まずは2012年10月クールのドラマを総括。
『つまらんっ、今回のドラマはホントーにつまらんっ!』
今年10月に亡くなった大滝秀治のCMではないが、
今クールのドラマは本当につまらなかった。
全体に前クールよりは視聴率は上がったものの、
内容が伴っていなかった。
12月4日現在、いずれのドラマもまだ放映中ではあるが
一応視聴率の良かった順に勝手な寸評を加えてみたい
(括弧内は12月4日までの平均視聴率、大河ドラマを除く)。
『ドクターX~外科医・大門未知子』(17.87%)
腕の立つフリーランスの医者が西部劇調のBGMにのって颯爽とあらわれる…。医学的なリアリティーには欠けるものの、見終わったあとの爽快感が高視聴率を呼んだと思われる。予想に反して米倉涼子の演技に嫌みがなく、違和感がなく見られた。
『PRICELESS~あるわけねぇだろ、んなもん!~』(17.16%)
相も変わらぬキムタクの演技に辟易、個人的には初回で断念。とはいえ、腐っても鯛、この程度の内容でもこれだけの数字を残せるとは、さすがキムタク。
『相棒(11)』(16.60%)
一回も見ていないのでコメントできないが、相棒が変わってもまずまずの数字を残せているところはさすが。
『悪夢ちゃん』(11.92%)
個人的には今クール一番のドラマ。堂々とスッピン・アップにたえた北川景子に好感。スキャンダルまみれのGACKT は劣化が懸念されたが、彼独特の雰囲気は特に本ドラマでは貴重だった。続編も期待できるのでは?
『結婚しない』(11.65%)
菅野美穂の気合いは感じられ、2回ほどは我慢して見てみたが、ドラマはリアリティーに欠け、感情移入もできないまま、以後断念。
『MONSTERS』(11.63%)
事件のトリックが今ひとつな上に、コメディー的演技がさっぱりの両ジャニーズ・アイドルのおかげで実につまらないドラマとなった。『古畑任三郎』『相棒』あたりを多分に意識し、できればシリーズ化まで期待したのかもしれないが、この内容では無理。とにかく香取の作り笑顔がキモいこと、この上なかった(ぞぞ~っ!)。
『匿名探偵』(10.50%)
この時間枠で2桁獲得は立派である(ただしMrK は見ていない)。徹底したエロ路線で押し、エロスの女王・壇蜜まで引きずり出すとはご立派(当該回の視聴率は12.0%!)。
『TOKYOエアポート~東京空港管制保安部~』(10.18%)
やはり管制の現場だけのエピソードではネタがもたず、空港のあちこちの部署を巻き込んでのドタバタ劇となった時点で視聴を断念。深キョンの英語はなかなか頑張っていたが、どんな場面でも表情を変えない彼女の演技は気になった(平清盛の時子役と同じ顔)。
『遅咲きのヒマワリ~ボクの人生、リニューアル~』(9.87%)
高知を舞台にした群像劇で、それなりにドロドロした恋愛関係も描かれ結構楽しめたが、俳優陣がそろってあか抜けし過ぎてていて、四万十ではなく都会の話ではないかと錯覚するほど。生田斗真、桐谷健太らはなかなか健闘していたのだが…。
『大奥~誕生〔有功・家光篇〕』(8.81%)
ゴールデン10時台の時代劇がダメなのか、男女逆転の大奥というストーリーが受け入れがたいのか、視聴率は期待されたほどにとれなかった。堺雅人も多部未華子もそこそこ頑張っていたのだが…。これで一気に映画版の集客アップをめざしていたTBSのもくろみは崩れてしまった。
『ゴーイングマイホーム』(8.81%)
カメラをほとんど動かさず、薄暗い映像の中で、たわいのない日常的会話をだらだらと繰り返す映画的制作手法。ストーリー展開も遅く、いくら丁寧に作られているとはいえ、これではテレビドラマとしては苦しかった。山口智子・宮﨑あおい効果はほとんどなかったといえそうだ(初回は13.0%とれたが、この2時間放映が失敗だったのでは)。
『東京全力少女』(8.03%)
3クール連続主演の武井咲だが、結果はことごとく惨敗。見るたびに魅力が薄れていくようだ。今回は明るい少女役にイメチェンしたようだが、この路線でもむずかしそう。ドラマの内容も乏しく、個人的には初回で断念。武井を今後どのように使うべきか、テレビ局も悩んでいるのでは?
