さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらいの風景 黒水城(カラホト) その2

2019年10月15日 | 海外旅行
黒水城は、東西374m、南北480mの広さを持つ城砦都市です。

城内に入ると、半ば砂に埋もれた建物の跡が見られました。



西門から入場し、北西の角に黒水城のシンボルである仏塔が見られます。



見学用に遊歩道が設けられています。監視カメラが設置されていて、遊歩道から外れると、マイクで警告が発せられます。ただ、遊歩道の大部分は砂に埋もれており、遺跡の雰囲気は損なわれていませんでした。



西側は、主に人が住んでいた地区だったようです。マルコポーロもここで40日ほど滞在したといいます。



入場した西門を振り返ったところ。



要所には、このような説明板が置かれていました。定管府とあるので、説明文は読めないけど、お役所があったのでしょうか。



まずは、北西の仏塔に向かいました。



正街とあるのは、メインストリートということかな。



建物の跡も残されています。



仏塔の下に出て、記念写真タイム。

城壁はおよそ9mあり、その上に高さ18mのチベット式の仏塔が置かれています。



NHK「シルクロード」より。

NHK「シルクロード」のビデオと比べると右手に大きく見える仏塔が現在まで残されたもので、他の三つは基壇の上に再建されたものということが判ります。ただ、風と砂に晒されたためか、見た目では新旧の区別はつかない状態になっていました。



仏塔の下には「蔵宝井」と書かれた井戸の跡があります。



NHK「シルクロード」では、馬頭琴の伴奏のもと、老人がこの井戸についての伝説が語られました。

カラホトの伝説

昔のことカラホトは富み栄えておった
カラホトの最後の王はバティルという勇者じゃった
バティルは黒将軍と呼ばれた
バティルは怪力を持ち それにかなう者はなかった
バティルと不敗の軍隊、それにカラホトの富は名高かった
バティルは車に八十輌もの金や銀を持っておった
他の貴重品ときたら値がつけられぬ程じゃった
バティルは金で仏をつくり お経も絹と金で飾った
不思議な言語をあやつって カラホトを治めておったのじゃ

伝説はこのように続く

ある日バティルの前に大きな敵が現れた 蒙古の皇帝ジンギスカンである
バティルは部下を率いて東の山に向かった
敵軍を迎え三度戦ったが 戦いはうまく進まなかった
バティルはカラホトに帰り 籠城する
何度攻め懸けられても城はびくともしなかった
バティルの兵達は石臼を割っては敵に投げつけた
蒙古の軍勢は大いに苛立った
ジンギスカンは計略を立てた
水を絶て 城のそばの川を堰き止めよ
車に何台もの砂袋が運ばれた 星に届くほどの数であった
川の流れは変わり 西の方へ移ってしまった
バティルは必死になって城の中に井戸を掘った
城の西の隅を掘った 深さ八十丈まで掘った
しかし水は一滴も出なかった バティルは最後が近いことを知った
バティルは井戸に財宝を投げ込んだ
そして二人の妻と息子と娘を自らの手で殺して埋めた 敵の辱めを受けないように
手勢を率いてバティルは最後の戦いに挑む
呪いの言葉をはきながらバティルは死んだ
落城の後皇帝の軍は宝を探したが見つけられなかった
そののちもこの宝を探す企てはことごとく失敗した
宝探しの人が必ず目にしたのは赤と緑の鱗を光らせた一匹の大きな蛇であった
人はバティルの悪霊だと信じた



仏塔脇の北側の城壁に穴が開いていますが、城が攻められた時、支配者がここから脱出したという説もあるようです。



東に方向を変えて、場内を一周しました。



瓦の破片が砂の上に多く転がっていました。



宋代のもののようです。



東街。東側には仏教寺院が多かったようです。



東門は、砂に埋もれていました。



官舎の跡のようです。



西夏時代の城跡のようです。



西夏時代の仏塔。





城内を一周して西門に戻ってきました。



城外に出て、城壁に沿って南に進みました。城壁の上まで砂が積みあがっていました。



南西の隅にあるのは、モスクのようです。黒水城は、交易都市として機能したため、西方からのイスラム教徒も多く訪れたようですが、西夏は仏教を信仰していたため、城外にモスクを設けたようです。





小さいながら、イスラム教のモスクの建物の特徴が見られます。



黒水城を振り返りながら入り口に戻りました。

砂に半ば埋もれた姿は、「幻の黒水城」の印象そのままでした。
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