1月29日に日本人十両力士が大麻所持で逮捕されたニュースを
聞いた時、
ああ、これであの新しい武蔵川理事長も更迭か、と正直思った。
ところが、あの理事長はその日の記者会見で、
「厳しくやっていたんですよ。そのことはわかってくださいよ」
などと、のたまわっていた。
これを聞いて、「こりゃ、ダメだわ」と思った(ブタの湖と変わりなし)。
次の日には、再発防止委員会のメンバーであるあの漫画家が
偉そうに憤りをぶちまけていた。
仮にも「再発」防止委員会と立派に銘打った委員会の
メンバーとしては
実際に「再発」が起こったことに対して、反省こそすれ、
当人を高い立場から批判することはできないはずだ。
MrK としては、若麒麟に厳しい処罰を望むものではない。
解雇処分で妥当であったと思う。
しかしもっと指弾されるべきは、やはり協会の責任であったろうと
考えるのである。
今回の大麻問題は恐らくこのまま幕引きになると思われる。
最後には相撲の伝統、格式が強調され、とかげの尻尾切りが
行われて終わるいつものパターンだ。
MrK にとっては相撲の伝統、格式なんてちゃんちゃら
おかしいと思っているのだが。
a
ところで、今回の事件、米国にはどう伝えられているのだろうか?
ちょっと読んでみることに。
All the buzz: Pot scandal jolts Japan's sumo world
(大騒動:大麻事件、日本の角界に衝撃)
2009年1月25日、日曜日、東京の初場所で、対戦相手の玉鷲に押し出され土俵を割る若麒麟。日本人力士、若麒麟、本名鈴川真一(25才)は2009年1月29日、金曜日、大麻所持で逮捕された。拡大する薬物事件にかかわった4人目の日本の伝統的スポーツ力士となる。
太鼓腹 (pot bellies) を持った相撲力士…ピンポーン、正解!
それでは pot (大麻)を持った関取、これって、正解????
今、その取り扱いが一層むずかしくなっている。
過去6ヶ月の間に4人の力士が大麻吸引の疑いでこの伝統的なスポーツ界から解雇され、日本において、これまでで最も重大なスポーツ界の薬物事件となっている。
これまで角界から追放された3人の力士はロシア出身だったが、若麒麟という四股名の25才の日本人の力士が大麻所持の容疑で先週逮捕されたことは、これまでに考えられてきた以上に大麻の使用が広く蔓延しているのではないかとの懸念を生じた。
日本では、相撲力士たちは、野球やテニスの選手達とは違うアスリートとしての見方をされる。アメリカ水泳界のスター、Michael Phelps がマリファナのパイプを持って写っていた写真は、ここ米国でも広くメディアに取り上げられたが、相撲の不祥事の仰天ぶりとは比べものにならない。
最近ドーピングテストを取り入れたばかりの角界における不祥事の傷口は、いまだに比較的薬物汚染のなかった日本の環境の崩壊により、一層悪化した。特に、マリファナの使用は、その所有で5年の懲役刑以上という厳しい罰則にもかかわらず急速に増加してきている。
「彼の全くの愚考には愕然とさせられる」、日本の主要な新聞である朝日は憤りに満ちた論説を掲載し、「若者たちは軽い気持ちで大麻を試す。かなり若い年代からこの薬物の危険について教育することが重要である」
しかし、単に薬物問題であるという以上に、この事件が、世界で最も歴史があり、伝統に縛られ、また宗教的な清めの儀式に強く根付いたスポーツ界を巻き込んだという事実によって増幅されている。
相撲力士たちは徒弟制度の伝統的スタイルの生活を送ることになる。彼らはちょんまげを結い、いまだに“師匠”と呼ばれている彼らの親方の言葉は絶対であり、これに逆らうことはできない。
相撲の熱烈なファンは、ハワイ出身のかつての横綱、武蔵丸も午後10時が門限だったと言って楽しんでいる。
しかし、それは変わりつつある。
