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そろそろ本題に入ろうよ

2010-11-25 21:34:50 | 国際・政治

田法相の辞任をテレビ画面上のテロップが伝えているのを見ながら、22日朝母の見舞いに出かけた。実質更迭といわれる大臣の辞任は、先日の国会軽視と受け取られた発言の責任を取ったと報じられた。野党等が言うように大臣の資質を疑われる発言で辞任に追い込まれた。何物も生まない無駄な日が過ぎたという味の悪い思いが残った。

公式の場で発言する程馬鹿ではないが、支持者の前で気が緩み調子に乗って不用意な発言をしたと思われる。支持者の前でサービスの積りで要人が不用意な発言をして窮地に追い込まれる例を、自民党時代からうんざりするほど見てきた。メディアは明らかに失言を狙っているのにだ。

この局面だけを取り上げれば追求するのは当然だろう。同じ頃米国議会でもRangel議員が不適切な行動で問責を受けるニュースが流れてきた。日米両方ともスキャンダルは止まないが、深刻なのはそれでもって補正予算などの重要法案の審議が止まってしまうことだ。

正予算だけでなく中ロとの領土問題や貿易自由化とTPPなど、我国とって重要事項が国会で真摯な議論がさっぱりされなかった。北朝鮮の砲撃事件を受けて菅首相が急遽野党に協議を申し入れ、少なくとも補正予算の審議を明日中に終らせる見通しとなったのを聞きホッとした。そろそろ本題に入れよ、と叫びたい気分になっていた。

自民党を始め野党は国会審議が進まない事態を放置する積りだったのだろうか。自民党政権時代にやられたからやり返している積りなら、遠慮することは無いずっと野党でいれば良い。何が我国にとって重要か判断できないことを見せつければ良い。だが、国民を巻き込まないで欲しい。

日本経済が長期的に衰退し巨大な財政赤字を抱え、人々が自信を失って選んだ末の新政権の未熟さに、中ロが領土問題で付込んできた上、朝鮮半島が一触即発の事態になり我国の安全保障も脅かされる状況にある。不測の事態に備えて万全な態勢を整えておかねばならない。こんな時に内輪もめなどやる余裕は無いはずだ。

機に瀕して政治はどうあるべきか、ケネディ政権がキューバ危機時に対応を議論し最終決定する「執行部会議(エックスコム)」の様子を、最近読んだ本(ブッシュ家とケネディ家2003越智道雄)からテッド・ソレンセンの手記を孫引きながら引用して紹介したい。状況は全く異なるが取り組む心構えは是非マネをして欲しい。

「この会議の大きな特徴の一つは、皆対等であったことである。国家の運命が危険にさらされているとき、・・・(儀礼も、経験も、官位も)問題にならなかった。十五人いても皆大統領を代表し、各省を代表しなかった。次官補が上役の長官に猛烈に反対したりした。私は国家安全保障会議にこれ程自由な気持ちで出席したことは無く、・・・」

北朝鮮の砲撃事件の日本政府の初動が遅かったとの批判がある。その指摘が当たっているようだ。だがそれが国会で長々と時間を使って議論するのは本筋から外れる。首相の意思決定がどうだったかが最も重要なはずで、それについて議論されている気配が無いのはどういうことだろう。衰退していく国の政治家は何が大事かこの程度の判断しか出来ないのだろうか。

参考のためもっと極端な例を紹介したい。イラクがクウェートに侵入した時ブッシュ(父)大統領はサッチャー首相に強烈にプッシュされて初めて重大事件と認識し、湾岸戦争に突き進んだ。イラク侵攻の翌日開かれた国家安全保障会議ではイラク制裁に関心を示さなかったらしい。だが、初期の迷いでブッシュが非難された事は無い。石油の為の戦争と歴史の評価はあったが。

もう一度言いたい、そろそろ本題に入ろうよ。■

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