或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

続・内田光子

2005-07-20 06:35:39 | 210 クラシック
毎週配信されるメルマガで最近目が止まったのが、「週間nikkeibp.jp」<クラシック再発見>というコラム。筆者は加藤浩子という慶応大講師の音楽評論家。「ヒロコの憩いの家」という自身のサイトもあります。

今回は私の好きなピアニスト、内田光子の話。面白い個所がいくつかあったので紹介します。彼女については前回記事を参考に。

「とにかくピアノを弾くことが、好きで好きでたまらない。1000回生まれ変わったら、999回はピアニストになりたい。」、「口紅1本持っていません。そんな時間がもったいないから。」、「私は偉くはなりたくないの。人間て偉くなるとゴミがついちゃう人が多いんです。私はこれからも、学生にちょっと毛が生えたくらいの感じで一生暮らしていきたい、と思っています。」、「音楽とは、美しい何かを人と分かち合うものです。」

特に共感したのが、“学生にちょっと毛が生えたくらいの感じで一生暮らしていきたい”っていうところ。なんか分かるなあ。だけど口紅ぐらいは持ってもいいかも。そういう楽しみもありだから。それは置いといて、深いと思ったのは次の話。

インタビューの最後に、彼女の亡父の思い出話があった。亡くなる1年ほど前に来てくれ、それが自分を聴いた最後になったという演奏会のことである。「演奏会が終わって、帰りのタクシーのなかで、母に父は言ったそうです。『何であの人が我々の娘なんだろう』って」。

その内田光子が新ウィーン楽派の曲を集めたアルバムを紹介しておきます。ちょっとマニア向け。写真は最近船の上から撮った瀬戸内海の夕暮れ。シェーンベルクのイメージを狙ってみました。(笑)

シェーンベルク :ピアノ協奏曲 作品42シェーンベルク :ピアノ協奏曲 作品42