はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

3月終了アニメの感想

2005-04-05 00:06:29 | マンガ・アニメ
 4月に入って、どんどんアニメ新番組が始まりつつあるが、とりあえず、3月で終わった番組の感想を書いておく。ネタばれありなので、未見の方はご注意を。


「ファンタジックチルドレン」

 前半、特に第5話あたりまでは、話がさっぱり見えなかった。しかし、作品全体に漂うミステリアスな雰囲気に惹かれ、視聴を続けた。そして、後半。ギリシア編で、これまで謎だった部分が明かされ、断片的に描かれていた「過去」の物語が繋がり、一気に作品世界に引き込まれた。結果として、非常に見応えのある作品になった。
 しかし、本作は導入部の話の分かりにくさと世界名作劇場風のキャラクターデザインで損をしている気がする。キャラデザに関しては監督が手がけているので仕方がないが。それに、どんなキャラデザならしっくり来るかと言われれば、それはそれで返答に困る。冒頭の謎の多さについても、それが後で効いてくるので、難しいところだ。
 最終回はきれいにまとまったが、最後の締めくくりに関しては、ヘルガがソランの生まれ変わりらしき青年と出会う下りは、蛇足だったのではないか。トーマの「きっと会える」と言うセリフだけで十分だっただろう。
 ともかく、良くも悪くも、全話通して観て、初めてきっちり楽しめる作品だったと思う。一見、王道の冒険物っぽいのに、中身は想像とは異なるハードな話が展開されている所がよかった。トーマの前世がソランではなくセスだと分かった時には「やられた」と思ったものだ。


「スターシップオペレーターズ」

 ついつい、惰性で最後まで観てしまった。正直、ちょっと時間を損した気がする。キャラクターの死も、話の展開上で必然性があれば素直に受け入れられるのだが、逆に、本作は話を進めるために無理矢理殺されたキャラが多すぎる。ご都合主義と言われても仕方がないだろう。次にどのキャラが死ぬか、100%読めてしまう安直な展開の連続も、観ていてうんざりした。
 私は、1クール作品だと6話あたりまで観たところで「どうせあと半分くらいだし、せっかくだから全話観るか」だと思って、最後まで観てしまうことが多いのだが、「時は金なり」と言うし、もう少し考えて視聴した方がいいと、改めて思ってしまった。


「スクールランブル」

 第25話を観ていた時には、このまま原作通り進めたら話が途中で切れてしまうのに、どうするのだろうと気になっていた。そして、第25話ラストで意外な展開となり、最終話では「作中漫画オチ」と「夢オチ」の合わせ技。片方だけなら卑怯な手だと思うところだが、本作のように徹底していれば、かえってすがすがしい。最後のウソ予告にも笑った。スタッフがノッて作っている雰囲気が伝わってきて、素直に楽しめた作品だった。原作付きアニメとしてはかなり出来のいい部類に入ると思う。それにひきかえ、同じマガジン連載の「ネギま!」の悲惨さは(以下略)。


「まじかるカナン」

 全体的に、作画・演出共に低調だった。「スターシップ」同様に1クールだからついつい観てしまったような感じだが、こちらは話が後半盛り上がって、そこそこ楽しめた。しかし、最終回の「奇跡が起きた。理由は分からない」は、どうかと思う。町を破壊しまくったのに「幸いに死者はなく」も無理矢理だ。最終話はかなり話を詰め込んでいたから、あれしかまとめようがなかったのかもしれないが。個人的には、セルリアンブルーの変身シーンがなかったのが残念。
 本作は全13話にも関わらず、正式なOP・EDが付いたのは何と第10話。9話まで観た時点では、OPは諦めていたので、正式版を観た時は、意外に思うと同時に、ちょっと嬉しかった。そう言えば、前番組の「To Heart Remember my memories」も、OP・EDが出揃ったのは第8話だったし、「ゴーダンナー」2ndの時は最終話まで正式OPは流れなかった。OP・EDがなかなか完成しないのは「アニメ魂」枠の伝統なのだろうか。それにしても、OPの「マジカルちょーだいっ」は、耳に残る曲だ。つい、CDまで買ってしまった。


「砂ぼうず」

 全体を通して安定した面白さがあった。特に、小砂と雨蜘蛛はいいキャラで、声優の演技もよかった。雨蜘蛛の若本規夫は、まあいつも通りなのだが、さすがに少ない出番の割に、非常に大きな存在感を示していた。そして、小砂は「キキキキキッ」と言う独特の笑いが、耳に付いて離れない。一歩間違えると耳障りに聞こえそうなのだが、そうはならず、いつ「キキキキキッ」が出るか、楽しみだった。ともかく、斉藤千和もいい仕事をしていた。
 そう言えば、また「私のしもべ」や「イヌミミモード」など、小砂絡みでは妙に「月詠」ネタが多かったが、メインのキー局CBCのある名古屋で「月詠」は放映していなかった事を考えると、少々勿体ないネタの使い方だ。
 また、本作は主題歌や挿入歌も、いい曲が多かった。OP・EDは、前期・後期で傾向が違うものの、両方とも作品世界に合った曲だし、挿入歌の砂ぼうず&雨蜘蛛の唄、便利屋組合の歌、そして「手のひらを太陽に」などは使い方が絶妙だった。このあたりは、原作や演出家の力量も関係しているのだろう。
 CBCには、この調子でまた、いい作品を作ってほしいものだ。CBC深夜アニメは今のところ一年一作なので、次回作は早くて秋くらいだろうか。


 とりあえず、全話観た作品で、現時点で最終回を迎えているものは、これくらい。あと残っているのは、明日深夜放送の「舞-HiME」くらいか。情報を出来るだけ遮断しているつもりなのに、ネット上で少々ネタばれを見てしまって、ちょっと残念だ。