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技術者目線の衆院選

2021-10-17 11:17:12 | 国際・政治
31日投開票の衆院選に向けマスコミ各社は連日報道を続けている。時間も情報も限られているが、例によって私の天邪鬼な見方で国政選挙に関わる報道を評価する。私が購読している日本経済新聞、ネットで見る朝日新聞の両紙の報道スタイルの違いがとても興味深い。

日経はテーマを全国(世界)的に調査し全体像を把握し注目すべき点を報じる、私的に言うと「統計的」アプローチだ。一方、朝日は同じテーマについて主に専門家の発言を報じる、「サンプリング」アプローチだ。両社共に二つのアプローチを混用するが、報道スタイルの私の印象はそんなものだ。

推測するに、朝日には日経ほどの足腰(調査能力)がない為に考えの近い専門家に喋らせ記事にしている。ネットでは複数の意見を戦わせるより、有力専門家発言をトップで報じるアプローチ、つまり「研究者的」アプローチだ。データ不足のまま結論を決めつける印象を受け違和感がある。

一方、日経は強力(?)な足腰を使って具体的データを漏れなく洗い出し、先ず事実は何かを読者に示し、その上で問題点を論じるスタイルをとる。その中で複数の専門家の意見を聞いてあるべき姿を追及するアプローチをとる。技術者上がりの私にはこの報道スタイルの方がピッタリくる。

勿論、マスメディア各社には夫々資金力を含め調査能力に差がある。誰でも日経にはなれないが、それに見合った報道スタイルがあると思う。しかし、技術者として人生の半分を生きて来た私には、「データは神様」と教えられた「統計的」アプローチをとる報道スタイルがピンとくる。

といっても、限られた人材で特定のテーマを徹底的に追及し、誰も知らなかった事実を掘り下げ明らかにする「研究者的」アプローチが否定されるものではない。何年もかけて追及しなければ発見も生まれない、言い換えると「ノーベル賞的」アプローチだともいえる(言い過ぎだが)。

私にとって問題はスタートの時点で偏向した動機に基づくテーマが選ばれていると感じられる場合があることだ。統計的ならその恐れが少ない。といって、統計的アプローチでは網羅的に上位に来るものも最下位に来るものも明らかにして結果的に嫌がらせになることもある。

しかし、メディアはそれを恐れるべきではないと思う。コロナ報道において、徹底的に痛めつけられた飲食業に比べ、頑張る医者と頑張るふりをした医者を一緒くたにした曖昧報道が目立った。朝日のネット報道のヘッドラインを見ていると、まるで文春かと見まがうものも見かける。

次の衆院選において殆どの人はマスコミ報道を見て誰に投票するか判断するだろう。普段「研究者的」アプローチの報道を見る人にも、「統計的」アプローチの記事に目を通すことを私は勧めたい。そういう私は投票日に遠い四国の田舎にいて投票出来そうにない。■
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