かぶれの世界(新)

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考古学のたたり

2017-06-23 17:34:23 | 日記・エッセイ・コラム
午後書斎で好きな音楽を聴きながらゆったりしていると、来客があった。机の横のインターフォンの画像を見ると知らない老人がもぞもぞ言ってるが聞き取れない。午前中バドミントン練習に参加したので2階から玄関まで急な階段を降りて行くだけで結構辛い。小一時間前に近所のオバサンに檀家会費を支払ったばかりで、今度は何の支払かと思いながら少しつっけんどに「すぐ行きます」と答え降りて行った。

隣の集落に住むYさんだった。名前は憶えていたが顔と一致しなかった。Yさんちは本家と分家があって、今日来られたのは分家の方だったから分からなかったのかもしれない。話がとりともなく要件が何だか分からないまま、私としては珍しく辛抱強く聞いた。我家の裏山の境界から土器が出土した、許可なく溝を掘ってしまったので了解を得るために来たのだそうだ。

その土器は弥生時代の特徴ある形をしており、専門家は1800年前頃のものだという。「えー、凄いな。こんな田舎に!」と驚くと、この辺はかなり昔からの歴史がある土地なのだそうだ。私の住む実家の集落の名前は古城(こじょう)、Yさんの住む集落は都(みやこ)というのがその証拠だとY さんは言った。だが、以前投稿したように我が家の祖先は400年前に土佐から逃げて来て土着した。先祖は戦国時代以前の歴史とは関係ない。

昨年東京府中市の自宅を建て直した時、平安時代頃の土器が出土し一時工事が中断した。その時は市から連絡を受け、都の条例に基づき教育委員会から正式に通知が来た。仮住いの期間が伸びて予定外の出費がかかった苦い思い出がある。しかし、条例があるので文句も言えなかった。そして、今度は田舎の実家の裏山からもっと古い土器が原形を保ったまま出て来た。悪い予感がした。

何故、民間人のYさんが来られたかというと、3年前だったかに国調(国土調査)を受けたがまだ100%確定してないからという。さっぱりわからない顔をすると、山の境界は別の係りが担当で国調が終わるまで確認できないのだという。原状回復して貰えば私は構わないが、この件は市役所がキチンと対応すべきだ、私は3年前に地図を見た、市役所内の屁理屈などこねるなと。さっさと仕事をやれと言って下さいと言って要件は終わった。

実はそれから先が長かった。Yさんは「おすくな社中」の相談役で、少彦名神社(すくなひこな神社)の復元保存の活動をしているという。私も本家から関係本を頂き、少しは聞いたことがあるので質問したのが良くなかった。それから延々話が続いた。3年前に「危機に瀕する世界遺産」に登録され、昨年修復活動がユネスコアジア太平洋の年間最優秀賞を受けたのだそうだ。そりゃー、言いたいことが沢山あるはずだ。聞くしかない。

その後保存活動や集会に参加を誘われたが、私は「宗教心が全く無くて」とか的外れの理由で断るのに汗をかいた。なんだかんだで午後の予定がぶっ飛んでしまった。これも考古学のたたりか!■

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