さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらいの風景 アジャンタ石窟群 その1

2017年12月01日 | 海外旅行
4日目は、アジャンタ石窟群の見学を行いました。高原地帯を走っていった後に、谷間に下っていくと、そこがアジャンタ石窟群の入口でした。

白い建物の下に見える茶色の屋根の建物群が、遺跡へのシャトルバス乗り場です。



バスを降りて、土産物屋の間を抜けていきます。



遺跡まで、シャトルバスで移動しました。

ガイドブックには、ガソリンを使わないエコバスと書いてありましたが、写真に写っている手前の乗り込んだバスはぼろく、どうみてもエコバスではありませんでした。しかも開けっぱなしの窓から雨が入り込んで座席が濡れていました。おかげで、ズボンの尻が濡れてしまいました。



ワーグラー川沿いの渓谷を遡ってシャトルバスを下りました。レストランがあり、ここでアジャンタ石窟群の観光を終えた後に昼食をとりました。



石窟へは階段を登る必要があります。



直線的な階段と、九十九折のスロープが設けられていました。



ここでも、駕籠屋が営業していました。



階段を登りきると、アジャンタ石窟群が見えてきました。

アジャンタ石窟群は、ワーグーラー川の湾曲部を囲む断崖を550mにわたって断続的にくりぬいて築かれた大小30の石窟で構成されています。僧院であるヴィハーラ窟と仏塔を祀ったチャイティヤ窟があり、開窟年代は、紀元前1世紀から紀元後2世紀の前期(第1期)と5世紀後半から6世紀頃の後期(第2期)に区分されます。8世紀頃に石窟は放棄されてジャングルに飲み込まれ、それから1000年以上も忘れ去られていました。1819年にマドラス(現チェンナイ)の駐屯のイギリス騎兵隊士官によって、狩りの途中に偶然再発見されて、その存在が知られることになりました。エローラは広く知られていたために壁画は消失してしまっていますが、アジャンタはジャングルに隠されていたために壁画が残されているのが特徴になっています。



最初に現れる第1窟。アジャンタ石窟群でも、最大の見どころになっています。



入口の看板に石窟番号が書いてあるので、確かめながらの見学になりました。靴を脱いで入窟しましたが、靴の見張り番役として一人が雇われていました。



第1窟は、6世紀(大乗仏教期)に、ヴァーカータカ帝国の皇帝ハリシェーナによって開窟されたヴィハーラ(僧院)です。

アジャンタ石窟は、ストロボ禁止条件で撮影可能ですが、窟内は暗くしかも照明むらがあって
、写真撮影は難しい状態でした。



本堂入口の左脇に描かれた門神は、特に有名です。



この蓮華手菩薩は、法隆寺金堂の勢至菩薩壁画の源流と言われています。



憂いを含んだ表情は優美です。



参考のために、隆寺金堂の6号壁阿弥陀浄土図(ウィキペディアより)を載せておきます。右側の脇侍が勢至菩薩です。

日本の仏画は、アジャンタに源流を発するものかもしれませんが、敦煌壁画の方に良く似ており、仏教伝来の途中の中国の影響が強く出ていると思います。



本堂入口の右脇には、金剛手菩薩が描かれています。これも有名な壁画ですが、劣化によって表情が変わってしまっているのが残念です。



他の部分をみていきましょう。

第1窟の左手には、マハーシャーナカ本生譚が描かれています。これは、ブッダの前生(ぜんじょう)の姿であるマハーシャーナカ王子が世俗の快楽を捨て去る決心をして、妃シヴァリーが踊り子たちとともに出家を思いとどまらせようとしますが、引き止めきれず、王子はゾウの背に乗って王宮を去り、残された妃は深く絶望し、奴隷たちに囲まれて快楽にうずもれてゆくという場面です。



王宮で灌頂する王の図。





マハーシャーナカ王子の出家を思いとどませようとする場面でしょうか。



出家の場面でしょうか。



右手に天蓋が掲げられて出家した王子。左手に楽器を持った奴隷たちに囲まれた妃シヴァリーが描かれていると思います。



絵は連続して描かれているので、どの場面か判り難くなっています。



出家して説法している場面でしょうか。





剥離が進んでいる部分もありました。



本尊。



柱にも細かい彫刻が施されていました。







天井にも豪華な装飾が施されていました。適切な照明が当たられていれば、もっときれいな色が見られるはずなのが残念です。





天井画の中には、所々人物像も描かれていました。





外に出て、入口周囲の壁を見学しました。



柱頭などに細かい彫刻が施されています。



第1窟の見学をじっくりと行いましたが、この後にも見どころの石窟が続きました。
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