はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

2006年9月終了アニメ感想

2006-10-13 00:01:24 | マンガ・アニメ
 この前の連休は、東京へ行ってきた。と、書くと「エスパー魔美」のイベントに参加したと思われるかも知れないが、そうではない。8日(日曜日)のみの日帰りだったのだ。スケジュールに余裕があれば、一泊して「魔美」イベントにも行きたかったのだが、今回はその余裕はなかった。参加できなくて、実に残念だ。
 「魔美」と言えば、「夜明けより瑠璃色な」の番組中でDVD-BOXのCMが流れると聞いてチェックしたのだが、とりあえず第1話では流れなかった。代わりに(?)フロンティアワークスは「ひぐらしのなく頃に」DVDのCMを流していたが、これがテレビ愛知だけなのか全局共通なのか、気になるところだ。買う買わないにかかわらず、こんなところでも「魔美」DVDに振り回されるとは思わなかった。

 さて、10月も半分近くが過ぎてしまい今更という感もあるが、9月で終了したアニメの感想を書いておく。今期は、2クール作品が多く終了したので、半年以上付き合ったお馴染みの作品とお別れする事になり、結構寂しい。



・ブラック・ジャック21(中京テレビ・9/4終了)

 率直に感想を書いてしまうと、終わってホッとした作品だった。
 この新シリーズがスタートした当初は、前シリーズにおける原作改変(改悪と言うべきか)の多さにうんざりしていたので、いっその事オリジナルストーリーの方が原作を気にせずに楽しめるのではないかと思っていたのだが、本シリーズは「オリジナル」と言いつつ、実際には原作のエピソードをベースにした上でオリジナルの要素を付け加えて連続シリーズとして構成されていたので、結局最後まで「原作とは別物」として観る事は出来なかった。それどころか、原作のエピソードがオリジナルエピソードに埋没して、話の印象が薄くなってしまったと感じた話も多く、それが気に入った原作エピソードだった時は、特に残念に感じた。

 本シリーズでは、ブラック・ジャックの両親や本間丈太郎などのキャラクターに、原作にはないオリジナル設定が付け加えられたが、これが非常に強引で、まるで「キン肉マンII世」における初代「キン肉マン」の神格化を見ているかのようだった。「キン肉マンII世」は、あくまで作者本人によるものなので、無茶な後付があっても笑って許せるのだが、「ブラック・ジャック」のような完成された作品で、ブラック・ジャックの父のように、キャラの性格を根幹から変えるような新設定を持ち出されても「無理しているなあ」と、苦笑するしかない。
 また、シリーズの目玉だったはずの「謎の組織」を軸としたオリジナルエピソードは、私にとっては「ブラック・ジャック」である必然性が感じられず、あまり楽しめなかった。

 それでも、「えらばれたマスク」「報復」「浦島太郎」など、前シリーズでは避けていたと思われるダークなイメージの話をアニメ化した点や、原作でも謎が残ったエピソードだった「本間血腫」を話の軸び一つとした点などは、評価したい。個人的には、内海賢二の演ずる友引警部の出番が、原作より多かった点も嬉しかった。以前にも書いたが、やはりランプには内海氏の声が一番合っていると思う。

 手塚眞監督のブログによると、アニメ「ブラック・ジャック」は、これで終わりというわけではなく、今後の更なる展開もあり得るようだ。もし可能なら、次は19時台よりは制約の少なそうな深夜枠で、残された原作を丁寧に映像化して欲しい。
 そう言えば、今月からAT-Xで出崎統監督によるOVA版の放送も始まる。「原作と違う」と聞いて今まで敬遠していたのだが、ちょうどいい機会なので、こちらも観てみる事にしよう。



・ウィッチブレイド(CBC・9/20終了)

 最終話が、色々と詰め込み過ぎで消化不良な感じだった。直前の第23話までは、親子の絆や、雅音の体が破滅していく様などが丁寧に描かれていただけに、最後の最後で、早送りで無理に東京タワーのシーンへと持っていったように見えてしまい、ちょっとすっきりしない気分になってしまった。
 しかし、シリーズ全体として評価すれば、本作の印象は悪くはない。GONZOが「SoltyRei」に続いて作った「家族」テーマの作品だが、その点にはしっかりこだわって作られており、また能登麻美子による雅音の演技も、今までにない新鮮な感じで、なかなかよかった。逆に、人間関係の描写に比べて、戦闘シーンは比較的あっさりとしており、特に最終話が物足りなく感じたのは、そのせいもあっただろう。その点では中途半端だったと言わざるを得ないが、個人的にはあまりマイナスポイントとはなっていない。
 それにしても、最終話でOPを「XTC」に戻したところを見ると、スタッフもクライマックスに2代目OPは合わないと判断したのだろうか。個人的には、EDテーマは2曲とも好きだが、OPは全話「XTC」でも、よかったと思う。もっとも、2代目OPも、ちゃんと新作OPアニメが作られていたら、また印象が変わったかも知れないが。



