きわめて日本的な

　相撲の日馬富士問題は、結局彼の引退で大きな一区切りがつくことになりました。今後は法的に粛々と進んでいくことになるのでしょう。彼が引退しても、貴側がどうしても示談に応じないなら書類送検へ進んでいくことになりますが、事件としては騒いだほどには大きなものにはなりようもない。貴乃花側の情報小出し作戦で大々的な報道が延々続く事態となってしまった為に、もう引退しか騒動を鎮める手立ては無いのでしょうが残念です。もう実際の事件以上のバカ騒ぎは止めてほしいものだ。

　しかし、記事に書かれているモンゴル力士たちの揉めた原因である｢先輩後輩｣｢地位への敬意｣の欠如や、事件の端緒が注意している最中にスマホを見だしたのに切れたこと、そして貴乃花擁護をするような記事に書かれている何の証拠も無い八百長を強要したのではないかという話とか極めて日本的…というか日本人そのものではないだろうか。

　むしろ、貴乃花部屋まで謝罪に訪れた伊勢ケ浜親方と横綱の目の前で車を発進させた貴乃花の無礼の方が、いわゆる日本人的ではないと思う。こういう親方だから、貴ノ岩の無礼も限度を超えていたのだろうことは容易に想像できるだろう。

　モンゴル人だから悪いんだみたいな言い方をする人も多いが、むしろ日本の相撲という文化に積極的に順応しようとしてきた彼らだからこそ、こうなってしまったような気がします。モンゴル人だからダメで、日本人同士なら一緒に飲んでもいいのかとか、問題は根深い。

　相撲人気が戻ってきたのには、彼らモンゴル人力士たちが技で巨漢外国人力士たちを超えていくことによって土俵際の攻防が戻ってきたことが大きかったと思う。品格の問題にしても、問題が大きく報道されるから叩かれるだけで、むしろ彼らがその品格を守ってきた部分があることが驚くほど取り上げられていないのには怒りすら憶える。この問題は問題として、そろそろきちんとした評価はするべきなのではないでしょうか。