『レジデント』(6.74%)
同じ医療ドラマの裏番組に完全に視聴者を獲られてしまったのか、打ち切りレベルに近い数字である。ただ、たとえ裏番組が低調だったとしても視聴率はとれなかっただろう。仲里依紗はなかなか魅力的ではあるが、あとのメンバーがあまりに地味すぎた。個人的には初回に小澤征悦が心臓マッサージをする喘ぎ声があまりに気持ち悪すぎて全く見る気を失った(笑)。
このところ全体的にドラマの質が低下しており
大いに懸念されるところであるが、2012年も終わり。
2013年スタートのドラマに期待したい。
今のところ情報が不十分なドラマもあるが
一通りチェックしてみたい。
フジ月9 1/14~ 『ビブリア古書堂の事件手帖』 剛力彩芽、AKIRA(EXILE)、高橋克実、田中圭、鈴木浩介、北川弘美、水野絵梨奈、トリンドル玲奈、内藤理沙
原作は三上延の小説『ビブリア古書堂の事件手帖』。昨年から今年にかけて本シリーズ3巻累計で310万部を突破した人気作(『ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~』『ビブリア古書堂の事件手帖2~栞子さんと謎めく日常~』『ビブリア古書堂の事件手帖3~栞子さんと消えない絆~』)。『月9』初主演となる剛力彩芽が演じる主人公・篠川栞子は、鎌倉の古書店・ビブリア古書堂の店主。極度に人見知りで初対面の人間とは口もきけない彼女だが、古書に関しては並外れた知識を備えていた。そんな彼女が、客に持ち込まれた様々な古書にまつわる謎を解き明かしてゆくというヒューマンミステリードラマ。古書の秘密をもとに、時と場所を超えた人間同士の深い絆が描かれる。剛力彩芽が、原作の篠川栞子のイメージ(二十代後半の地味で薄幸な感じの美人。ストレートで長い黒髪、体型はスレンダーながら巨乳で透き通るような肌を持つ)とあまりにもかけはなれている(巨乳ならぬ虚乳?)ために、ネット上で“ビブリア”ファンからの批判が炸裂しているそうである。このところ視聴率さっぱりの武井咲より先に月9主演をゲットした剛力が名実ともに武井を追い越すことができるかが見どころ。
フジ火9 1/15~『ラストホープ』 相葉雅紀(嵐)、多部未華子、桜庭ななみ、田辺誠一、北村有起哉、小日向文世、高嶋政宏、平田満
相葉雅紀がフジテレビ連ドラ初主演で、初の医師役に挑戦。舞台は、最先端の医療現場・先進医療センター。相葉が演じる主人公・波多野卓巳は総合医。父親の営む波多野診療所で町医者をやっていた彼は、父親の勧めで帝都大学の先進医療センターに勤務することになる。この主人公・卓巳は、他人の苦痛を理解する共感力や想像力に優れていて、患者の気持ちを汲み取ることに卓越しているという。そんな卓巳には幼少のころの秘密が隠されていたが本人は気づいていない。個性豊かな様々な医師で構成されるこの先進医療センターは、治療法がなく見放された患者たちの“最後の砦”としての役割を持つ。スタッフの一人、救命医の橘歩美を演じるのは多部未華子。卓巳とは対照的にクールでドライな彼女は、言いたいことは歯に衣着せずずばずば発言する。田辺誠一演じる外科医・高木淳二は、外科医としての技術は優れているものの、自信過剰で女好き。医療を『ビジネス』と割り切り、卓巳の姿勢に否定的な眼科医・副島雅臣を北村有起哉が、再生医療を専門としあらゆる先端医療に通じたスペシャリストで研究者の古牧利明を小日向文世が、それぞれ演じる。そのほか、桜庭ななみが医療センターの看護師役、高嶋政宏が医療センター長役で出演する。おそらく相葉演じる卓巳先生はちょっと“とろい”けれどもとっても“ハートフル”で患者の声に耳を傾ける“いい”医者なのであろう。最近のドラマによくあるように、一方でメンバーたちの過去の秘密がストーリーの縦糸となって展開されてゆく。総じて陳腐な医療ドラマのようである。
