アウトサイドに上げるつもりで、クラブヘッドを
まっすぐ後ろへ引き打ちますと、急に球が飛ぶよ
うになりました。ヘッドがボールへまっすぐ当た
りはじめたのでしょう。もちろん乾いた音が出る
ようになりました。歳のせいか、半ば諦めかかっ
ていた飛距離が、もとに戻りました。ひとクラブ
違うんですもん。
1番ホールのティーショットは、特に気をつけて
後ろへ引きました。それが効を奏し、球は予定の
場所のさらに先へ落ちました。
2打目をグリーン脇へ、3打目はパターで練習通
りのピン傍40cm。4打目でカップイン。ほな
さんには滅多とない1番ホールの完璧パーです。
続く2番も4打のパー。K藤さんを除く全員がパ
ーをとりました。
「みなパー以上とは、はじめてだ。」
とグリーンを後にした時、誰かが言いました。
K藤さんはロングパットを1打で沈め、3打で上
がったのです。
3番ホールの打ちおろしは4打のボギー。
4番ホールの打ち上げも4打のボギー。
今日はほなさんのスコアカードに「4」という数
字が並んでいます。そしてそれは6番ホールまで
そうでした。
本来、この中で一番上手いと目されていた芝Tさ
んは、K藤・M木の女性コンビの勢いに押され、
パットがもうひとつ冴えません。見た目はカワイ
イかっこうをしていても、おばちゃんパワーフル
スロットルでは勝負になりません。中でもK藤さ
んには強さがありました。
もうひとりの男性、S原さんは独りわが道を行く
と渋くダンディーを決め、自分のプレーに没頭し
ていました。
さて折り返しの7番ホール(250mパー4)。ここ
までショートホールの連続なので、はや半分以上終
わったことに感慨を覚える閑もありません。12ホ
ールだけのパブリックのシニア杯は、100m競争に
近いものがあります。
この中盤をパーで切り抜けることができたら自己最
高も夢ではない。ハンデを生かして3位以内も。
心の中のほなさん1号は、
「クソ見とれよ、この前のビリの屈辱を晴らさず
してどうなるものか!!!!」
(試合が終わるまでビリだと思わなかったが、よく
考えてみるとビリと確信。涙の夜が続いていた。)
ほなさん2号は、
「ほんなこと言うたって、終わってみな分かるかい。
まっ、ドライバーの出来しだいやな。」
1号2号のボケとツッコミの中、7番のティーグラ
ンドへ。
オナーのS芝さんは、フェアウエイのやや右へ。次は
ほなさんです。
風は強めのアゲンスト。
ほなさんは、ちゃめ女史に編んでもらった真っ赤の
カバーを静かに外し、腰ベルトの後側に差込みまし
た。今日の1番ウッドはきらりと光るものを見せて
いました。
「行くぞ大五郎、亡者どものいる賽の河原を突っ切
るぞえい!」
ひとり、ほなさんは呟いたのでありました。もちろん
周りに聞こえぬように、ね。
まっすぐ後ろへ引き打ちますと、急に球が飛ぶよ
うになりました。ヘッドがボールへまっすぐ当た
りはじめたのでしょう。もちろん乾いた音が出る
ようになりました。歳のせいか、半ば諦めかかっ
ていた飛距離が、もとに戻りました。ひとクラブ
違うんですもん。
1番ホールのティーショットは、特に気をつけて
後ろへ引きました。それが効を奏し、球は予定の
場所のさらに先へ落ちました。
2打目をグリーン脇へ、3打目はパターで練習通
りのピン傍40cm。4打目でカップイン。ほな
さんには滅多とない1番ホールの完璧パーです。
続く2番も4打のパー。K藤さんを除く全員がパ
ーをとりました。
「みなパー以上とは、はじめてだ。」
とグリーンを後にした時、誰かが言いました。
K藤さんはロングパットを1打で沈め、3打で上
がったのです。
3番ホールの打ちおろしは4打のボギー。
4番ホールの打ち上げも4打のボギー。
今日はほなさんのスコアカードに「4」という数
字が並んでいます。そしてそれは6番ホールまで
そうでした。
本来、この中で一番上手いと目されていた芝Tさ
んは、K藤・M木の女性コンビの勢いに押され、
パットがもうひとつ冴えません。見た目はカワイ
イかっこうをしていても、おばちゃんパワーフル
スロットルでは勝負になりません。中でもK藤さ
んには強さがありました。
もうひとりの男性、S原さんは独りわが道を行く
と渋くダンディーを決め、自分のプレーに没頭し
ていました。
さて折り返しの7番ホール(250mパー4)。ここ
までショートホールの連続なので、はや半分以上終
わったことに感慨を覚える閑もありません。12ホ
ールだけのパブリックのシニア杯は、100m競争に
近いものがあります。
この中盤をパーで切り抜けることができたら自己最
高も夢ではない。ハンデを生かして3位以内も。
心の中のほなさん1号は、
「クソ見とれよ、この前のビリの屈辱を晴らさず
してどうなるものか!!!!」
(試合が終わるまでビリだと思わなかったが、よく
考えてみるとビリと確信。涙の夜が続いていた。)
ほなさん2号は、
「ほんなこと言うたって、終わってみな分かるかい。
まっ、ドライバーの出来しだいやな。」
1号2号のボケとツッコミの中、7番のティーグラ
ンドへ。
オナーのS芝さんは、フェアウエイのやや右へ。次は
ほなさんです。
風は強めのアゲンスト。
ほなさんは、ちゃめ女史に編んでもらった真っ赤の
カバーを静かに外し、腰ベルトの後側に差込みまし
た。今日の1番ウッドはきらりと光るものを見せて
いました。
「行くぞ大五郎、亡者どものいる賽の河原を突っ切
るぞえい!」
ひとり、ほなさんは呟いたのでありました。もちろん
周りに聞こえぬように、ね。