「命短し 甘えよ ポロくん」
ポロは、我が家に来て9年になるスーパー駄犬である。
飼い主の不注意で、蚊が媒介するヒラリアになってしまった。
最近は10日に一度の割で、腹水を抜かなければいけない。
正月明けの明日は、病院に連れて行かなければいけない。
今夜は大きなお腹をして、苦しそうである。飛び上がることが苦手になる。
骨と皮だけになるくらい痩せているので、寒さがこたえるであろうと心配し、
台所にマットを敷き、その上に寝そべっている。いずれは外の小屋に連れて行く。
気温は低くしてあるがストーブが燃えているので、寒さは感じないであろう。
家族がそれぞれの仕事をし始めると、気持ち良さそうにウトウトする。
この幸福な時間がいつまで続くのか?
穏やかな時間は、残り少ないということを感じていないであろう。
それを悲しんだり苦しんだりする能力は、与えられていない。
それはポロにとって、幸福なことである。