フジ(関西テレビ)火10 1/8~ 『サキ』 仲間由紀恵、三浦翔平、高嶋政伸、萩原聖人、内田有紀、石黒英雄、庄野崎謙
2011年1月クールのドラマ『美しい隣人』で悪女ぶりを発揮した“サキ”が新たな設定でサスペンスを展開。主人公“サキ”は前回の“沙希”と同一人物ということだが、今回は総合病院で働く看護師で、ターゲットは彼女に関わる男性たち。“天使のような”笑顔、プロ並みの料理の腕前、所作の美しさや優しさを持つ彼女はまさに男たちにとって理想の女性だった。サキと出会う男たちは彼女の標的となり、翻弄され、やがて破滅してゆく。生き別れとなっているサキの弟で大手雑誌社の記者・新田隼人を三浦翔平が演じる。サキの働く病院の理事長・須藤繁之を演じるのは高嶋政伸。私生活での経験が演技に生かせるか。また人望の厚い人権派弁護士・野村康介を萩原聖人。さらに隼人の上司で、記者として女性としてサキに不信感を募らせていく濱田直美役に内田有紀を配する。『美しい隣人』でこわ~い女のイメージが定着した仲間由紀恵、それ以後、コメディを演じてもどこか気味の悪い女に見えてしまうのだが…。ま、今回ばかりは徹底的に悪女を演じていただけることだろう。
テレ朝水9 継続 『相棒(11)』 水谷豊、成宮寛貴(新相棒)、鈴木杏樹、六角精児 他
コメントなし
日テレ水10 1/16~ 『シェアハウスの恋人』 水川あさみ、大泉洋、中島裕翔(Hey!Say!JUMP)、川口春奈、君野夢真、もたいまさこ、谷原章介
水川あさみ演じる主人公の津山汐は30才の地味な会社員。恋人なし、親友なし、で会社では、オヤジな上司とキャピキャピでドライな派遣女子の板挟みになって気を遣いまくる毎日。そんな彼女が変化を求めるため、ひとつの住居を複数の人たちで共有するシェアハウスに住むことを決断する。そこで、2人の男性と出会い、そのうちの一人に惹かれることに。それは妻子持ちの40代男だった。そしてあろうことかこの男は、汐に惹かれていくことになるもう一方の38才の素朴な男性に恋をしてしまう。シェアハウスを舞台に不器用な男性たちとの奇妙な三角関係が展開されることになる。脚本は『ホタルノヒカリ』『つるかめ助産院~南の島から~』の水橋文美江。今はやりのシェアハウスを利用してあり得そうにない物語を作り上げるのは安易過ぎる気がする。またゴールデン初主演となる水川あさみにはちと荷が重いかも。
TBS木9 1/17~ 『あぽやん~走る国際空港』 伊藤淳史、桐谷美玲、貫地谷しほり、柳葉敏郎
原作は新野剛志著の小説『恋する空港~あぽやん』。『あぽやん』とは旅行業界の用語で、空港のカウンター裏で起こる、発券ミスや重複予約など様々なトラブルを解決し、客を笑顔で無事に送り出す旅行代理店のプロのこと。ちなみに『あぽ』は空港・エアポート(airport)の略、APO のこと。旅行会社の社員で本社から成田空港に異動を命じられた主人公・遠藤慶太を伊藤淳史が、また彼の直属の部下・森尾晴子を桐谷美玲が演じる。このコンビに加え、柳葉敏郎、貫地谷しほりらが脇を固める。新しい職場にとまどい、仕事のできない遠藤は、柳葉演じる頼りない上司、さらには癖のある同僚たちや女性だらけの部下たちに翻弄される。当初は敵対していたツンデレ部下の晴子だったが、様々なトラブルに懸命に対応する遠藤に惹かれるようになる。最初のうちは本社に戻るためだけに必死で働いていた遠藤だったが、お客様に対するもてなしの心の大切さを知り、同僚たちの情熱に徐々に感化されていく。フジの『TOKYOエアポート~東京空港管制保安部~』に続く空港業務を題材にしたドラマだが、3ヶ月間ネタがもつのか心配だ。キャストも地味。
