はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

9/16 ドラえもん「ミチビキエンゼル」ほか

2005-09-17 22:21:24 | アニメドラ感想
 都合により、一日遅れでアニメドラ感想。


「ミチビキエンゼル」(脚本/高橋ナツコ、絵コンテ・演出/塚田庄英、作画監督/中村英一)

 原作をそのままアニメにしたと言うだけの感じで、とりたてて印象に残らなかった。ドラえもんの風邪引きは、もっと極端に見せた方が面白かっただろうし、オチもあっさりしすぎていた。
 私は、大山時代から「ドラちゃんのおへや」の掲示板などで書いてきたのだが、漫画のアニメ化で「原作の面白さをアニメでも出す」と言うのは、「原作をそのままなぞったアニメを作る」とは、同義では無いと考えている。原作で非常に面白い場面であっても、媒体が異なる以上、それをそっくりそのままアニメで再現するのは不可能だし、あえて原作とは異なる表現をしても、十分に原作を理解した上での改変であれば、むしろそれが原作の持つ、作品の「味」を、原作とは異なる方向から引き出すことにもなるだろう。
 しかし、残念ながら今回の「ミチビキエンゼル」は、少なくとも私には「原作をなぞっただけ」の作品と感じられた。独特の「間」の、アニメ表現への置き換えが、上手くいっていなかったと思う。その意味で、取り立てて語りたくなる部分があまり見あたらず、残念だ。
 ただ、ドラが自分の腹をあけて修理する部分は、さすがにアニメで色と動きが付くとメカニカルな感じが強調されており、これは印象に残った事を付け加えておく。



「家がだんだん遠くなる」(脚本/与口奈津江、絵コンテ・演出/塚田庄英、作画監督/中村英一)

 こちらは「ミチビキエンゼル」とは異なり、アニメならではの演出が成功していたと思う。
 のび太がダンゴを食べた時のドラの驚愕をはじめ、表情が豊かで見ていて飽きなかったし、のび太が家を出てしまった直後の、野比家の門までの微妙な距離の表現や、「見知らぬ町」の様子など、タイトル通り「家がだんだん遠くなる」事に対する不安・恐怖感の描写が素晴らしかった。
 オチは、あっさりしすぎている原作に比べて、多少追加部分があったが、ママに叱られる描写は「日常世界への回帰」を、上手く表しており、これもよかった。
 あとは、小ネタだが、のび太が後ろ姿でしずかと間違えた女の子が「エスパー魔美」のノンちゃんにそっくりで、笑ってしまった。演出の塚田氏は「魔美」にも参加していたので、意図的なものだろう。既に「魔美」にドラたちがゲスト出演している(このエピソード「ウソ×ウソ=パニック」の演出が塚田氏)ので、ようやく両作品のアニメ世界がつながったことになる。

 正直言って、今回の2本が同じ演出家の手による作品とはとても思えない。やはり、話の内容によって、得手不得手があると言うことだろうか。

 なお、テレビ情報誌によると、次回9月23日の放送の後は、3週連続で放映休止の予定となっている。加えて、今のところ特番の放送予定もないので、丸々一ヶ月間「ドラえもん」の放送が休みになる。しずか役のかかずゆみが産休に入っているので、一か月の休みはタイミングとしてはちょうどいいかもしれないが。
 ともかく、一か月の余裕が出来るのだから、放映再開後の作品がどのような出来になるか、原作の選択も含めて、大いに楽しみだ。