・ラブゲッCHU ミラクル声優白書(テレビ愛知・9/26終了)

 実は、かなり気に入って観ていた作品だった。しかし、自分では面白いと思っていても、はっきり言って他人にはお勧めしにくかった。いい加減で無理の多い脚本・構成や、あか抜けない作画など、あまり出来いい作品とは言いがたかった。そのため、当ブログでも、本作についてはこれまであまり触れる事はなかった。
 それでも、イキアタリバッタリであるが故に先の展開は読めなかったので、いつも単純に続きがどうなるかが楽しみだったし、時折思い出したように挟まれた真面目なエピソードは、声優という仕事の厳しさをしっかり描いており、見応えがあった。また、メインキャラのうち二人を、ほぼ本作がデビューとなる新人が演じていたのに対して、脇キャラクターは、野沢雅子をはじめとして三石琴乃、松本保典や井上和彦まで、ベテランで固められており、安心感があった。

 それにしても、冷静に思い返すと2クール目は、本当に滅茶苦茶な内容だった。シスシス結成→ドロドロ三角関係→スケラブ2オーディションと、展開だけを見るとごくありふれた感じだが、急ごしらえのアイドルグループなのに、ぴったりの曲がちゃんと用意してあったり、オーディションはクイズや作文や(偽)無人島サバイバルだったりと、常に予想の斜め上を行く展開で、ここまでやってくれると、いっそ清々しい。ただ、三角関係編は鬱陶しかったので、もっと短い話数でまとめて、あいた話数でまともな声優話を、もう少しやってほしかった。
 また、残り5話しかない第21話での、まさかのOPアニメ変更には驚いた。新OPアニメを観ると、作中では解散したシスシスの露出が多かったり、桃子と祐理花の対決を匂わせる場面があるので、おそらく2クール目に入った時点で切り替える予定が、制作が遅れてこんな時期の変更になってしまったのだろう。第24話(実質的最終回)はOPが無かったので、結局新OPは4回しか使われなかった。結構出来がよかっただけに、もったいない。
 また、最終話の前週に1時間枠で本編に決着を付けた上で、最終話は番外編を流した構成にも意表をつかれた。最近は「DVDで新作エピソードを公開」と言った売り方が多いだけに、太っ腹な感じだ。今期は「xxxHolic」も最終話は番外編だったが、こちらは1時間スペシャルをやったわけではない。

 ともかく、世間的な評価とは関係なく、この半年間は多いに楽しませていただいた。何か懐かしい感じがすると思ったら、「マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ」を観ていた時の感覚に、ちょっと近いものがあったような気がする。これで、DVDがピッチ並みに安かったら、買ってしまったかも知れないが、13話収録でこの値段では、さすがに手を出す気にはならない。



・ARIA The NATURAL(テレビ愛知・9/26終了)

 観ている時は、放送されていて当たり前のように思っていたのだが、いざ放送が終了して毎週観る習慣が無くなってしまうと、寂しくなる。私にとっての本作はそんな存在であり、ネオ・ヴェネツィアは心地よい世界だった。
 シリーズ第2期となる本作では、第1期で扱われなかった猫関係の話も多く取り上げられて、特にシリーズ中盤にはその系統の話が多く、私の中の作品イメージも少し変化した。しかし、作品全体としては、あくまで優しい世界観はそのままだったので、「怖さ」を持つエピソードがあったとしても、毎回安心して観ていられた。
 ただ、1期と比べると、特にシリーズ前半は作画レベルがやや低い回が多かったように思う。この点だけは、少々残念だ。この時期にハルフィルムメーカーがテレビシリーズを3本抱えていた影響が出たのだろうか。
 一応、1期・2期と分かれてはいるが、両方まとめて1年間付き合った気分だ。その意味では、この作品と共に過ごす事が出来て、気持ちのいい1年間だったと思う。



 以上、今期終了作品の感想は、ここまでとしておく。
 最終回まで付き合った作品は、ここで取り上げた以外にも何本かあるが、今回だけで結構長くなってしまった。とりあえず、今回で「ぜひ感想を書いておきたい」と思った作品は取り上げる事が出来たので、残りの作品に関しては、余裕があれば、いずれ一言メモのような形で触れるかもしれない。
 新番組は、特に気になる作品から順に観ているが、なかなか視聴が追いつかない。第一、東海地方ではまだ新番組が出揃っていない。相変わらず東海テレビと名古屋テレビの枠は遅れっぱなしだ。しかし、11月まで待っていると遅すぎるので、来週くらいには新番組の感想も書いておきたい。