チョット! チョット!

　Ｍさんご夫婦が、赤玉土と鹿沼土を持って来られ、
「長いことお世話になりっぱなしで、お礼に来たのよ」との事。
ブーコさんは、目を白黒させながら、口をもごもごさせる。

　三十数年前から、園芸の真似事を始めたブーコさんは、
ベゴニアと菊とバラを鉢植えにして、花を楽しんでいる。
ベゴニアは挿し芽が簡単に出来るので、殺すのは可哀相と思い、
育ててくれそうな人に押し付けている。
Ｍさんもその一人。いわば犠牲者である。
「花作りの楽しさを教えてくれたのは貴女なの。
おかげで楽しい人生だった。有難う」と言われる。
ブーコさんは、ブラックホールに消えたいくらい恥ずかしい！

　Ｍさんは、公民館の”菊の育て方講習会”に参加したり、
園芸店に行ったりと熱心に勉強し、家の周囲を花で飾っている。

　ブーコさんの我が儘が、人を育て感謝される事もあるのだ。
しかし、逆の場合もあると思う。”小さな親切、大きなお世話”