品質保証体系図
新版品質保証ガイドブックは第Ⅰ部から第Ⅳ部で構成され、第Ⅰ部の第3章3.3項「品質保証にかかわる原則」が、14項目のいわゆる私の言うTQCの考え方である。その次の3.4項に、小題の「品質保証体系図」が解説されている。ガイドブックの27ページ目である。
私はこれを非常に重要視している。大手の企業であれば、またはISO9000の認証を受けている企業であれば、当然に作成しているであろうけれど、私は社長と従業員1人という町工場でもこの作成をお勧めしたい。またすでに作成している企業では、単なる体裁だけになっていないか見直してみる必要があるのではないか。
まず、自社の業務をフロー図にしてみる。2人の工場では、営業も製品開発も、検査も経理さえも皆一人でやっていると社長さんはいうかもしれないけれど、自社の組織のその機能分けの認識がまず重要である。そして、業務フローに、万一納入した製品に対して客先からクレームが来たときに、どのようなシステムでこれに対応するのかを入れる。市場調査は納入先から要望に依存していても構わない。そこに始まってクレーム処理に至る組織内の業務フローを実際に書いてみる。業務フローからお金のやりとりを外せば、品質保証の仕組みとなる。
これを、品質保証体系図に表すには一定の様式がある。まず、企業の機能を体系図の上辺に並べる。左端を「顧客」として、順に顧客に近い組織部門から並べる。生産部門の前には品質管理・検査部門がくる。右端は、原材料の購買先や外注先となる。左辺は上から業務の流れの順に、調査・企画に始まって、開発試作、(生産準備)、生産、販売とくる。業務は四角で囲って示すけれど、複数の部門に跨っている場合も多いからその範囲を四角を横に伸ばして示し、業務の流れは、矢印で下方に進める。これを文書として管理するが、管理には適宜見直しをかけることが当然含まれる。
製造業であれば、フロー図の中の生産の部分はさらに「QC工程図」に落とし込んでみる。「QC工程図」のことは、ガイドブックにも後で出てくるのだけれど、言いたいことをここで述べれば、品質保証体系図もそうだけれど、品質管理本に出ている見本に習って作成することは基本ではあるけれど、作成者が工夫して自社に合ったオリジナルなものを作ることである。事細かい綿密なだけの分かりにくものを作って喜ぶ人もいるけれど、そんなものは現場では誰も見ない。ISO監査員に感心されるくらいがいいところである。私が言う「品質保証体系図」や「QC工程図」は現場で使える、見て楽しい分かりやすく実用的なものである。
「品質保証体系図」を作成することで、業務の流れの無駄やシステムの欠陥が見えてくる。またこの時代、情報伝達の電子化は進んでいると思うけれど、実際はどうかの現状把握としても有効となる。紙やFAXでやりとりしている情報のうち、パソコン間のやりとりにできるものはないかなど、意外と行えば容易(たやす)いことが、昔のままの非効率なやり方になっていることが分かったりする。また、「品質保証体系図」は新たな顧客にも提示して、自社のアピールとも成り得るものなのである。
新版品質保証ガイドブックは第Ⅰ部から第Ⅳ部で構成され、第Ⅰ部の第3章3.3項「品質保証にかかわる原則」が、14項目のいわゆる私の言うTQCの考え方である。その次の3.4項に、小題の「品質保証体系図」が解説されている。ガイドブックの27ページ目である。
私はこれを非常に重要視している。大手の企業であれば、またはISO9000の認証を受けている企業であれば、当然に作成しているであろうけれど、私は社長と従業員1人という町工場でもこの作成をお勧めしたい。またすでに作成している企業では、単なる体裁だけになっていないか見直してみる必要があるのではないか。
まず、自社の業務をフロー図にしてみる。2人の工場では、営業も製品開発も、検査も経理さえも皆一人でやっていると社長さんはいうかもしれないけれど、自社の組織のその機能分けの認識がまず重要である。そして、業務フローに、万一納入した製品に対して客先からクレームが来たときに、どのようなシステムでこれに対応するのかを入れる。市場調査は納入先から要望に依存していても構わない。そこに始まってクレーム処理に至る組織内の業務フローを実際に書いてみる。業務フローからお金のやりとりを外せば、品質保証の仕組みとなる。
これを、品質保証体系図に表すには一定の様式がある。まず、企業の機能を体系図の上辺に並べる。左端を「顧客」として、順に顧客に近い組織部門から並べる。生産部門の前には品質管理・検査部門がくる。右端は、原材料の購買先や外注先となる。左辺は上から業務の流れの順に、調査・企画に始まって、開発試作、(生産準備)、生産、販売とくる。業務は四角で囲って示すけれど、複数の部門に跨っている場合も多いからその範囲を四角を横に伸ばして示し、業務の流れは、矢印で下方に進める。これを文書として管理するが、管理には適宜見直しをかけることが当然含まれる。
製造業であれば、フロー図の中の生産の部分はさらに「QC工程図」に落とし込んでみる。「QC工程図」のことは、ガイドブックにも後で出てくるのだけれど、言いたいことをここで述べれば、品質保証体系図もそうだけれど、品質管理本に出ている見本に習って作成することは基本ではあるけれど、作成者が工夫して自社に合ったオリジナルなものを作ることである。事細かい綿密なだけの分かりにくものを作って喜ぶ人もいるけれど、そんなものは現場では誰も見ない。ISO監査員に感心されるくらいがいいところである。私が言う「品質保証体系図」や「QC工程図」は現場で使える、見て楽しい分かりやすく実用的なものである。
「品質保証体系図」を作成することで、業務の流れの無駄やシステムの欠陥が見えてくる。またこの時代、情報伝達の電子化は進んでいると思うけれど、実際はどうかの現状把握としても有効となる。紙やFAXでやりとりしている情報のうち、パソコン間のやりとりにできるものはないかなど、意外と行えば容易(たやす)いことが、昔のままの非効率なやり方になっていることが分かったりする。また、「品質保証体系図」は新たな顧客にも提示して、自社のアピールとも成り得るものなのである。