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MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

鼻から髄液がっ!

2012-12-09 14:36:20 | 健康・病気

そのむかし、
片岡鶴太郎だったか誰だったか、あるお笑い芸人が
ひどくびっくりしたとき、ギャグで
『鼻から髄液が出る…』とか言っていたような…。
しかし、実際に髄液(脳脊髄液)が
鼻から漏れるようなことが起こったら、
ことは冗談では済まされない、
命に係わる一大事なのである。

12月3日付 ABC News

Arizona Woman Nearly Dies as Brain Fluid Leaks Out Nose 鼻から脳脊髄液が漏れて危うく命を落とすところだったアリゾナの女性

Brainfluidleak

Aundrea Aragon さんはアレルギーだと思っていたが、実際には髄液が鼻から流れ出ていた。

By SUSAN DONALDSON JAMES
 もう4ヶ月以上、前屈みになるたびに味のない透明な液体が Aundrea Aragon さんの鼻から流れ出ていた。しかし、医師たちは単なるアレルギーだと言って彼女を安心させていた。
 「それは単なる滴りではなく、鼻から流れ落ちていたのです」アリゾナ州 Tucson の35才の母親である Aragon さんは言う。「私が下を向いたり、前屈みになったりすると、文字通りそれは私の左側の鼻から流れ落ちていました。全く止めることはできませんでした」
 たとえ医師らが彼女の懸念を“払拭”しても、“心の底”では何か深刻な問題ではないかと思っていたと Aragon さんは言う。
 実は…彼女の蝶形骨洞の後ろ側の2ヶ所の裂け目から脳脊髄液(髄液)が脳から漏れていたのである。それによって彼女は命を失う可能性もあった。
 「私はいまでもショックが尾を引いている感じです」と Aragon さんは言う。彼女は10月に University of Arizona Medical Center で手術を受けた。「私はたいへん運がよかったのです。髄膜炎になり昏睡に陥って死ぬ可能性もあったと言われました」
 Aragon さんの病気である脳脊髄液漏(髄液漏)はまれな疾患で、彼女を手術した耳鼻咽喉科部長の Alexander G. Chiu 医師によると10万人~20万人に1人の割合で発症するという。
 ほとんどの場合、高い頭蓋内圧を持つ肥満の患者に見られ、この場合副鼻腔が“ポンと開く”。時に、自動車事故や頭部外傷が亀裂の原因となることもある。
 「彼女の場合、よりめずらしい例でした」と Chiu 氏は言う。彼でも100例ほどしか治療していない。
 Chiu 氏によると、危険なのは髄液の喪失ではなく、むしろ感染であるという。
 「人は絶えず脳脊髄液を産生しています」と彼は言う。「身体の最も清潔な場所である脳と、最も汚い場所である鼻腔との間に連絡が存在すると致死的となる可能性があります」
 Chiu 氏と彼の同僚である脳神経外科の G. Michael Lemole 医師は、副鼻腔に到達して2ヶ所の副鼻腔の裂け目を修復するのに内視鏡的方法を用いた。彼らは鼻を経由して副鼻腔に入り、漏れが起こっている場所に皮膚を移植した。
 University of Arizona はこの手技をルーチンに行っている唯一のメディカル・センターであり、アリゾナ州において内視鏡頭蓋底手術の最大の症例数を持っている。
 他の多くの病院では、外科医らはこれら副鼻腔の亀裂を開頭術によって修復するが、その場合回復に痛みを伴い、大きな瘢痕が残り、さらには副次的な悪影響も起こり得る。
 Chiu 氏によると、そのような手技は“おっかない”という。
 「脳にヘラをかけ、後ろに引いて前頭葉を排除することで、それらが妨げにならないようにして、脳の腹側を修復するのです」と彼は言う。
 「一方、私たちは鼻から直接到達します。ちょうどキャブレターを修理するのに車の下から行くような感じです」と彼は言う。
 外科医らは漏れの正確な場所を見つけるために Aragon さんの脳脊髄液中に染料を注入した。「通常それは無色ですが、脳脊髄液はそれを緑色に変化させます」と彼は言う。
 内視鏡のルートは、視神経からも、嗅覚に関係する脳の領域からも離れているので安全である。
 Chiu 氏によると、内視鏡的に行えば、この手技の成功率は95~99%だが、開頭によって行えば成功率はわずかに60%なのだという。
 「瘢痕組織が移植片を覆ってくるため、それが生涯彼女を守ってくれます」と彼は言う。「再発は許されません。彼女は若いですから」
 それでも Aragon さんは年に数回の診察を受けなければならない。「彼女はもはや漏れることはありませんが、新たな漏れを起こさないことを確かめる必要があります」
 Aragon さんは、自分が死と隣り合わせにいたことに対していまだに恐怖を抱いているという。脳脊髄液の漏出が始まるほんの数週間前、彼女には副鼻腔炎があり、抗生物質でいくらか感染から護られていた可能性がある。

Diagnosis Was Brain Leak, Not Allergies 診断は髄液漏であり、アレルギーではなかった

 Aragon さんは9才から16才の3人の子供がいて大変忙しかった。しかもそのうち1人は自閉症だった。そのため彼女が単にアレルギーであると確信する多くの医師たちに疑問を感じなかった。
 髄液漏の“稀少な”可能性に言及した医師がいたが、結局それは却下され、彼女にはスプレー式点鼻薬が処方された。
 「しばらくの間、私は文字通りこの液体を飲んでいて、胸やけがしていました」と Aragon さんは言う。「この液体にむせて目が覚めることもありました。肺炎に罹ったのかと思いました」
 「私はペーパータオルを鼻に突っ込んで家の中を歩き、10分ごとにそれを入れ替えていました」と彼女は言う。
 数年間線維筋痛症に苦しんでいた Aragon さんによると、「四六時中苦痛を感じる状況には慣れていたのです」という。
 しかし、Aragon さんは自閉症の娘の世話を中心となって行っていたので、自分の健康を重要視する方だった。「何かが私に起これば、そのことをすぐに大切に考えるのです」
 スプレー式点鼻薬に効果が見られなかったとき、彼女は“非常に動揺し”緊急治療センターに行った。
 Aragon さんが尿の検体を差し出したとき、床の上の大量の液体を見つけたナースは驚いた。そして、医師が検査用に少量の液体を提出できるかどうか彼女に尋ねたとき、「その試験管の20倍以上を一杯にできますよ」と彼女は答えた。
 これには医師までもが驚いた。「無表情を保とうとしていた彼の顔をお見せしたいくらいです」と彼女は言う。
 その液体は研究室分析に送られ、Aragon さんは耳鼻咽喉科専門医に回された。あるたんぱく質によってそれが脳脊髄液であるかどうかが判明する。
 検査結果が陽性で返り、CTスキャンで副鼻腔に2本の線が認められたため、彼女は University of Arizona Medical Center に紹介された。
 2時間の手術は成功し、ほとんどの患者と同じようにあまり痛みを感じなかった。医師たちは彼女の鼻腔内からの組織と腹部の脂肪付きの皮膚の小片を用いて問題の亀裂を覆うように移植した。
 「医師たちは素晴らしかったし、私の宗教を大変尊重してくれました」と Aragon さんは言う。彼女はエホバの証人の信者であり、血液製剤の使用が許されなかったのである。「彼らは私を急がせることをせず、私の疑問のすべてに答えてくれましたし、すべてを説明してくれました。私の間抜けな質問にさえも…」
 「私はずいぶん気分が楽になりました。私は本当に、本当に幸運でした」と彼女は言う。

鼻からさらさらの液体の流出が繰り返し起こる場合、
その液体が鼻汁か髄液かを判別する必要がある。
(アレルギーでも大量に認められることがある)
判別には髄液に特異的に含まれる成分を測定する。
以前は尿糖を測定するテステープが用いられていたが
その特異度は低く偽陽性のことがある(つまり鼻汁でも
糖が高いことがある)。
記事中にあった“あるたんぱく質”とは
鼻汁には含まれないβ‐2 トランスフェリンのことである。
こちらはかなり特異度が高いとされている。
漏出部位の診断はCT、MRIのほか、
アイソトープを髄腔内に注入して鼻副鼻腔の
シンチグラフィーを行う方法や、蛍光色素髄腔内注入による
鼻副鼻腔内視鏡検査があるが、後者は安全性が
確立されていない。
髄液漏(鼻性髄液漏)は大きく、外傷性と非外傷性に
分類される。
非外傷性髄液漏は、1)頭蓋底腫瘍によるもの、
2)先天性、3)特発性に分類される。
Aragon さんの場合、3)の特発性と考えられるが、
これはきわめて稀である。
頭部外傷による外傷性髄液漏は
自然停止も期待されるため急性期は保存的に治療する。
一方、非外傷性の場合、髄膜炎を生ずる可能性が高いため
早期に修復術を考慮する必要がある。
脳と交通を持つ可能性がある鼻内構造には
鼻汁内の篩板(嗅裂)、
および前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞などの副鼻腔があるが、
現在、漏出部位が前頭洞以外の場合には、
内視鏡下鼻内整復術の良い適応となっている。
漏孔部を内視鏡下に観察し、漏孔の大きさに応じて、
脂肪組織、筋膜、皮膚、軟骨、人工硬膜、鼻粘膜などを用いて
閉鎖する。
さらに欠損が大きい場合には、
鼻腔内の栄養血管をつけた状態の粘膜(局所有茎粘膜弁)を
移植する。
本治療手技は従来行われてきた開頭による治療にくらべ
患者への侵襲は格段に小さく、すぐれた治療法である。
いずれにしても本疾患の場合、
早期の診断と漏出部位の同定が最も重要といえそうだ。

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