さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらい人 アウシュヴィッツ強制収容所 その1

2017年02月06日 | 海外旅行
7日目は、午前中にアウシュヴィッツとビルケナウの強制収容所、午後にヴィエリチカ岩塩抗を見学することになりました。

気分の滅入る負の遺産の見学を望まない者はクラクフにて自由行動を選択することもできるようになっていましたが、ツアーの全員がアウシュヴィッツに向かうことになりました。

ドイツによるアウシュヴィッツ強制収容所は、クラクフの西54kmのオシフィエンチムの町にあり、現在では博物館になっています。「アウシュヴィッツ・ビルケナウ ナチス・ドイツの強制絶滅収容所」として世界遺産に登録されています。

アウシュヴィッツの入口にはビシターセンターがあり、若者の団体も含む大勢の観光客が集まっていました。



入口から収容所内に進みます。



収容所入口のゲート。有名な「ARBITE MACHT FREI」(働けば自由になる)という標語が掲げられています。全くの嘘で、ダンテの神曲に出てくる地獄の門の「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」の方が実情にあっています。



ゲートのBの文字が上下逆さまになっており、製作した収容者がせめてもの抵抗の印として作ったという説もありますが、実際は当時良く行われていたスタイルであったとのこと。規律にこだわるナチスドイツが、抵抗の印を見逃すはずはありません。



収容所は、高圧電流を流した有刺鉄線が囲まれています。



レンガ造りの建物が並んで、一見のどかな風景が広がっています。



主要所内には、各所に当時の写真が掲示されています。

被収容者は、このゲートを通って毎日労働に出かけ、十数時間後に戻ってくるのですが、その脇では収容所の楽団がマーチの演奏を行いました。被収容者の行進を整頓してナチス親衛隊(SS)の人員点呼を容易にするためでした。



まず、4号棟に入りました。この棟には、「絶滅計画」というタイトルが付けられています。



犠牲者の灰を収めた慰霊碑。



4号棟には、当時撮影された写真や資料が展示されています。



アウシュビッツのあるオシフィエンチムは、鉄道の要所にあり、ナチスドイツの支配地からの輸送が容易であり、市街地から離れていて拡張と隔離が容易であったことが強制収容所の立地条件に適していました。



最初は、ポーランドの政治犯が収容されました。



さらにソ連の戦争捕虜。



ロマ(ジプシー)。



聖職者。



ユダヤ人。



1941年、SS司令官のハインリヒ・ヒムラーは、アウシュヴィッツ収容所をユダヤ民族殲滅計画実行の地に決めました。1942年前半にユダヤ人の大量殺戮が始まりました。



ユダヤ人の移送は、上シレジアが最初で、次いで占領下ポーランド、スロヴァキア、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツ、ノルウェー、リトアニアなどドイツ占領下の欧州の国々と続きました。



移送者の書類などが展示されていました。



ユダヤ人の多くは、アウシュヴィッツへは欧州東部への移住と信じて運ばれてきました。わざわざ切符を買わされたこともあったようです。



また、強制収容所の隠ぺい工作として、移住先とされた地からの偽りの手紙も出されました。



収容所に到着すると、SS将校と医師が、ユダヤ人の選別を行い、労働のために収容するか、働けないとみなしてガス室へ送るか決定しました。子供の大部分は、そのままガス室へ送られました。



ガス室の模型が置かれていました。

地下の脱衣所に導かれ、服を脱ぐと浴室に見せかけた部屋に追い立てられます。この部屋では、水が出ることはなく、天上の穴からはチクロンBが投入されました。人々は15~20分で死亡しました。



解放後に発見された使用済みのチクロンBの空き缶の山。



チクロンBは、ドイツ製のシアン化合物系の殺虫剤で、過熱燻蒸すると青酸ガスの発生を早めることができたといいます。

収容所が解放されると、袋詰めされた約七トンの髪の毛が発見されました。見つかった髪の毛からはシアンの反応が見られました。人間の髪の毛からは、生地が生産されていました。大量の髪の毛の展示には、思わず目を背けてしましますが、これは撮影禁止のために写真はありません。



焼却所から立ち上る煙。



収容者の持ち物は、分別されて、ドイツ第三帝国内に鉄道で運ばれました。



倉庫はいつも溢れており、倉庫のの前には分別前の高い山ができていました。
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