はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

「宇宙魔神 ダイケンゴー」放映終了

2008-12-19 02:05:33 | マンガ・アニメ
 東映チャンネルで放映されていた「宇宙魔神 ダイケンゴー」が、今週で最終回を迎えた。
 全26話を観終えてから振り返ると、地味ながら丁寧に作られた作品だった。


 以前、最初の2話分を観た時に「戦闘シーンはあまり印象に残らなかった」と書いたが、この点については全話観ても同じだった。
 毎回、ダイケンゴーと敵の獣骨メカとの戦いは描かれていたが、淡々とノルマをこなしているように見えて、特に印象的な回があまりない。強いて言えば、第24話「星魔王の挑戦」くらいか。この回は、敵のメカがそれまでの「単なる動物の骨むきだし」ではなく、隕石として飛来して、体が自由に分離可能という特殊能力を持っていたので、「一体どのようにしてこいつを倒すのだろう」と、戦闘シーンにも興味を惹かれた。

 そのような例はあるが、基本的に本作は戦闘シーンよりも人間ドラマに重きを置いた作品だったと思う。
 ライガーと両親や弟ユーガーとの家族愛、謎のサイボーグ・ブライマンとの友情、そしてライガー達が訪れる星の人々との触れ合いを通して描かれる物語は、毎回見応えがあった。
 またしても第24話を引き合いに出すが、この回はダイケンゴーと星魔王との戦いで巻き添えとなって死んだ男の娘が、ライガーを父の敵と狙う非常に重い展開であり、父を亡くした少女がライガーを理解するまでの過程が丁寧に描かれていてよかったし、多くのロボットアニメではスルーしている「町中で巨大ロボット同士が戦って、その周囲は何ともないのか」と言う問題に、あえて焦点をあてたのもユニークだった。


 また、本作では、地球もまたライガー達の立ち寄る星の一つとして描かれていた点も面白かった。
 宇宙を舞台にしたロボットアニメは他にもあるが、放送当時の「現代の地球」が、浮世離れした他の星と同じ扱いでダイケンゴーの訪問先として登場し、やはり地球人にとっては浮世離れした格好のライガーやロボレオンが戦いを繰り広げる様は、ちょっとシュールだった。

 地球は、他の星と比べると特別扱いだったようで、第7話「第三惑星異常なし」、第17話「第三惑星の友情」、第22話「危うし!第三惑星」と、三回も話の舞台になっているが、中でも三回目はロボレオンの作戦が成功しているのにわざわざ罠を仕掛けてライガーを呼び寄せており、展開がちょっと苦しいと感じた。きっとスタッフは、「地球三部作」にしたかったのだろう。
 それでも、第22話でようやく地球が銀河連盟に加入するという結末で、綺麗にまとまっていたと思う。

 それにしても、ブライマンを見ていると、どうしても「マッハGoGoGo」の覆面レーサーを連想してしまう。さすがにタツノコプロ出身者たちの作品と言うべきか。第1・2話を観た時点では、タツノコっぽさは薄いと思っていたが、全話を通して観た今となっては、タツノコ色があちこちからにじみ出ていた作品だった印象がある。
 悪役のロボレオン&バラクロスがコミカルで親しみやすくて感情移入してしまう点も、タツノコっぽいキャラクター造形と言えよう。ライガー達が「真面目ないい子」であるだけに、ついつい悪役側に肩入れしたくなってしまった事もしばしばあった。


 最終回では、悪の親玉・マゼラン大帝を倒しており、物語としては完結しているのだが、個人的にはちょっと不満の残る締め方だった。

 何と言っても、ライガーにとっては兄の仇であるロボレオンとの直接対決がなかったのが一番残念だ。ライガーとロボレオンはこれまで何度も直接戦って、いつももう一歩の所で決着が付かない形だったので、きっと最終回でライガーがロボレオンを倒すところが観られるだろうと期待していたのだ。
 しかし、実際にはロボレオンは基地の爆発に巻き込まれておしまい。それまでロボレオンを可愛がっていたバラクロスも、最後の最後でロボレオンを見捨てて逃げ出しており、どうもすっきりしない。ロボレオンの中途半端な扱いが可哀想に思えてしまった。



 このように、最終回に不満はあったが、全体としては十分に面白い作品だった。
 この作品が埋もれてしまったのは、系列局の少なかった頃のテレ朝ローカルセールス枠で放映されたせいか、それとも「ガンダム前夜」の1978年と言う微妙な時期だったせいなのか。ともかく、知名度の高さ・低さは作品の出来には関係ないとあらためて思わされた。

 来週からは、同じ時間帯で「超人戦隊バラタック」が始まる。これも観た事がないので気になる作品だ。
 東映チャンネルに加入して、もう1年になる。当初は「ビデオ戦士レザリオン」だけを観たら解約しようと思っていたのに、私にとって興味のある作品が途切れずに登場するので、なかなかやめられない。