この不祥事の渦中にある力士のけいこ部屋では、新しい、かなり若い、部屋の親方が仕切っていて、そこでの規律も昔そうであったようなものとは異なっていた。
「ごく最近の例では、通常の関係はすでに見られませんでした」と、放送局NHKの相撲解説者、David Shapiro は言う。「部屋の親方たちは通常は父親代わりなのですが、今や彼らは義理の父親代わりになっているのです。ただし、このようなことが起こっていない部屋も確かにあります」
しかし、相撲の清らかさを汚すことは、日本そのものの心を汚すことであると信ずる日本人は多い。
このプロのスポーツを監督する立場にある日本相撲協会は批判を和らげるために素早く動き、今週、若麒麟、本名鈴川真一を解雇することを投票で決めた。
多くの日本人はこの決定すらあまりに軽いとみている。角界からの除名というさらに厳しい処罰と異なり、解雇では若麒麟が退職金を受け取る余地が残されるのだが、共同通信社によれば、彼は受け取らない選択をしたという。
「今回のケースでは処分は手ぬるいと言わざるをえない。これはまったく恥ずべき事なのですから」と、塩谷立文部科学大臣は言う。
ロシア人力士若ノ鵬が大麻所持の容疑で警察に逮捕された後、相撲協会は9月に臨時の薬物検査を開始した。結果、同じくロシア出身の露鵬とその弟白露山の二人の力士が陽性となり、協会を解雇された。
3人はすべて幕内力士であり、角界のみならず日本中で有名だった。
若麒麟の逮捕に伴い、協会は大麻や覚醒剤に対するドーピング検査をさらに強化する方針を打ち出した。なお、大麻は運動能力向上薬とは考えられていない。
若麒麟は雑誌で読んだり、ヒップホップ・クラブで人が吸っているのを見て、大麻に興味を持つようになったと報じられている。
相撲コラムニストでブロガーの Mark Buckton は、この不祥事はまさに起こるべくして起こったものと考えていると言う。
「これら男性の多くは若く独身なので、行き過ぎてしまうこともあるでしょう。しかし、それが相撲界の規律の破綻であると言ってしまうのは事実ではありません。角界には700人の男たちがいて、その大多数は大麻を吸わないのですから」と彼は言う。
相撲では、競技者は相手を輪の外に押し出したり、足の裏以外の相手の体のどの部分でも土をつけることを競うのである。大部分が20才代であり、550ポンドまで体重を増やした力士たちは、毎年、15日間のトーナメントを6回戦う。
日本の国技としての格式を持つ相撲であるが、近年、いくつかの不祥事に見舞われてきた。絶えることのない八百長疑惑、2年前の若い力士のしごきによる死亡、朝青龍という四股名で戦う激しいモンゴル人横綱のふざけた行動などなど。
朝青龍はモンゴルに帰国するために巡業をさぼった罰で3場所休場させられた。
彼はケガをしていたと主張したが、故郷でサッカーの試合に元気よく出場していたのを目撃されていたのだ。さらに先月、朝青龍がついこの前の場所で優勝を決めたが、優勝時自己賞賛のガッツポーズをしたことで相撲協会から警告を受けた。相撲では、神聖な場所と考えられている輪(土俵)の中で感情を表現することは良しとされていないのである。
大麻(マリファナ)の身体に及ぼす悪影響はそれほど大きくないという。
しかし気軽なゆえに、大麻が麻薬の登竜門となり、
そこから麻薬の深みにはまってゆく可能性が高いと考えられている。
それゆえ、昨今の、大麻での逮捕者の急増は憂慮されるべきである。
角界であろうと何であろうと、大麻に手を出したものへの処分は
厳しくあるべきだろう。
そんな中 MrK が納得できないのは、
大麻で捕まったことのある芸能人が数多く何事もなかったかのように
現役でテレビに登場し続けていることだ。
中には、むしろ勲章のように思っているタレントもいるのではないか?
そういう風潮を許しておくことが、
大麻の蔓延につながってはいないだろうか?
芸能人に対しても厳しい処断を希望するところである。