テレ朝木9 1/17~ 『おトメさん』 黒木瞳、相武紗季、石田純一、郭智博、大地康雄、鈴木砂羽
一口で言うと、現代版嫁姑ドラマか。従来の嫁姑ドラマの定番だった“いじめる姑”VS“ひたすら耐える嫁”の構図は姿を消し、家族事情が大きく変わった現代においてその立場は逆転しているとか。『おトメさん』、とは嫁が姑のことを誹謗するときの呼び名である。今や嫁は姑に対して自由な発言と権利の主張を繰り返し、やりたい放題。このドラマでは、悪い嫁に追い込まれ孤立した姑が反撃に転じ、家族や自分自身を再生してゆく過程がコミカルかつサスペンスフルに描かれる。その“孤立無援となった姑”を黒木瞳が、また“姑をいびる怖い嫁”を相武紗季が演じる。水沢麻子(黒木瞳)は、水沢李香里(相武紗季)と同居することになるが、実は李香子は“明るく・できた嫁”という表の顔の裏側に怪しげな過去と悪企みを持つ凶悪な嫁だった。李香里の隠し事が次々と発覚し、疑心暗鬼の渦に巻き込まれ、「嫁が何らかの目的で家庭をメチャメチャにしようとしている…!」と確信した麻子は家庭の平和を取り戻すため凶悪な嫁と対決する。なおこの他のキャストは、妻子がありながら女性との火遊びが絶えない麻子の夫・水沢博行に石田純一が、麻子の息子役に郭智博が扮する。脚本は『GOOD LUCK!!』、『白い巨塔』、『14才の母』、『同窓会~ラブ・アゲイン症候群』などの作品を手がけた井上由美子。
フジ木10 1/10~ 『最高の離婚』 瑛太、尾野真千子、真木よう子、綾野剛、八千草薫
坂元裕二によるオリジナル脚本のラブ&ホームコメディ。30才代のむずかしい結婚事情をテーマに『夫婦とは何か』『家族とは何か』がコメディ・タッチに描かれる。元夫婦と夫婦の二組の男女が、結婚と離婚のはざまに横たわる問題を乗り越えてゆく。離婚する方のカップルを瑛太と尾野真千子、もう一方のカップルを綾野剛と真木よう子が演じるという豪華メンバー。瑛太演じる主人公・濱崎光生(30)は自動販売機の設置会社に勤める普通のサラリーマン。性格は神経質で人付き合いが下手な光生は、苦手な営業に異動となりストレスが多い。尾野真千子演じるその妻・結夏(30)は光生とは真反対の性格で、おおらか、おおざっぱな性格で光生の実家のクリーニング店を手伝っていた。互いへの愛を確信できないこの二人はやがて離婚することになる。一方、真木よう子が演じる上原灯里(30)は光生の学生時代の元カノで、一時同棲していたこともある。結婚したばかりの夫で、美大で助手を務めている上原諒(30)を綾野剛が演じるが、彼は新妻がいながら他の女性とも自由に付き合っていた。それぞれ色々な問題を抱えるこの2組のカップルを通して、“結婚”とは、“夫婦”とは、“家族”とは一体何なのかが問われる。月9以上にフジの力が入っているように思われるドラマだが、高齢者や若い人たちの支持を得られるかが課題。
TBS金10 1/18~ 『夜行観覧車』 鈴木京香、石田ゆり子、宮迫博之、安田章大(関ジャニ∞)、杉咲花、宮﨑香蓮、中川大志、田中哲司、夏木マリ、高橋克典
