夕方アニメ再放送、最後の砦が

 24日に発売された月刊テレビ誌各誌で春の番組改編をチェックしたら、ショッキングな事が明らかになった。

 東海テレビでは、毎週月~金曜日の15時59分~16時30分に再放送を中心としたアニメ枠「特選アニメ劇場」を放送しており、その後はドラマ再放送枠「ヤングドラマセレクション」(16時30分~17時30分)、「FNNスーパーニュース」(17時30分~19時)と続くのだが、4月からは「FNNスーパーニュース」が16時51分からのスタートに拡大され、それに伴って「特選アニメ劇場」は金曜日15時51分~16時51分に週一回のみの放送になってしまうのだ。
 3月までの「特選アニメ劇場」は、月~水曜日が『ONE PIECE』(再放送)、木曜日が『DRAGON BALL KAI』(再放送)、金曜日が『ONE PIECE』(本放送)と言うラインナップだが、4月以降は15時51分~16時21分が作品未定(おそらく再放送)、16時21分~16時51分が「ONE PIECE」(本放送)が予定されている。
 つまり、一応はアニメ再放送枠は残るのだが週一回になってしまうので、「平日夕方帯のアニメ再放送枠」としては、東海地区から消滅してしまうことになる。1990年代半ばまでに、各局がニュース枠を拡大してアニメ再放送枠を潰してきた中で「特選アニメ劇場」だけは今に至るまで続いてきただけに、今回の改編はショックだ。

 ここからは懐古モードに入ってしまうが、私が子供だった1980年代の夕方は、在名各局の夕方は毎日アニメの再放送であふれていた。名古屋テレビはシンエイ藤子アニメを流しまくり、中京テレビは『ルパン三世』や『CITY HUNTER』がお馴染みの作品で、テレビ愛知の「まんがのくに」はテレ東作品を含めてちょっと渋めのラインナップが並ぶなど、各局それぞれの個性もあって、どれを観るかよく迷ったものだった。
 そんな夕方のアニメ再放送が、ほぼ消滅してしまうことになろうとは、20年前には全く思いもよらないことだった。今は、古いアニメを観たいのであれば地上波に頼らなくてもBSやCSがあるし、録画機器も便利になって「子供が夕方にリアルタイムで観る」ことにこだわる必要もなくなっているなど、色々と理由はあるのだろうが、昔の隆盛を知っている身からすると、実に寂しい。

 もっとも、これは関東や関西の局が辿ってきた道でもある。関東キー局&関西準キー局ではとっくの昔に平日夕方のアニメ再放送枠はなくなっている。その代わりに、関東では独立局が頑張っているので、東海地区とは事情が異なるのだが。関西にしても、サンテレビやKBS京都は朝にアニメ再放送枠を設けているので、地上波で旧作アニメに接する機会は、少なくとも東海地区よりは多いだろう。
 東海地区の場合は、平日夕方に限らなくても、4月に始まるローカル枠での旧作アニメ再放送はテレビ愛知の『ハクション大魔王』(土曜日7時~7時30分予定)くらいしかない。三重テレビの「Hero・Robotロボットインパクト」枠も『銀河漂流バイファム』終了以降に次作のアナウンスはなく、第2弾があるのかどうかまだ分からない。テレビ愛知平日17時30分~18時の枠ではいくつか再放送が行われているが、これはテレ東系全国ネットなので、ここでは触れないでおく。


 と、なんだかグチグチと辛気くさい文章になってしまったが、とにかく「特選アニメ劇場」の大幅縮小は非常に残念だ。完全になくなりはしなかったのが唯一の救いだが。今後この枠がどうなるか、注意して見守っていきたい。個人的には中途半端に止まったままの『ゲゲゲの鬼太郎』(第5作)再放送を再開して欲しいところだが、しばらくは『DRAGON BALL KAI』を続けそうだな。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )