墓場鬼太郎 #02「夜叉 対 ドラキュラ四世」感想

・墓場鬼太郎 第2話「夜叉 対 ドラキュラ四世」
(脚本/成田良美、演出/角銅博之、作画監督/波風立流)


 今回は、「下宿屋」「あう時はいつも死人」の2話分が原作。
 このエピソードに関しては、「ゲゲゲの鬼太郎」の「おどろおどろ対吸血鬼」として知っている人が多そうだ。この「おどろおどろ対吸血鬼」は、ガロ版「鬼太郎夜話」の一部を再構成したもので、そもそもガロ版「夜話」が「墓場鬼太郎」前半エピソードのリメイクなので、話が似ているのは当然。全く同じ展開という訳ではないが。


 全体の感想としては、さすがに今回は詰め込み過ぎだったと思う。途中の展開を省略しまくっているので、話の流れに無理が出てきている。特に、社長がいきなり下宿屋に世話になる展開は強引だった。原作を知らない人でも「なんで社長がここにいるんだ?」と、違和感があったのではないだろうか。
 「下宿屋」冒頭の鬼太郎と目玉親父の生活、鬼太郎の「ガイコツ節」熱唱(?)などがカットされてしまい、実に残念だ。むじな汁を喜ぶ鬼太郎に「うれしいか」と笑う目玉親父が見たかった。第1話は展開をカットした事でむしろテンポが良くなっていたが、今回は説明不足になっているのがもったいない。できれば2話使って描いて欲しかったところだ。
 また、作画は相変わらず高レベルを保っていた。地獄の描写も第1話同様にいいムードだ。鬼太郎の表情も上手く描かれており、絵に関しては文句はない。


 さて、今回のポイントと言えば、やはりねずみ男の登場だろう。
 原作の流れよりも先に鬼太郎・目玉親父と出会う展開になっていたが、元祖「鬼太郎」トリオが復活したかけあいは、聴いていて楽しかった。EDの「声の出演」で、またこの三人の名前が並んでいたのが嬉しい。それにしても、アニメの鬼太郎や目玉親父がねずみ男に丁寧語で話したのは初めてではないだろうか。しかも、鬼太郎の声は野沢さんなので、非常に新鮮な感じだった。
 ねずみ男の演技は「ゲゲゲ」第1作・第2作と比べると、やや重い印象の声。昨年の「鬼太郎が見た戦争」でのねずみ男は「ゲゲゲ」第1作・第2作と変わらなかったので、今回はあえて「ゲゲゲ」よりも重い感じにしているのだろう。「ゲゲゲ」でのねずみ男とは違った不気味さが出ていた。
 いきなり初対面の鬼太郎親子に放屁したり、夜叉とドラキュラ四世の戦いを屋根の上から冷静に眺めたりする場面は、本作におけるねずみ男の立ち位置がわかりやすく描かれており、上手い脚色だったと思う。

 声優関係のネタでは、「ゲゲゲ」第5作で夜叉を演じた大友龍三郎氏が、今回は夜叉と戦うドラキュラ四世役だったり、夜叉&ドラキュラ四世に狙われていた社長の声は「ゲゲゲ」第4作でおどろおどろ役だった佐藤正治氏だったりと、「ゲゲゲ」のシリーズが長く続いているだけに、声絡みでもいろいろな繋がりが見られて面白い。
 思わず、社長もおどろおどろに変身して三つどもえにならないかと期待してしまった。


 次回は、いよいよ寝子さんの登場。
 予告を見ると、「地獄の散歩道」の終盤に登場した「物の怪」も出るようだが、それはいくらなんでも展開が早すぎないだろうか。おそらく、原作とは一部展開を変えてくるのだろうが、どのような話になるか期待したい
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