さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらいの風景 バールベック遺跡 その2

2019年08月06日 | 海外旅行
バールベック遺跡へ入場しました。

バールベックの名前はベッカー高原のバール神(嵐と慈雨の神)の意味です。歴史家ヘリオドスは、ここをギリシャ神のゼウス神になぞらえてヘリオポリス(太陽神の都市)と呼んでいます。本来はフェニキア系の神々の聖地でしたが、後にギリシア・ローマ系の神々と習合し、祭神はジュピター・ビーナス・バッカスと呼ばれるようになり、2世紀から3世紀の頃には三神をそれぞれ祀る三つの神殿が設けられました。コンスタンティヌス帝がキリスト教を国教と定めた後は神殿の破壊が進みました。さらに7世紀にアラブ人の手に落ちると、以後要塞化が進みました。



残されている柱や壁からも壮麗な建物が設けられていたことが判ります。



12本の列柱が並ぶのを見上げながら遺跡内へと階段を上がりました。



入り口の両脇にも部屋が設けられていたようです。



入り口の復元図。



入り口の先には六角形の前庭が設けられています。



六角形の前庭の周囲には、アラブ時代に要塞化された壁が囲んでいます。





入り口を振り返ったところ。この写真の方が六角形の姿が判りやすいですね。



遺跡内に転がっている石材の多くに、このような彫刻が施されています。丸は卵で生命の誕生を、その上の楔状の模様は矢じりで死を表しているといいます。



六角形の前庭の先には長さ150m、幅110mに及ぶ大庭園があります。中央には犠牲を捧げた祭壇が置かれています。



広場の右側の眺め。



脇には、身を清めるための水槽が置かれています。



水槽には彫刻が施されていました。





広場の周囲を小さな神殿が囲んでいました。



壁の窪みには、神像が置かれていたのでしょう。



大庭園の奥にジュピター神殿が設けられています。ジュピター神殿へ入るための階段は、石積みで造られたものではなく、巨石を階段状に削って造られています。



階段上から大庭園を振り返ったところ。



ジュピター神殿では、6本の大列柱が残されているだけです。高さ20m、太さ2.5mの巨大な柱が54本も、長さ85m、幅47mの基壇に並んでいたようです。



柱の断片が転がっていました。



人と比べるとその大きさが判ります。



大列柱は、工事用の足場が組まれて見栄えが損なわれていますが、ここのところはこの状態が続いているようです。



ジュピター神殿の基壇の端に進むと、アラブ時代に要塞化された壁が続いているのを見ることができました。
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