ほなさんの汗かき日記

かくれ肥満の解消に50歳を超えてはじめた健康徒歩ゴルフ。登場する個人名、会社名、内容はフィクションである。

シニア杯(3)「涙の夜にピリオドを打て」

2009年07月03日 | 日記
アウトサイドに上げるつもりで、クラブヘッドを
まっすぐ後ろへ引き打ちますと、急に球が飛ぶよ
うになりました。ヘッドがボールへまっすぐ当た
りはじめたのでしょう。もちろん乾いた音が出る
ようになりました。歳のせいか、半ば諦めかかっ
ていた飛距離が、もとに戻りました。ひとクラブ
違うんですもん。

1番ホールのティーショットは、特に気をつけて
後ろへ引きました。それが効を奏し、球は予定の
場所のさらに先へ落ちました。
2打目をグリーン脇へ、3打目はパターで練習通
りのピン傍40cm。4打目でカップイン。ほな
さんには滅多とない1番ホールの完璧パーです。

続く2番も4打のパー。K藤さんを除く全員がパ
ーをとりました。
「みなパー以上とは、はじめてだ。」
とグリーンを後にした時、誰かが言いました。
K藤さんはロングパットを1打で沈め、3打で上
がったのです。

3番ホールの打ちおろしは4打のボギー。
4番ホールの打ち上げも4打のボギー。
今日はほなさんのスコアカードに「4」という数
字が並んでいます。そしてそれは6番ホールまで
そうでした。

本来、この中で一番上手いと目されていた芝Tさ
んは、K藤・M木の女性コンビの勢いに押され、
パットがもうひとつ冴えません。見た目はカワイ
イかっこうをしていても、おばちゃんパワーフル
スロットルでは勝負になりません。中でもK藤さ
んには強さがありました。

もうひとりの男性、S原さんは独りわが道を行く
と渋くダンディーを決め、自分のプレーに没頭し
ていました。

さて折り返しの7番ホール(250mパー4)。ここ
までショートホールの連続なので、はや半分以上終
わったことに感慨を覚える閑もありません。12ホ
ールだけのパブリックのシニア杯は、100m競争に
近いものがあります。
この中盤をパーで切り抜けることができたら自己最
高も夢ではない。ハンデを生かして3位以内も。

心の中のほなさん1号は、
「クソ見とれよ、この前のビリの屈辱を晴らさず
してどうなるものか!!!!」
(試合が終わるまでビリだと思わなかったが、よく
考えてみるとビリと確信。涙の夜が続いていた。)
ほなさん2号は、
「ほんなこと言うたって、終わってみな分かるかい。
まっ、ドライバーの出来しだいやな。」
1号2号のボケとツッコミの中、7番のティーグラ
ンドへ。

オナーのS芝さんは、フェアウエイのやや右へ。次は
ほなさんです。
風は強めのアゲンスト。
ほなさんは、ちゃめ女史に編んでもらった真っ赤の
カバーを静かに外し、腰ベルトの後側に差込みまし
た。今日の1番ウッドはきらりと光るものを見せて
いました。
「行くぞ大五郎、亡者どものいる賽の河原を突っ切
 るぞえい!」
ひとり、ほなさんは呟いたのでありました。もちろん
周りに聞こえぬように、ね。

シニア杯(2)秘打「白鳥の湖」

2009年07月03日 | 日記
7番アイアンで打ったティーショットは、うま
く当たりました。きれいに当たると音が違いま
す。ほなさんのクラブでは、細い木が折れるよ
うな乾いた音がベストショットです。
まっすぐ後ろにヘッドを引くことだけを考えて
打ちました。

クラブヘッドは体を軸に弧を描きますから、丸
山茂樹さん曰く「インサイド->アウト->イン」
が正しい軌道であるのに、ほなさんのそれは、
「インサイド->アウト」なんだそうです。
こう指摘してくれたのは、「さ○か」さんです。

「さ○か」さんはあと数ヶ月で70歳の、小柄な
方です。パブリックのハンデが「1,5」という、と
てもゴルフの上手い爺さん(尊敬こめて)です。
教え魔ではなく、とても遠慮がちに
「ゴルフは楽しいのが一番」
といい、コースに落ちているタバコの吸殻を拾い
ながらクラブを振っていきます。
「私も意地汚くタバコ吸うからな、ちょっとでも
お手伝いできたら、、」というボランティア精神
あふれた人柄は、心底リスペクトしてます。

一日中、吸殻拾いのゴルフなので、こちらもマネ
して吸殻拾いをしていると、ヘタな私はボールを
忘れたりして、とてもゴルフになりません。それ
で吸殻拾いは諦めました。

その「さ○か」さんが、ほなさんのスイングを
評して、とても遠慮がちに「インサイド->アウト
」になっている。それも相当インサイドに引く癖
があると指摘してくれたのです。
野球漫画「ドカベン」の重要なキャラクター殿
間が見せる、秘打「白鳥の湖」の打法になってい
るだろう、ピンとくるものがありました。

それも無理はありません。かつてコーチが教えて
くれた時に、
「コマをイメージして」
と言われ、去年みた雑誌には、若い美人ゴルファ
ーが、かわいい顔で同じようなことを言ってまし
たから、なおさらそうなっていったんだと思いま
す。