前回、藤子・F・不二雄大全集『ジャングル黒べえ』の感想を書いたが、アニメ版の放送事情について、もう少し突っ込んで書いておきたい。
1980年代の名古屋テレビは、シンエイ藤子アニメに加えて東京ムービー制作の『新 オバケのQ太郎』『ジャングル黒べえ』も頻繁に再放送しており、おかげでアニメ版『ジャングル黒べえ』は本放送世代でなくても何度も観ることが出来たのだが、オープニングと本編はかなり強烈に記憶に残っているものの、エンディングの印象が驚くほど薄い。なぜだろうと考えてみて思い当たった。『ジャングル黒べえ』は15分枠で再放送されることが多かったのだ。17時台後半に海外アニメや実写ミニ番組と組み合わせて30分にした「子ども劇場」的な枠で放送されることが多く、東海地区で最後の放送となった1987年の再放送も、この形式だった。他に、18時から『ジャングル黒べえ』(再)、18時15分からローカルニュース、18時47分から『ドラえもん』(帯番組の遅れ放送)と続き、平日18時台は毎日ドラとジャン黒が観られると言う、今となっては夢のような編成が組まれていた時もあった。
いずれにせよ、本来30分番組のアニメが15分枠で再放送される場合、CMの量との関係から放送されるのはオープニングと本編のみで、エンディングはカットされることが多い。
当時、ジャン黒で本当にカットされていたかどうかは断言できないが、エンディングの記憶の薄さから考えてもほぼ間違いないと思う。だから、個人的にジャン黒エンディング曲の「ウラウラ・タムタム・ベッカンコ?」はフルコーラス版の印象が強く、テレビサイズ版を聴くと「無理して編集しているな」と感じてしまう。逆に、オープニングはイントロの「ウラウラウラウラベッカンコー」を繰り返さないフルコーラス版は、ちょっと物足りないのだが。
それはともかく、このように東海地区の1980年代は東京ムービー制作のカラー藤子アニメ2作品も再放送の機会に恵まれていたのだが、まず先に『新 オバケのQ太郎』が再放送されなくなった。1985年に放送が始まったシンエイ動画版『オバケのQ太郎』に取って代わられたからだ。それまで何度となく再放送されてきたのに、1985年を境に全く放送されなくなった。
次に、『ジャングル黒べえ』も姿を消した。その原因が黒人差別にかかわる回収問題(思い出すと不愉快な話題なので詳述はしない。興味のある方はご自分で調べて下さい)なのも、今やよく知られている事だろう。原作の回収に伴ってアニメ版も1988年以降は再放送されなくなったが、先ほど書いたように名古屋テレビでの最後の再放送は1987年で、これは全国的にみてもかなり遅いほうだったと思う。今さら言っても仕方がないことだが、もし1988年にあの問題が起きなければ、もう何回かは再放送されていてもおかしくなかったと思う。
このような経緯をたどって『新オバQ』と『ジャン黒』がテレビから姿を消してから、もう20年以上も経った。
両作品とも、原作は藤子・F・不二雄大全集でめでたく復活を遂げたが、アニメ版についてはまだ音沙汰がない。私だけでなく、この2作品の復活を願っている人は多いはずだ。昨今、地上波でのアニメ再放送は関東の独立局を除いてすっかり少なくなってしまったが、DVD化なり、CS等での再放送なり、まだ色々と手段はある。近いうちに、『新オバQ』や『ジャン黒』のアニメに再会できることを願って、この文を終わる。
1980年代の名古屋テレビは、シンエイ藤子アニメに加えて東京ムービー制作の『新 オバケのQ太郎』『ジャングル黒べえ』も頻繁に再放送しており、おかげでアニメ版『ジャングル黒べえ』は本放送世代でなくても何度も観ることが出来たのだが、オープニングと本編はかなり強烈に記憶に残っているものの、エンディングの印象が驚くほど薄い。なぜだろうと考えてみて思い当たった。『ジャングル黒べえ』は15分枠で再放送されることが多かったのだ。17時台後半に海外アニメや実写ミニ番組と組み合わせて30分にした「子ども劇場」的な枠で放送されることが多く、東海地区で最後の放送となった1987年の再放送も、この形式だった。他に、18時から『ジャングル黒べえ』(再)、18時15分からローカルニュース、18時47分から『ドラえもん』(帯番組の遅れ放送)と続き、平日18時台は毎日ドラとジャン黒が観られると言う、今となっては夢のような編成が組まれていた時もあった。
いずれにせよ、本来30分番組のアニメが15分枠で再放送される場合、CMの量との関係から放送されるのはオープニングと本編のみで、エンディングはカットされることが多い。
当時、ジャン黒で本当にカットされていたかどうかは断言できないが、エンディングの記憶の薄さから考えてもほぼ間違いないと思う。だから、個人的にジャン黒エンディング曲の「ウラウラ・タムタム・ベッカンコ?」はフルコーラス版の印象が強く、テレビサイズ版を聴くと「無理して編集しているな」と感じてしまう。逆に、オープニングはイントロの「ウラウラウラウラベッカンコー」を繰り返さないフルコーラス版は、ちょっと物足りないのだが。
それはともかく、このように東海地区の1980年代は東京ムービー制作のカラー藤子アニメ2作品も再放送の機会に恵まれていたのだが、まず先に『新 オバケのQ太郎』が再放送されなくなった。1985年に放送が始まったシンエイ動画版『オバケのQ太郎』に取って代わられたからだ。それまで何度となく再放送されてきたのに、1985年を境に全く放送されなくなった。
次に、『ジャングル黒べえ』も姿を消した。その原因が黒人差別にかかわる回収問題(思い出すと不愉快な話題なので詳述はしない。興味のある方はご自分で調べて下さい)なのも、今やよく知られている事だろう。原作の回収に伴ってアニメ版も1988年以降は再放送されなくなったが、先ほど書いたように名古屋テレビでの最後の再放送は1987年で、これは全国的にみてもかなり遅いほうだったと思う。今さら言っても仕方がないことだが、もし1988年にあの問題が起きなければ、もう何回かは再放送されていてもおかしくなかったと思う。
このような経緯をたどって『新オバQ』と『ジャン黒』がテレビから姿を消してから、もう20年以上も経った。
両作品とも、原作は藤子・F・不二雄大全集でめでたく復活を遂げたが、アニメ版についてはまだ音沙汰がない。私だけでなく、この2作品の復活を願っている人は多いはずだ。昨今、地上波でのアニメ再放送は関東の独立局を除いてすっかり少なくなってしまったが、DVD化なり、CS等での再放送なり、まだ色々と手段はある。近いうちに、『新オバQ』や『ジャン黒』のアニメに再会できることを願って、この文を終わる。