原作は湊かなえの同名小説。坂の上にある高級住宅街“ひばりヶ丘”を舞台に展開されるサスペンス。ひばりヶ丘に住む、遠藤家、高橋家、小島家、という3世帯の家族を中心にストーリーは進む。主人公の遠藤真弓(鈴木京香)は無理をして、小さいながらも念願だった一軒家をひばりが丘に建て、夢が叶ったはずだった。しかし、中学受験に失敗した娘・彩花が、毎日のように家庭内暴力を繰り返し、近所中にその怒声を響かせていた。一方、向かいの高橋家は、豪華な家に、病院を経営するエリート医師の夫・弘幸(田中哲司)と美人妻・淳子(石田ゆり子)、そして彩花が落ちた名門私立高校に通う長女・比奈子(宮﨑香蓮)と、スポーツ万能の次男(中川大志)が住んでいる。さらに、関西の医学部に通う長男・良幸(『関ジャニ』安田章大)もいる。恵まれた環境で何不自由なく、幸せそうに暮らしていたはずの高橋家。そんな幸せを絵に描いたような家庭だったが、ある日、弘幸が殺害される。犯人は被害者の身近な顔見知りの犯行だと考えた刑事・結城哲也(高橋克典)らは捜査を進めるが、そんな時、家にいたはずの次男が、事件の日を境に失踪する。警察も、高橋家の残された子供たちも、そして、高橋家の騒ぎに耳をそばだてていた遠藤家や、自治会婦人部の会長で隣家に住む小島さと子(夏木マリ)も、真犯人はその次男ではないかと考えはじめる…。真弓の夫・啓介役に宮迫博之が抜擢されていたが、胃癌の手術を受けることになったそうで、果たして出演できるのか。
テレ朝金11:15(金曜ナイトドラマ) 1/11~ 『信長のシェフ』 玉森裕太(Kis-My-Ft2)、及川光博、志田未来、ゴリ(ガレッジセール)、宇梶剛士、竹山隆範(カンニング)、きたろう、 正名僕蔵
原作は週刊漫画TIMES連載中のコミック『信長のシェフ』(作:西村ミツル、画:梶川卓郎)。現代のシェフが戦国時代にタイムトリップし織田信長おかかえの料理番として活躍する姿を描く。玉森裕太演じるフレンチシェフのケンが目を覚ますと戦国時代真っただ中だった。現代の記憶は失っていたものの、“現代”の料理テクニックはしっかり身につけていた。斬新な料理を次々に作り出すケンは京の都で一躍評判の料理人となる。その噂を聞きつけた織田信長はケンを料理番として召し抱え、無理難題を突きつける。『宣教師・フロイスの本心を確かめる料理』『足利義昭に朝倉討伐を認めさせるための料理』『北畠具教に和睦を受け入れさせる料理』などなど。フレンチを取り入れるとはいえ、当時の日本にはワインも醤油もソースもなく手に入れられるならなんでも創意工夫を凝らして料理を作り上げなければならなかった。さまざまな困難を乗り越え、信長に仕えるうちにそのカリスマ性に魅了されていく。その織田信長役を及川光博が演じる。ケンに思いを寄せる若き女刀鍛冶師・夏を志田未来、豊臣秀吉をゴリ、徳川家康をカンニング竹山がそれぞれ演じる。合戦シーンも予想されるが、ローコストの深夜ドラマでどのようにドラマを作り上げるのか見ものである。
日テレ土9 1/19~ 『泣くな、はらちゃん』 長瀬智也(TOKIO)、麻生久美子、丸山隆平(関ジャニ∞)、忽那汐里、賀来賢人、菅田将暉、清水優、稲川実代子、小松和重、甲本雅裕、光石研、奥貫薫、白石加代子、薬師丸ひろ子
