通でがんす

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(旧ブログタイトル:通じゃのう)

「王朝の名筆」で公開されている、藤原佐理の書状は?

2010年09月12日 | 広島の話題

【問題】
9月11日(土)から、「王朝の名筆」がふくやま美術館で開催されています。
今回、三蹟(さんせき) の一人、藤原佐理(ふじわらのすけまさ)の書状が半世紀ぶりに公開されていますが、この書状は次のう ちどれでしょうか?

1.恩命帖(おんめいじょう)
2.詩懐紙(しかいし)
3.頭弁帖(とうのべんじょう)
4.離洛帖(りらくじょう)









【正解】
3.頭弁帖




【解説】
企画展「王朝の名筆」(ふくやま芸術文化振興財団、福山市教委主催、中国新聞備後本社など後援)が1 1日、ふくやま美術館で始まった。
三蹟の一人の藤原佐理がしたためた書状「頭弁帖」は半世紀ぶりの公開とあって、大勢の書の愛好家たちが駆け付けていた。

頭弁帖は、縦31・1センチ、横48・7センチ。
6点しか確認されていない佐理の真筆(しんぴつ。その人が本当に書いた字)の一つ。
6月に亡くなった書家栗原蘆水(ろすい)さんが、古里の同市の書道美術館に寄託した。

(「頭弁帖など三蹟の書が一堂に」中国新聞 2010年9月12日)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201009120024.html



「王朝の名筆」は9月26日(日)まで、ふくやま美術館で開催されとります。
観覧料は一般500円で、 ふくやま書道美術館との共通券が550円。
高校生以下は無料。
作品解説会が9月23日(木、祝)の14時から行われるそうじゃ。

おおっと、9月13日(月)、21日(火)は休館日なのでご注意を。


↓ふくやま美術館について、くわしくはこちら↓

ふくやま美術館公式ホームページ
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/fukuyama-museum/



今日は、「三蹟」「展示作品一覧」「関連企画」について調べてみようかの。



まずは、三蹟について。

三蹟とは、小野道風(おののみちかぜ)、藤原佐理、藤原行成(ふじわらのゆきなり)の3人の書道の名人のことをいうそうじゃ。
いずれも平安時代に活躍され、和様書道を大成された方々じゃ。


小野道風(894年~967年)は、人によっては花札の「柳に小野道風」の方が有名じゃないんかの。

道風はあるとき、柳に飛びつこうとして何度も挑戦しているカエルを見て、そのカエルをバカにした。
「いくら飛んでも、柳に飛びつけるわけはないのに」。
そこに強い風が吹き、柳がしなったので、カエルは飛びつくことができた。
「バカは自分だ。蛙は一生懸命努力をしたのに、自分はそこまでの努力をしていない」。
以後、道風は書道に専念したという。


藤原佐理(944~998年)は、「大鏡」という歴史書に、「御心ばへぞ懈怠(けたい。なまけること)し、すこしは如泥人(にょでいじん。泥のようにだらしない人)とも聞こえつべくおはせし」と書かれとるんじゃ。
要するに「なまけ者でだらしなく、思慮が足りない方」じゃったそうな。
これは書道でなく、役人としての評価らしいんじゃが。


藤原行成(972年~1028年)が、時の権力者・藤原道長(ふじわらのみちなが)から「往生要集( おうじょうようしゅう)」という仏教書を借りた。
その時、行成は道長から「原本は差し上げるので、あなたが写本したものを頂けないか」と言われたほどの腕前だったそうじゃ。
藤原道長といえば、娘3人を后(きさき。天皇の正妻)にし、「この世をば わが世とぞ思う望月の 欠けたることもなしと思えば」と詠(うた)ったことでも有名じゃのう。

