大量消費時代の終焉
2008年12月19日の日本経済新聞に「コンビニ、百貨店抜く」という記事があった。この時点で百貨店は9ヶ月連続前年割れ、一方コンビニは、16ヶ月連続前年を上回る売上げを記録している。
昨年12月8日号の日経ビジネスの表紙に「イオンの誤算」というタイトルが、岐阜県大垣市に’07年4月開業した120の専門店を持つイオンショッピングセンターの写真と共に掲載された。実はイオンは、関東地方にも埼玉県越谷市に昨年10月さらにビッグなショッピングセンターをグランドオープンさせている。東京ドーム5個分の広さ565の店舗を持つ国内最大級のショッピングセンターである。私は昨秋、商工会議所の研修会に参加して見てきたが、田園風景の中、大きな商店街をビルの中に納めた感じだ。しかし今、イオンの郊外出店事業モデルの危機が言われる。*6)
イオンの郊外型ショッピングセンターモデルは、「本来の小売業」、「イオンクレジットの金融事業」、それと「テナント賃料を得る不動産事業」の3本柱で成り立っている。しかし、現在収益構造がテナント賃料収入に偏っており、空き店舗が増えると途端に苦しくなる。また出店に次ぐ出店で、バランスシートが肥大化し、有利子負債も多くなっている。そこにもってきて、「まちづくり3法」の改正や「貸金業法」の改正に加えて、この「世界同時不況」のトリプルパンチを食らったわけだ。(この項、日経ビジネス2008年12月8日号参照)
国内は少子化・高齢化・人口減に向かい、消費者は、いい物を必要な時に必要なだけという傾向にある。また環境・資源の問題もあって、大量消費時代の終焉が言われているときにこの景気後退である。大規模店舗はいずこも売上減少に苦しむことになってしまった。
私は市内のお店を歩いてみる。地元の大手スーパーはウイークデーの午前中にもレジには行列ができている。ここでは消費の冷え込みを感じない。そういえば今年2月2日号の日経ビジネスには、「セブン&アイ・ホールディングス」の種々の取り組みが紹介されていた。『過去の体験から抜け切れていないところに問題があるんです。・・・変わらなくちゃいけない、新しいものを作ればいいじゃないか、と言われたって、そんなに変われるもんじゃない。・・・だから、過去を全部忘れて新しいものを打ち出していかなくちゃいかん。商品も販売も陳列も、全部変わっていかなくちゃいかん。消費が飽和の状態だと言いながら、人間の欲望は無限なんですよ。だからそこに新しいものを打ち出していけばいい。・・・』鈴木敏文会長の檄が功を奏しているようだ。
私はいつも利用する市内の家電量販店で買い物をする。ここもそこそこお客さんが入っている。レジで店員さんにこの大不況の影響を聞いてみた。「この店はそれほど売り上げは落ちていません。全社的には影響が出ているようですが。」と答えてくれた。帰り道、市内先駆の家電量販店の「完全閉店セール」との立て札を目にした。
*6)2月19日の日本経済新聞1面で「イオン7施設凍結・延期」(消費不振受け拡大路線を転換)が発表された。
2008年12月19日の日本経済新聞に「コンビニ、百貨店抜く」という記事があった。この時点で百貨店は9ヶ月連続前年割れ、一方コンビニは、16ヶ月連続前年を上回る売上げを記録している。
昨年12月8日号の日経ビジネスの表紙に「イオンの誤算」というタイトルが、岐阜県大垣市に’07年4月開業した120の専門店を持つイオンショッピングセンターの写真と共に掲載された。実はイオンは、関東地方にも埼玉県越谷市に昨年10月さらにビッグなショッピングセンターをグランドオープンさせている。東京ドーム5個分の広さ565の店舗を持つ国内最大級のショッピングセンターである。私は昨秋、商工会議所の研修会に参加して見てきたが、田園風景の中、大きな商店街をビルの中に納めた感じだ。しかし今、イオンの郊外出店事業モデルの危機が言われる。*6)
イオンの郊外型ショッピングセンターモデルは、「本来の小売業」、「イオンクレジットの金融事業」、それと「テナント賃料を得る不動産事業」の3本柱で成り立っている。しかし、現在収益構造がテナント賃料収入に偏っており、空き店舗が増えると途端に苦しくなる。また出店に次ぐ出店で、バランスシートが肥大化し、有利子負債も多くなっている。そこにもってきて、「まちづくり3法」の改正や「貸金業法」の改正に加えて、この「世界同時不況」のトリプルパンチを食らったわけだ。(この項、日経ビジネス2008年12月8日号参照)
国内は少子化・高齢化・人口減に向かい、消費者は、いい物を必要な時に必要なだけという傾向にある。また環境・資源の問題もあって、大量消費時代の終焉が言われているときにこの景気後退である。大規模店舗はいずこも売上減少に苦しむことになってしまった。
私は市内のお店を歩いてみる。地元の大手スーパーはウイークデーの午前中にもレジには行列ができている。ここでは消費の冷え込みを感じない。そういえば今年2月2日号の日経ビジネスには、「セブン&アイ・ホールディングス」の種々の取り組みが紹介されていた。『過去の体験から抜け切れていないところに問題があるんです。・・・変わらなくちゃいけない、新しいものを作ればいいじゃないか、と言われたって、そんなに変われるもんじゃない。・・・だから、過去を全部忘れて新しいものを打ち出していかなくちゃいかん。商品も販売も陳列も、全部変わっていかなくちゃいかん。消費が飽和の状態だと言いながら、人間の欲望は無限なんですよ。だからそこに新しいものを打ち出していけばいい。・・・』鈴木敏文会長の檄が功を奏しているようだ。
私はいつも利用する市内の家電量販店で買い物をする。ここもそこそこお客さんが入っている。レジで店員さんにこの大不況の影響を聞いてみた。「この店はそれほど売り上げは落ちていません。全社的には影響が出ているようですが。」と答えてくれた。帰り道、市内先駆の家電量販店の「完全閉店セール」との立て札を目にした。
*6)2月19日の日本経済新聞1面で「イオン7施設凍結・延期」(消費不振受け拡大路線を転換)が発表された。