主人公は漫画『泣くな、はらちゃん』の主人公、紙の中の人物である。『はらちゃん』は安い居酒屋で酔っ払い、クダをまく男。毎日同じようなことの繰り返し。腹の立つことばかりだが、それをぶち壊す知恵も勇気もない。その漫画を描いているのは、かまぼこ工場で働く地味目な女性・越前さん。日記代わりに、日々の恨み辛みをこめてノートに漫画を描きつづっていた。そしてある日、奇跡が起こる。『はらちゃん』がふと気がつくと漫画の世界を飛び出し、『現実』の世界に現れたのだ。そこで『はらちゃん』は越前さんに恋をしてしまう。『現実』に存在しない『はらちゃん』が2次元と3次元を交差しながら奮闘する、熱くせつないラブストーリーである。私生活で恋の破局を迎えた長瀬智也だが、2年半ぶり主演となるこのドラマで新境地を切り開くことができるだろうか?脚本は『おひさま』『最後から二番目の恋』の岡田惠和。
NHK日8 1/6~ 大河ドラマ 『八重の桜』 綾瀬はるか、西島秀俊、長谷川博己、剛力彩芽、黒木メイサ、松重豊、風吹ジュン、長谷川京子、工藤阿須加、綾野剛、稲森いずみ、玉山鉄二、池内博之、斎藤工、北村有起哉、貫地谷しほり、芦名星、市川実日子、白羽ゆり、秋吉久美子、小泉孝太郎、村上弘明、降谷建志(Dragon Ash)、生瀬勝久、市川染五郎、小堺一機、反町隆史、加藤雅也、吉川晃司、中村獅童、西田敏行、オダギリジョー、勝地涼、水原希子、谷村美月、小栗旬、及川光博、高嶋政宏、奥田瑛二、松方弘樹
主人公は幕末に会津藩の女として戦った『幕末のジャンヌダルク』・新島八重。維新後は新島襄と結婚し“篤志看護婦”として日清・日露戦争に従軍、『日本のナイチンゲール』としても活躍した会津生まれの不屈な精神を持つ頑固女(1845~1932年)の物語である。時は明治元年(1868年9月)。板垣退助率いる新政府軍に抗戦し、最新のスペンサー銃を会津・鶴ヶ城から撃つ女がいた。23才の山本八重、後の新島八重である。会津藩の砲術指南の山本家に生まれた八重は裁縫よりも鉄砲に興味を示し、会津の人材育成の指針“什(じゅう)の掟”(子弟教育7カ条)『ならぬことはならぬもの』という教えのもと、強い会津の女として育てられた。八重が17歳のころ(1862年)、会津藩主・松平容保は徳川家より京都守護職に任命される。兄・覚馬ら会津軍は西郷隆盛率いる薩摩藩とともに禁門の変で長州軍を破る。その後、薩摩の寝返りや日和見主義の諸藩の動きの中にあっても会津藩は忠義を貫く。しかし、鳥羽・伏見の戦いに幕府軍は敗れ、会津は新政府軍から『逆賊』として扱われる。多くの仲間が次々と死んでいく中、鶴ヶ城での籠城戦で男装し、自ら銃を持ち夫・川崎尚之助とともに奮戦した八重だったが、白虎隊の無念の死や、夫との別れを経て、会津戦争の敗北を受け入れ、八重はそれまでの生きがいであった鉄砲を捨てる決断をする。逆賊と世間に罵られる中、八重をはじめ会津の人たちは新たな生き方を模索する。再び兄を頼り京都へ向かい、そこで勉学の道に目覚める。『鉄砲』から『知識』へ、手にする武器は変わっても『ならぬことはならぬもの』会津のプライドを貫こうとする八重は、京都でも存在感を増し、アメリカ帰りの青年・新島襄と結婚する。封建的風潮の残る中、男女の平等を目指す八重は、西洋帰りの夫を『ジョー』と呼び捨てにし、レディファーストを取り入れる。そんな奇妙でおかしな夫婦関係を世間が罵っても、八重はまるで気にしない。その生きざまを夫は『ハンサムウーマン』と称した。その後、日清、日露戦争が起こると、八重は仲間とともに篤志看護婦として名乗りをあげる。戦場に女が行くなど考えられなかった時代、八重たちは果敢に行動を起こす…。この2年不作の続いた大河が綾瀬はるかで盛り返せるか?まだ耳にはしていないが、『ならぬことはならぬもの』という綾瀬はるかのセリフ回しが聞こえてくるかのようである(既聴感)。
