はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

「ゲゲゲの鬼太郎」第5作 第11話「おばけ漫才」感想

2007-06-19 23:11:09 | 水木しげる
 第11話は、「白山坊」の話を非常に大胆にアレンジしていた。
 予告の時点で、原作と全然違う展開になると予想はできたが、ここまで突き抜けた展開になるとは思わなかった。


 今回は、何と言っても白山坊先生のキャラクターに尽きる。妖怪横丁で興行の不振に悩み、ねずみ男とノリノリで商談。そして、一人称は「ミー」。こんな愉快な白山坊は初めてだ。

 白山坊を演ずるのは、「元祖・ねずみ男」の大塚周夫氏。
 第4作でも大塚氏が白山坊を演じていたが、こちらは原作にも増して恐ろしい妖怪として描かれており、白い体のせいもあって「ガンバの冒険」のノロイを彷彿とさせる演技だった。そう言えば、今更だが「ガンバ」は初代鬼太郎対ねずみ男の物語だ。
 その前作から一転して、今回はひょうきんな性格で、ねずみ男との掛け合いは「Wねずみ男」という感じ。聞いていて実に楽しかった。同じ妖怪でも演技によってまるで異なる印象になるのだから、さすがは大ベテランだ。

 ストーリーも原作とは異なるが、自らの立身のために、人間が白山坊と重大な代償を支払う契約を行う点はしっかりと抑えられている。
 個人的に、原作やこれまでのアニメ版で「人間側の契約不履行」がどうしても疑問だった。白山坊の立場からすれば、しっかり願いを叶えてやったのに、蛾にされたり封印されたりするのは理不尽としか言いようがない。人間も納得の上で契約したのだから、それを尊重する形で「妖怪との契約は絶対」を前提として話が進んだのはよかったと。

 そして、今回、目玉親父もノリノリだった。「父さんはここを通さん」のあたり、実に楽しそうだ。
 最初は、ギャグがあれだけ目玉親父に受けているのだから、妖怪の感覚としては鬼太郎の方がずれていて、普通に妖怪横丁で大受けしてめでたしめでたしの展開になるのかと思っていたら、単に親父がずれていただけだと言う展開は面白かった。まあ、ただのどつき合いがそんなに妖怪に受けるのかはちょっと疑問だが。


 全編通して、ギャグ話として十分楽しめた。
 ゲストのはりけーんずの演技も、なかなかよかった。特に、前田登は「マイメロ」でレギュラー3年目だから、もうアニメの演技も手慣れたものだろう。どうしても「関西弁のバク」に聞こえてしまうのは、ちょっと困ったが。

「ゲゲゲの鬼太郎」第5作 第10話「荒ぶる神!雷獣」感想

2007-06-19 23:10:26 | 水木しげる
 ブログの更新が滞って3話分も溜まってしまったが、今のところ途切れずにリアルタイム視聴を続けている。
 4月から、日曜はすっかり9時前には起きる習慣が付いてしまった。


 さて、第10話を観てると、どうも第4作の第1話「妖怪!見上げ入道」を何度も連想してしまった。
 古来からの伝承を無視して工事を行った結果として妖怪が現れ、小学生三人組が鬼太郎に助けを求める展開はそっくりで、小学生が男2人・女1人の構成まで同じだ。この話を、本シリーズの第1話として放送しても違和感はないだろう。そう言えば、実際の第1話も水虎の封印を破った小学生が鬼太郎に助けを求める展開で、本話と似通ったところがある。
 要するに、このような展開は「ゲゲゲの鬼太郎」としてはオーソドックスなパターンだと言える。
 お馴染みの展開であるだけに、ストーリーや戦闘シーンにひねりがないと凡作になる恐れがあるが、今回はまさにその点で失敗してしまったと思う。

 前半で「雷獣は、存在を信じる物にしか見えない」と強調していたにもかかわらず、後半に大人達が雷獣の存在を信じて手伝う気になったのは「雷獣が見えたから」であり、前提と結果がまるっきり逆転してしまっている。
 それに、意味ありげにねずみ男を一端退場させたにもかかわらず、再登場させなかった点も疑問だ。きっとねずみ男は妙な道具などを用意したあげくに戦闘には遅れてしまうと言ったオチに使うのだろうと予想していたので、結局「めでたしめでたし」だけで終わって、拍子抜けした。
 同じ事は、鬼太郎と妖怪将棋を指していただけで後半出番がなかった子泣き爺にも言える。今回は仲間妖怪がいてもいなくても話に影響がないようなぞんざいな扱いで、明らかにキャラを活かせていない。
 正直、今回は駄作だったと言わざるを得ない。


 良かった点を挙げるとすれば、珍しく普通の女の子役で小林由美子の声が聴けた点くらいだろうか。また、先代子泣き爺の塩屋浩三氏が出ていたのも嬉しかった。が、それくらいしか挙げられないのはちょっと残念だ。