魚を狙う泥棒猫を想像する。
当節では、狙わなくてもニャーと声を出せば与えられる。それほど日本は、豊かになった。
人間に悟られないように、ゆっくりと静かに背後から近付き、
これぞと思う時に素早く魚を掠めて逃げ去るのが、猫の手腕であった。
「猫」の替わりに、「運命・死神」を当てはめると、一瞬のうちに命を掠め取って行く。
パソコンで「、「元にかえす」ボタンがあるが、実人生ではない。
Ⅰ分でも10秒でも、元にかえすことが出来るのなら、どんなにラッキーであろう。
一瞬のうちに天地がひっくり返るのが人生である。
周囲で起きる出来事から、「泥棒猫の仕業」と心の中でつぶやくことが多い。
今も自分の背後に、虎視眈々と狙っているモノがいるかも知らないが、
どのように良い目を持っていても、観ることは出来ない。
ひょっとすると、研ぎ澄まされた心の目は、運命を観ることが出来るかもしれない。