TBS日9 1/13~ 『とんび』 内野聖陽、常盤貴子、佐藤健、吹石一恵、加藤貴子、野村宏伸、麻生祐未、柄本明
原作は直木賞作家・重松清のベストセラー『とんび』。どうしようもない男が、どうしようもなく息子を愛したという究極の家族愛が描かれる。妻を失い、不器用ながらも男手ひとつで愛する息子を育てる父親役に内野聖陽。妻役に常盤貴子、息子役に佐藤健。主人公の市川安男・通称ヤス(内野聖陽)は学歴もなく、不器用で、カッとなればすぐに手が出る『バカ』だったが、『バカ』は『バカ』でも究極の『親バカ』だった。両親のいない中で育ったヤスは、”親”というものを知らなかったが、妻・美佐子(常盤貴子)と共に愛情を持って息子・旭(アキラ)の成長を見守る幸せな日々を過ごしていたが、アキラが3歳の時に、悲劇が突然襲い掛かる。不慮の事故で妻を失ってしまったのだ。後悔と悲しみにくれるヤスだったが、愛する息子を育てるために立ち直り、ない知恵を絞り、悩み、戸惑いながらも、仲間たちにも助けられ、アキラを真っ直ぐに育てていく。このアキラの16才からを佐藤健が演じる。これら親子をとりまく共演者には、吹石一恵・加藤貴子・野村宏伸・麻生祐未・柄本明らが揃う。内野と佐藤の熱い演技で胸が熱くなるようなシーンが展開されるのか?できれば日曜日以外の曜日に持ってきてほしかったドラマである。
フジ日9 1/13~ 『dinner』 江口洋介、倉科カナ、松重豊、野波麻帆、志賀廣太郎、柴本幸、池津祥子、八嶋智人、ユースケ・サンタマリア
有名イタリアンレストランで働く人間が抱える悩みや葛藤を描く群像劇。今回江口洋介が主演を務めるのは、超一流天才シェフでありながら、愛だの、伝統だのそんなものは料理を作る上では一切必要ないと考える究極の合理主義者・江崎究。そして、ヒロインとなる倉科カナが演じるのは、有名イタリアンレストラン「ロッカビアンカ」の支配人・辰巳沙織。まっすぐでひたむきな性格の持ち主で、世界的に有名な料理人でありオーナーシェフの一人娘。その他、このレストランで働く面々に、松重豊、野波麻帆、志賀廣太郎、柴本幸、池津祥子、八嶋智人、ユースケ・サンタマリアが配される。江崎究は、腕は確かだが、その人柄に問題を抱えている。料理オタクであり、料理に関しては妥協を知らないため、周りの人間はその事で迷惑を被る事も多々ある。料理人である彼にとって大切なことは『素材×調理方法=味』であり、それ以上でも以下でもないと確信している。そこには人間関係や愛情、伝統といった実体のないものは一切必要ないと江崎は考えていた。そんな彼がある有名イタリアンレストランの料理長として迎えられる。このイタリアンレストランを舞台に、そこに働く人たちが日々疑問を感じながら、悩みと葛藤しつつ、夢を追い続け、働く喜びや誇りを掲げながらも生きていく。このイントロダクションでは何を描きたいのかさっぱりだが、キャストも地味で、いずれにしろあまり視聴率は期待できそうにない。
以上が来クールのラインナップだが、この中では
瑛太主演の結婚・離婚ドラマが一番視聴率をとりそうか?
とはいえ、とにかく全体に地味なドラマが多い。
来年2013年も
テレビ業界には非常に厳しい一年となりそうである。
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