『藤子・F・不二雄大全集』公式サイトリニューアル

『藤子・F・不二雄大全集』公式サイト


 雑誌広告やチラシで情報が出回りはじめて、そろそろ頃合いだろうと思っていたが、ようやく『藤子・F・不二雄大全集』の公式サイトがリニューサルされて、第1期詳細や7・8月刊行本の収録内容が公開された。
 刊行開始まであと2ヶ月ちょっとだが、ここ一週間くらいで全集の詳細が明らかになって行くにつれて、この全集にかける小学館と藤子プロの本気が伝わってきて興奮せずにはいられない。「タイムワープリール」を使って7月24日に飛んでいきたい気分だ。


 F作品には学年誌や週刊少年サンデーなど複数の雑誌で同時連載していた作品が多いので、どのように収録するのかに注目していたが、『パーマン』『オバQ』は掲載誌別にまとめて、まずは週刊少年サンデー掲載分から刊行すると言う事で、納得。
 面白いと思ったのは、『ドラえもん』の「学年繰り上がり収録」で、なるほどこれなら巻ごとに掲載誌や発表年代が偏らないのでバランスがいいし、「完全収録」に最もふさわしい収録方法だと思う。「小学一年生」4月号から「小学六年生」3月号まで通して読めるように一冊に収録するのだから、これだけ分厚いのも頷ける。私自身、リアルタイムで学年誌を読んでいたので、自分の年代の巻を読むのが楽しみだ。
 もっとも、収録予定を見ると第1巻は1960年度生まれ(連載3回で終了した、ある意味レアな体験をした世代)・1961年度生まれ・1962年度生まれ向け、第2巻は1963年度生まれ向けとなるので、私の年代はまだまだ先で、刊行は2期以降になるのだろうけど。

 そして、ドラは全作品収録なので、当然「ガチャ子」の登場する「ロボットのガチャ子」も連載順で第2巻にしっかり収録される。「ガチャ子」登場の残り4話は1970年の「小学一年生」に掲載されたので、1964年度生まれ対象の第3巻に入る事になるのだろう。
 「全集」だから当たり前だと言われればそれまでだが、F先生ご自身が「失敗キャラ」と判断して単行本に一切収録されなかったガチャ子の話までがA5判で鮮やかに甦るなんて数ヶ月前までは全く思いもしなかった事で、大全集で「クルパーでんぱ」を読むのが今から楽しみだ。

 ガチャ子の話に限らず、『ドラえもん』は全話読みたくて各地の図書館で初出誌のコピーを集めていた。今後は誰でも正式な出版物として全話読めるようになるが、だからと言ってコピーが無駄になったとは思わない。むしろ、今までコピーでしか読めなかった話がきれいな印刷で読めるのだから全集収録は大歓迎だ。「ドラちゃんのおへや」で公開している「未収録作品リスト」も、全集完結の暁には不要となるだろう。これも、喜ばしい事だ。
 さらに自分のサイトの話をするなら、全集刊行で『ドラえもん』に限らず藤子・F・不二雄作品を取り巻く環境は大きく変わるだろうから、サイトのコンテンツで手を加えるべき部分が多々生じるだろう。どのように対応するかは実際に全集が出てから考えるが、少なくともいい方向への変化である事は間違いない。とりあえず、単行本リストは大幅なリニューアルが必要だろう。


 ドラ以外では、この前もちょっと書いたが、『パーマン』の収録内容がどうなるかが気になる。
 第1巻では、まずは第1話「パーマン誕生」に注目したい。本来、「パーマン」の由来は「スーパーマンに及ばないから(「スー」を取って)パーマン」だった。それが、シンエイ版アニメ開始に伴い「スーパーマン」が「バードマン」に変更されて、「パーマン」の由来説明も「バードマンには及ばないので、これをパーマンと呼ぶ」と、意味の通らないセリフに改変されてしまった。ここは、できれば「スーパーマン」に直して旧作は全て旧設定で収録して欲しい。
 それにしても、「バードマン」しか登場しないシンエイアニメ版のED「パーマンはそこにいる」では、しっかり本来の由来を歌詞に入れているのは実に不思議だ。堂々と「欠陥スーパーマン」と言えるのなら、本編でもスーパーマンのキャラはそのままでよかったのではないか。

 「パーマン」の由来はセリフの問題だが、「パーマン誕生」は初出及び各種単行本で加筆の多い話なので、バージョン違いがフォローされると嬉しい。導入部分が全く異なる虫コミックス版は、特にお願いしたい。
 バージョン違いと言えば、『パーマン』は2巻で週刊少年サンデー連載分は全て収録されるはずだが、最終話はどうなるのだろう。「スーパー星への道」として収録するのだろうか。最終話も初出・虫コミ・ホームコミックス・てんコミ・FFランドとそれぞれ加筆や改変があるので、気になるところだ。



 色々と気になる点・楽しみな点は多いが、あと2ヶ月ちょっと待てば「毎月の楽しみ」になるのだから、それまでの辛抱だ。まず、どこで全巻予約をするかを決めなくては。
 毎月本を引き取る事を考えると家から一番近い書店が手軽だろうから、月々払いがOKならそこでいいだろう。ただ、公式サイトのインターネット予約がまだ始まっていないので、そちらの詳細が分かってから、どこに申し込むかを決めようと思っている。

 それにしても、公式サイトトップのflashで色々なキャラが飛んでくるのはいいとして、20エモン夫妻やオナベ・ルナちゃんが現代の家の屋根に立っているのはシュールだ。どうして彼らをここに配置する気になったのだろう。
 その点、横の家にいるワンダユウは屋根の上が似合うキャラだ。ワンダユウと言えば、屋根の上で色々と陰謀を巡らせていた印象が強い。ただ、その横に太郎とナラ子がいるのは、やっぱり何だか変な感じだが。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 『藤子・F・... 『手塚治虫漫... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。