かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

川辺ダム論議復活に期待

2020-07-08 11:05:52 | テレビ番組
熊本県球磨川流域の水害が深刻になるにつれ、住民が反対してとん挫させた川辺ダム建設計画が亡霊のように浮上してきた。私から見るとこの議論を聞いて他人事のように「おやまー、よく言うよ。自業自得だろう。」だった。たまたま今朝TBSニュース番組で辛坊氏のコメントを聞いて、私は日頃のマスコミ批判と共通するものを感じ、新しく作った入れ歯みたいにピッタリするものを感じた。

私風に氏のコメントを要約すると「球磨川は支流が多く、川辺ダムだけで今回の桁違いの豪雨の被害を防げたかは疑問だ。それが原因なら川辺ダム反対の住民の声を連日支援したのはテレ朝とTBSであり責任は大きい。」 氏は個人的には好きなタイプではないが、極めて妥当な批判だと思った。コメンテーターの一方的な意見についても発言の背景を明確にして報じよ、という報道のイロハを説いたものだった。

私は川辺ダムの効果の見直しについて再評価すると同時に、なぜテレビ放送はダム建設反対に重点を置いた報道を展開したのか第三者を入れた見直しをすべきだと思う。それが国民の報道に対する傷ついた信頼を取り戻すきっかけになると思う。もしかしたら辛坊氏を出演させたTBSは、報道の方針を見直すための一環であったのかもしれない(これは希望的観測)と思う。

先日米国の大手メディアがコロナ報道で各社が視聴率が改善した、テレビ局は賛成反対両者の意見を合わせて報じて、両者が見たい情報を与える工夫を徹底して視聴者の満足度を改善した。常々日本のテレビ局が一方的な意見(しかも素人専門家を含む)を垂れ流す報道姿勢を強く非難してきた私にはハマった。

辛坊氏は東京都が毎日発表する新型コロナ感染数などの最近のデータの見方についても、重要なトレンドは重症者数と死者数だと指摘した。その推移を示すグラフを見せて分かりやすく説明した。これも私は最初からコロナ対応を批判するマスコミ報道に対し、「もっと具体的にデータを分析しろ、特に死者数の内訳と海外との比較をせよ」と言い続けてきた。もう一回言う、なぜ報道のイロハみたいなことが出来ないのか。

復活した川辺ダム論議は範囲を広げて報道の在り方についてまで深堀してほしいと思う。会社の方針として報道の方向付け(私は偏向報道という)をするのも否定はしないが、その場合は錦旗を明確にして報じるべきだと考える。そうでないなら、発言者のバックグランドを明確にして賛否両方の考えを報じること、それが国民の財産である電波を独占使用するテレビ局の責任であると私は信じる。

因みに、2年前の西日本豪雨で東大洲の新興商店街が深刻な水害を受けたのは、上流の野村ダムと鹿野川ダムの放流のタイミングに問題があったと言われている。その後、両ダムの責任者を一本化し統一的な放流管理をし、更に工事中だった鹿野川ダムをスルーするトンネル(水路)が完成し、トータルで貯水量を管理するシステムが完成し堤防の強化と合わせ今回の豪雨に対応できたという。ダム一つだけの議論ではないことを、たまたま会った昨年引退した消防団員が教えてくれた。単純な議論ではないのだ。

個人的には辛坊氏は好みのタイプではないが、彼の言うことは時に視点を変え新たな見方を教えてくれる、今回はまさにドンピシャリ私にはまった。そしてテレビ局はなぜ報道のイロハを実行できないのか謎を残してくれた。TBSは大丈夫かと酷評してきたが、これを機会にTBSの勇気と改革に期待したい。■

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 相性のいい歯科医 | トップ | 豪雨もコロナもパチンコには... »

コメントを投稿

テレビ番組」カテゴリの最新記事