)
お隣の韓国では、北朝鮮からの民家への実弾攻撃(11月23日)があり、魚雷による哨戒艦沈没事件(3月26日)があったことを思えば、日本の十大ニュースのトップは事件としては小さい。ただ国体を曖昧にし、他国におもねる民主政権下ゆえに膨らんだ事件である。それにしても、関連して建設会社の日本人4人が拘留された事件は改めて中国政府の不気味さを感じさせる。韓国ではさらに中国漁船が警備艇に勝手にぶつかって自沈しながら、その損害賠償を云々という事態まで発生している。
中国では経済発展によって多くの国民の生活も向上し、魚の需要が急増している。魚は獲るだけ売れるのであろう。国家戦略とも相俟って、中国漁民はリスクを犯しても領海侵犯を繰り返すであろう。日韓といわず、フィリピン、ベトナムも含め中国との海上国境における凌ぎ合いは高まるばかりではないか。日本の尖閣での中国漁船問題はその一角に過ぎない。
鳩山退陣(6月2日)は第5位に止まった。2007年の安倍首相の退陣は第1位。翌2008年の福田首相退陣でさえ第2位であったことを思えば、いかに鳩山政権が国民に見捨てられていたかが分かる。「待ってました!!」とばかり菅副総理が登場したけれど、脱小沢しか政権浮揚の方策はなく、決断と言う名の場当たり的な政治はすっかり国民に匙を投げられているけれど、コロコロ首相を替えるのは如何なものかという論にも支えられて、菅首相の時に見せる笑顔に、国家の命運を担っているという自覚は感じられない。
郵便不正事件で発覚した検事の不祥事(9月21日検事を逮捕)も国家の重大な病巣を垣間見せた。公僕意識をなくした公務員の傲慢さの一端が見える。借金まみれの国家財政を尻目に、政府に圧力をかけて法人税を減額させる大企業の経営者もそうだけれど、国のリーダー層に個人あって国家無しの風潮がある。
私たちの人生は良いことばかりではない。豪雨の日もあり、暴風の日もある。しかし、苦しみの中でさえ生きる喜びを見出してゆかねばならないのである。一方喜びの日は、楽しい日にはそれを精一杯享受すればいい。楽しむべきところはそれを楽しみ、楽しみ無きところもまた無きところを楽しむ。これを日々是好日(にちにちこれこうにち)というらしい。どんな苦しい境界に置かれても、これ好日、結構なことですと、心から思えるようになることである。
十大ニュースに明るいニュースが無いわけでもない。しかし、それらを政治の黒雲が覆い隠している。政治とカネの問題さえ1年引きずって何の解決も図れず、公務員改革は遅々として進んでいない。自民政権時より増発する国債によって国家の予算と借金は膨らむばかり。まさにルーピーな政党による政権の現状には、是好日とは行かなかった1年である。>
読売新聞朝刊21日に、読者が選ぶ日本の十大ニュースが載った。第1位は「尖閣諸島沖で中国漁船が海保巡視船と衝突、海上保安官が撮影ビデオを流出」、2位は「ノーベル化学賞に根岸氏、鈴木氏」、3位は「口蹄疫」、4位「暑い夏」、5位「鳩山退陣」、6位「はやぶさ帰還」、7位「参議院選民主大敗」、8位「相撲界の野球賭博」、9位「押収証拠改ざん大阪地検特捜検事」、10位「サッカーW杯」。(3位以下省略表記)
お隣の韓国では、北朝鮮からの民家への実弾攻撃(11月23日)があり、魚雷による哨戒艦沈没事件(3月26日)があったことを思えば、日本の十大ニュースのトップは事件としては小さい。ただ国体を曖昧にし、他国におもねる民主政権下ゆえに膨らんだ事件である。それにしても、関連して建設会社の日本人4人が拘留された事件は改めて中国政府の不気味さを感じさせる。韓国ではさらに中国漁船が警備艇に勝手にぶつかって自沈しながら、その損害賠償を云々という事態まで発生している。
中国では経済発展によって多くの国民の生活も向上し、魚の需要が急増している。魚は獲るだけ売れるのであろう。国家戦略とも相俟って、中国漁民はリスクを犯しても領海侵犯を繰り返すであろう。日韓といわず、フィリピン、ベトナムも含め中国との海上国境における凌ぎ合いは高まるばかりではないか。日本の尖閣での中国漁船問題はその一角に過ぎない。
鳩山退陣(6月2日)は第5位に止まった。2007年の安倍首相の退陣は第1位。翌2008年の福田首相退陣でさえ第2位であったことを思えば、いかに鳩山政権が国民に見捨てられていたかが分かる。「待ってました!!」とばかり菅副総理が登場したけれど、脱小沢しか政権浮揚の方策はなく、決断と言う名の場当たり的な政治はすっかり国民に匙を投げられているけれど、コロコロ首相を替えるのは如何なものかという論にも支えられて、菅首相の時に見せる笑顔に、国家の命運を担っているという自覚は感じられない。
郵便不正事件で発覚した検事の不祥事(9月21日検事を逮捕)も国家の重大な病巣を垣間見せた。公僕意識をなくした公務員の傲慢さの一端が見える。借金まみれの国家財政を尻目に、政府に圧力をかけて法人税を減額させる大企業の経営者もそうだけれど、国のリーダー層に個人あって国家無しの風潮がある。
私たちの人生は良いことばかりではない。豪雨の日もあり、暴風の日もある。しかし、苦しみの中でさえ生きる喜びを見出してゆかねばならないのである。一方喜びの日は、楽しい日にはそれを精一杯享受すればいい。楽しむべきところはそれを楽しみ、楽しみ無きところもまた無きところを楽しむ。これを日々是好日(にちにちこれこうにち)というらしい。どんな苦しい境界に置かれても、これ好日、結構なことですと、心から思えるようになることである。
十大ニュースに明るいニュースが無いわけでもない。しかし、それらを政治の黒雲が覆い隠している。政治とカネの問題さえ1年引きずって何の解決も図れず、公務員改革は遅々として進んでいない。自民政権時より増発する国債によって国家の予算と借金は膨らむばかり。まさにルーピーな政党による政権の現状には、是好日とは行かなかった1年である。>