余談じゃが、満月といえば中秋(ちゅうしゅう)の名月。
今年は9月22日(水)ですけぇの。



次に、展示作品一覧について。

会場には、次の26点が展示されとるそうじゃ。

1.「絹地切(きぬじきれ)」小野道風

2.重要文化財「新楽府断簡(しんがふだんかん)「陰山道」」伝 小野道風

3.重要文化財「新楽府断簡「澗底松(かんていのまつ)」」伝 小野道風

4.重要文化財「新楽府断簡「蛮子朝」」伝 藤原佐理

5.重要文化財「新楽府断簡「■宮高」」伝 藤原行成
  (■は馬へんに、右が麗という字)

6.「臨国申文帖(くにのもうしぶみじょう)」近衛家熙(このえ いえひろ)

7.「臨離洛帖」近衛家熙

8.「頭弁帖」藤原佐理

9.重要文化財「書状」藤原行成

10.「寸松庵色紙(すんしょうあんしきし)」伝 紀貫之(きのつらゆき)

11.「継色紙(つぎしきし)」伝 小野道風

12.「升色紙(ますしきし)」伝 藤原行成

13.「本阿弥切(ほんあみぎれ)」伝 小野道風

14.「本阿弥切」伝 小野道風

15.「八幡切(やわたぎれ)」伝 小野道風

16.「紙撚切(こよりぎれ)」伝 藤原佐理

17.「関戸本古今和歌集切(せきどぼんこきんわかしゅうぎれ)」伝 藤原行成

18.「久松切」伝 藤原行成

19.国宝「倭漢抄(わかんしょう)下巻」伝 藤原行成

20.「安宅切」伝 藤原行成

21.「京極関白集切」伝 源俊頼(みなもとのとしより)

22.「古今和歌集巻第十三残簡」伝 源俊頼

23.重要文化財「六条齋院歌合断簡(二条切)」伝 藤原俊忠(ふじわらのとしただ)

24.「今城切」伝 飛鳥井雅経(あすかい まさつね)

25.重要文化財「菊歌合序(十巻本)」伝 宗尊親王(むねたかしんのう)

26.重要文化財「手鑑(月台)」



最後に、関連企画について。

ふくやま書道美術館では、「王朝の名筆」の同時開催企画として「奈良から江戸へ-所蔵の名品より-」 が、26日(日)まで開催されとります。
奈良・平安時代の古写経、手鑑、古筆切をはじめとした江戸時代までの名品を紹介されとるそうじゃ。
観覧料は一般150円、高校生以下無料。


主な作品は、以下のとおり。

「手鑑「あし邊」」伝 聖武天皇(しょうむてんのう)、光明皇后(こうみょうこうごう) 他

「古写経断簡」

「林葉和歌集切」伝 西行(さいぎょう)

「記録切」藤原定家(ふじわらのさだいえ)

「香具屋切」後醍醐天皇(ごだいごてんのう)

「墨蹟」一休宗純(いっきゅう そうじゅん)

「詩歌手鑑」近衞信尹(このえ のぶただ)

「書状」本阿弥光悦(ほんあみ こうえつ)

「歌かるた」烏丸光広(からすまる みつひろ)

「撥草」沢庵宗彰(たくあん そうほう)

「消息幅」小堀遠州(こぼり えんしゅう)


「ふくやま美術館」と「ふくやま書道美術館」は場所が違いますけぇ、注意してくださいのう。

ふくやま美術館の住所は、福山市西町2丁目4番3号(JR福山駅より北側)

ふくやま書道美術館の住所は、福山市西町1丁目1-1 福山ロッツ8階(JR福山駅より南側)



↓頭弁帖についての関連記事は、こちら↓

「頭弁帖」を書いた、三蹟の1人は誰?
http://blog.goo.ne.jp/hiroshima-2/d/20100104

ふくやま書道美術館で企画展が始まった、福山市出身の書家は?
http://blog.goo.ne.jp/hiroshima-2/d/20100716



↓ふくやま美術館についての関連記事は、こちら↓

「長くつ下のピッピ」の作者は?
http://blog.goo.ne.jp/hiroshima-2/d/20100913



今日は、「三蹟」「展示作品一覧」「関連企画」について勉強をさせてもらいました。
今日もひとつ勉強になったでがんす。



ほいじゃあ、またの。

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