さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらいの風景 アントワープ

2008年03月30日 | 海外旅行
アントワープは、アントウェルペンとも呼ばれ、北海に臨む港湾都市です。現在では、ダイヤモンドの研磨・取引の中心地にもなっています。

ブリュッセルからは、列車で40分ほどの距離にあります。アントワープ中央駅から歩き出すことにしましょう。



中心となるグロート・マルクト広場には、ルネッサンス様式の市庁舎が美しい姿を見せています。



市庁舎前にあるブラボー像の噴水。ブラボーは、古代ローマの兵士の名で、スヘルデ川で暴威をふるっていた巨人アンティゴーンの手(ant)を切り取って投げた(werpen)という伝説に登場する英雄です。確かに。像は腕を投げようとしています。この伝説はアントウェルペンという地名の由来になっています。




王立美術館。ルーベンスをはじめとする絵画が展示されています。



街を歩いていると、尖塔が目には入ってきます。







グルン広場に出ると、ノートルダム大聖堂の全容を見ることができます。

「ベルギーとフランスの鐘楼群」として、アントワープの市庁舎と、このノートルダム大聖堂は、世界遺産の一部を構成しています。

1352年に建造が開始され、1520年に完成したネーデルラント地方最大のゴシック教会堂とのことです。ブラバントゴシック様式の北鐘塔は、123mの高さを誇っています。ただし、南鐘楼は、資金不足のために未完成で終わっています。



広場には、フランドルを代表する画家のルーベンスの像が置かれています。



教会の内部には、「キリスト降架」、「キリスト磔刑図」、「聖母被昇天」、「キリスト復活」などといった、ルーベンスの絵が飾られています。

また、フランドルの毛織物交易で栄えた商人の豊かさを示すように、内部のステンドグラスも見事です。

さて、このアントワープのノートルダム大聖堂が舞台になったのが、ご存じ「フランダースの犬」です。

祖父や老犬パトラッシュと共に暮らし、ルーベンスのような画家になることを夢見ていた少年ネロは、祖父の死後、村の風車小屋が焼けた火事の放火犯との濡れ衣を着せられたことにより、居場所は村から失われてしまいます。
雪の降る中、住むところも希望も失ったネロは、アントワープへと向かい大聖堂に辿り着きます。大聖堂の中に飾られたルーベンスの絵の前で、ネロはパトラッシュと共に天に召されます。

世界名作劇場のアニメ版「フランダースの犬」における、最終話「天使の絵」の最後の場面は、テレビの懐かしのアニメといった番組の定番となています。

さて、本物の大聖堂は、皆さんのイメージに合ったものでしたでしょうか。

「フランダースの犬」は、ベルギー人には知られていないということでしたが、日本人観光客の増加によって、1986年にホーボーケンにネロとパトラッシュの銅像が建てられ、また、2003年にはノートルダム大聖堂前の広場に記念碑が設置されたとのことですが、これは私が訪れた後のことです。
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